事業成果物名

2010年度 外来ザリガニ調査助成報告

団体名

事業成果物概要

助成事業概要

事業名
河川生態系の保全を目指した外来ザリガニの調査等

目的
美幌町内の美幌川支流および網走川で2008年、特定外来種ウチダザリガニが発見された。近年、道内各地で、その分布が拡大している。ウチダザリガニは、在来種ニホンザリガニの生息を脅かすとともに、河川生態系のバランスを撹乱する危険性が指摘されている。特に、美幌川および網走川は、網走湖、オホーツク海に最終的に合流することから、今後ウチダザリガニが分布を拡げた場合、ワカサギ、サケなどの重要な水産資源への影響が危惧されている。そこで、地元関係機関・団体や自然に興味がある地元住民らの連携により、ウチダザリガニが河川生態系に与える影響を調査し、その成果を多くの住民に普及する。また、防除方法や成果など、他地域でも活用できるよう、情報蓄積・発信に努める。

事業内容:                
1. 鴬沢川におけるウチダザリガニ防除作業、および形態解析など
 (1)日時:20010年5月~3月 延べ10日
 (2)場所:美幌町古梅・鴬沢川
 (3)参加者:延べ77人(地元住民、地元民間団体員、博物館学芸員、東京農業大学網走
    校学生ら)
 (4)内容:ウチダザリガニの生息が確認されている鴬沢川に入り、主にたも網を用い
    て、ウチダザリガニを捕獲した(合計1,692匹)。捕獲した個体は、形態等を測定
    して、今後の環境モニタリングの基礎資料として解析にあて、保管した。また、鴬
    沢川上流部に設置されている人工ダム(古梅ダム)において、ダム水中でのウチダ
    ザリガニの生息の有無を確かめるため、8月27日~30日において、専門潜水士に依
    頼して、ダム潜水調査(目視調査・ワナ調査)を行なった。その結果、ダム水中で
    のウチダザリガニの生息は確認されなかった。

2. ニホンザリガニをテーマにした自然講座の開催
 (1)日時:2010年5月29日(土)・30日(日)
 (2)場所:美幌博物館・美幌町豊岡地区の湿地(ニホンザリガニ生息地)
 (3)参加者:延べ一般40名
 (4)内容:ニホンザリガニの生態、生活史、外来種ウチダザリガニとの関わりなどにつ
    いての講演会を実施した。また、現地観察会では、実際にニホンザリガニを探して
    捕まえ、形態の特徴など、詳しく観察を行なった。美幌博物館との共催で実施し
    た。

3. ウチダザリガニ現地観察会の実施
 (1)日時:2010年8月29日(日)
 (2)場所:美幌町古梅地区(鴬沢川ウチダザリガニ生息地)
 (3)参加者:一般15名
 (4)内容:ウチダザリガニが生息する川へ入り、各自たも網でウチダザリガニを捕ま
    え、詳しく形態等を観察した。また生息する環境の様子など理解してもらった。
事業目標の達成状況:        
・ 地元関係機関や地元住民らとともに、特定外来種ウチダザリガニの捕獲防除にあたり、河川生態系の保全の一翼を担うことができた。調査(作業)により得られた情報は、美幌博物館で開催された特別展「~魚っと!魚々と!大公開! 美幌川で暮らす魚たち」の展示コーナーの一部で、外来種問題として展示し、広く一般に周知することができた。また、ふるさと美幌の自然と語る会が運営するホームページでも、ウチダザリガニ調査活動の様子を紹介・公開することとした。
・ ニホンザリガニ観察会、ウチダザリガニ観察会、およびウチダザリガニ防除作業を通じて、一般住民に、外来種問題を通じた自然環境保全のあり方に関して理解・関心を深めてもらうことができた。

助成機関

事業成果物種類

報告書

事業成果物

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