瀬戸の海に囲まれた大三島は、豊かな自然環境に恵まれた地域ではありますが、既に高齢化率50％の限界集落でもあります。現在、島の人口は約6500人に減少しており、更に急激な過疎化が進行する現況です。しかし「高齢化社会対策大綱」の見直しにより、一律に65歳以上を高齢者とする現行制度の見直しがされつつありますが、今や高齢者の地域福祉や介護等の問題は、急を要する深刻な問題です。社会情勢の変化により、元気な高齢者は自立と共助の精神に基づいた地域福祉の担い手としての活動が求められています。温暖で優れた景観の大三島ではありますが、現状は雇用の場も少なく経済的な活力を求めるのには厳しい状況にあり、島外の通勤通学等も法外な高速料金は苦痛です。しかし、物質文明の社会から人の心や想いを大切にするスローライフの静かな生き方には、条件が整っており理想の地域です。もはや時代は、何事も過去の前例踏襲に留まらず、公助に頼るだけでなく若者と高齢者が一定の自覚と認識を共有しながら、行政の手の届かない健常者の福祉や定住者の促進等の活動に知恵を出し合い、特にソフトの部分に重点を置いた活動に一定の役割を果たそうと考えています。
思いやりの気持ちや個々の活動には限界がありますが、個々の想いや不安を集約し、共通の目的にして活動すれば、必ず希望の持てる方向を見出すことができますし、地域社会の貢献になると考えています。最近、就農者や定住者が増えつつありますが、先々に不安や課題も多くなっており、島外の人が更に住みたくなる地域社会を目指すには、人々が何を求めているかを把握しながらの諸活動が必要であり、そのために当法人が必要になります。

代表理事

わたなべ ひでのり