事業成果物名

2007年度 遺族の心のケアに関する支援事業

団体名

事業成果物概要

訪問看護の利用者が死亡された後、残されたご遺族の悲しみ寂しさに寄り添い、ご遺族の悲しみが癒える過程を手助けしたいと思いグリーフケアを行っています。
日常ではなかなか故人の話をする機会がない為、参加遺族は遺族会で故人の思い出話をすることで癒されると言われ、死別後数年経っても参加をされる方もいます。自己の成長を発見する過程がグリーフワークにあるように思います。悲しみは徐々に懐かしさに変わり、そして故人について話すことで、いつまでも故人とのつながりを感じ癒されるようです。
【活動内容】
1)弔電・遺族訪問前電話・遺族訪問・グリーフカードの送付
2) ぽむの会(遺族会)開催(3月、8月以外の毎月開催) 
スタッフ:ぽむの会担当看護師2名、ボランティアスタッフ2名(住職と元済生会滋賀県病院看護部長)
3)死亡者サマリーの記載
4)遺族電話、遺族訪問後カンファレンスでの報告
【活動結果】
弔電44件、遺族訪問前の電話42件、遺族訪問42件、グリーフカード203枚送付、サマリー提出47件
【ぽむの会(遺族会)内容】
4月、参加遺族5名
5月、参加遺族5名
6月、参加遺族5名
7月、参加遺族5名
9月、参加遺族5名
10月、参加遺族2名
11月、参加遺族4名
12月、参加遺族3名
1月、参加遺族2名
2月、参加遺族5名
年間参加遺族11名、参加延べ人数41名、平均4.1名
【評価と課題】
昨年度は、遺族訪問の実施率を増やすことを念頭にしていたが、遺族訪問をし、遺族訪問の必要性のない方もいるということを感じ、必要な人だけに遺族訪問をするという方針で実施した。遺族電話前にカンファレンスで遺族訪問の必要性の有無を検討し、最終的な判断は遺族へ電話した際の反応をみて遺族訪問実施を決定していた。ぽむの会では、ほぼ毎回参加し続けている遺族が2名いる。悲嘆からは十分抜け出した様子であるが、この遺族は参加することで癒されると言われ、悲嘆から回復していても癒しを求め参加している遺族がいることが分かった。 
遺族サマリーを分析して、遺族は悲しいという想いを語ることが多く、また後悔、満足、安堵といった気持ち、他の家族がいるから気が紛れる、また他の家族が悲しみに浸っているので自分が頑張らなきゃ、といった言葉も聞かれた。また看護師が感じたこととしては、遺族は思っていたより吹っ切れていた様子、ターミナル期の最期を在宅で過ごすという形が増え、病院から退院して、訪問開始となるが、数日から数週間で亡くなり、訪問回数も少なく、家人との関係も信頼関係を築くまでの時間がないという意見もいくつかあった。また家族から全面的な信頼を寄せて頂き、最後に身に余る感謝の気持ちを言われ良かった。大家族の中、在宅で看取られたケースでは、利用者さんが孫に見せる嬉しそうな顔を見て在宅で過ごす幸せを感じ、訪問看護の良さを改めて感じたという意見もあった。一人が経験する遺族訪問は少ないので、他の遺族の気持ち、他の看護師の気持ち、考えを知り、自己のグリーフケアの糧となるように、サマリーの分析結果をスタッフに見てもらった。

助成機関

  • 日本財団

事業成果物種類

報告書

事業成果物

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