事業成果物名 |
空気潤滑法による外航船舶の省エネ技術の研究開発-1
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団体名 |
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事業成果物概要 |
事業名:
空気潤滑法による外航船舶の省エネ技術の研究開発-1 事業内容: 1.概要 実船装備を前提とした研究として、1)抵抗低減効率の向上、2)空気供給方法の最適化、3)シーチェスト等に対する気泡流対策、4)空気潤滑法による省エネ効果の推定とシステム構成の検討 の4課題について研究に取り組んだ。 2.抵抗低減効率の向上 2.1船底性状の影響 数種類の塗料を塗布したサンプル板を、高速回流水槽にとりつけて、空気潤滑法に適した塗料の探索を行った。 2.2吹き出し方法の調査 長尺平板模型船を用いて、数種類の吹き出し角度を有するリセス方式の吹き出し方法における抵抗低減効果を調べた。 2.3空気吹き出し部の圧力損失 空気チャンバーを製作し、円形吹き出し孔の場合での圧力損失を計測した。 2.4気泡流と推進性能の調査 キャビテーション試験水槽に模型船を設置し、気泡流中キャビテーション試験を実施した。 2.5気泡流中のプロペラ性能 プロペラ単独状態の気泡流中のキャビテーション試験を実施した。 2.6空気潤滑システム搭載船の流力設計法の開発 二相流モデルによる気泡流の数値シミュレーション手法の開発を進めた。また、キャビテーション水槽に設置した模型船周りの気泡流を、レーザーシート光による気泡分布の観測やビデオ画像による気泡分布の目視観測を行った。 3.空気供給方法の最適化 3.1ブロワーの最適化 代表的なブロワー形式として、ルーツ型、スクリュー型の諸性能について調査した。 3.2主機掃気ガス(バイパスガス)の有効利用法の検討 過給機により圧縮された吸気(掃気)ガスをバイパスガスとして利用するため、1)掃気バイパスガス制御システムの開発、2)掃気バイパスガスシステムを用いたときの主機性能および省エネ効果等の検討、3)アシストブロワーの性能検討、4)中速機関用制御システムの設計 の4項目について検討した。 4.シーチェスト等に対する気泡流対策 気泡流シミュレーションを行った。 5.空気潤滑法による省エネ効果の推定とシステム構成の検討 実船試験に用いた船の推進性能把握のための水槽試験、簡易省エネ効果推定ツールおよびシステムの検討及び船体周りの気泡流シミュレーションを行った。 事業目標の達成状況: 本研究は、省エネルギー技術の一つとして研究されている空気潤滑法について、実船装備に関する研究を行うことにより、その高度化を図ることを目標とするものである。 空気潤滑法については、その実用化にあたって諸々の課題が存在しており、引き続き実船による実証実験等により研究を継続する必要があるが、本研究により空気潤滑法の実用化に資する種々の知見が得られたことから、その技術の高度化が図られたと考えられる。したがって、当初の目標は達成されたと評価できる。 このような成果を得られた背景には、有識者を交えた民間10社の研究協力体制により、実船への適用を前提として研究を進めたことがあると考えられる。 本研究で得られた主な具体的成果をまとめると、 1) 異種塗膜と空気潤滑法の関係については高速流路で試験を実施し、所要の知見を得た。今後大型模型を用いた試験の計画立案と実施をすることが課題である。 2) 気泡流中の船の推進性能については、内航セメント船を例に取った試験を行った結果、有用なデータを得ることができた。今後は、外航船舶を対象とした試験を実施し、設計ツール開発に必要な知見の蓄積を図ることが課題である。 3) 気泡流シミュレータの機能向上をはかり、複数の船種で計算を行った。摩擦抵抗推定手法等の改良点が見いだされたので、今後改良を重ねることが課題である。 4) 主機掃気バイパスガスシステムを空気潤滑法に利用する概念を提案し、バイパスガス制御システムについて検討し試作した。また2種類の実用船型に対して配管等の検討を行い、問題点を整理した。 5) 試作したシステムを実機大型低速機関(2機種)に設置し、実際にバイパスガス総合試験を行い、掃気バイパスを行ったときのエンジン特性に関する貴重な知見を得た。 6) 簡易省エネ推定システムの概念について検討し、それら要素技術について検討をするとともに、ツール開発に必要な各種の模型試験(模型船を用いた各種の試験や空気吹き出し部圧損計測試験等)を実施し、所要の知見を得た。 |
助成機関 |
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事業成果物種類 |
報告書
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事業成果物 |