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2010年度 「公共交通支援センター」のWEB情報収集・提供に関する業務報告書
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事業成果物概要 |
1.業務の目的
本業務は、当機構内に平成19年4月に設置した「公共交通支援センター」(以下「支援センター」とする)の業務として、全国市町村の公共交通担当者等に向けて、支援センターのホームページから地域公共交通活性化に関する「事例紹介のための情報収集・提供」、「WEBコンテンツの充実・更新」、「情報検索システムの構築」、「研修会、アドバイザー派遣、リレー座談会による人材育成」実施等の平成22年度の活動内容を紹介するものである。 2.業務活動の方法及び項目 本業務は、3カ年計画で、本年度はその3年度目であるが、次に本年度の業務の進め方、各業務の概要を示す。 (1)業務の進め方 本業務の実施に当たっては、喜多 秀行 神戸大学大学院教授を座長とする顧問会議を設置し、年度内に3回開催し、顧問会議の先生方、国土交通省のご指導・ご協力をいただいた。また、全国の市町村、交通事業者等にアンケートおよびヒアリング調査へのご協力をいただき、業務を実施した。 3.業務の内容 ここでは、報告書にまとめた各業務の内容を要約して紹介する。 (1)HPコンテンツのリニューアル 「支援センター」HPコンテンツのリニューアルにより、市町村交通担当者等利用者のアクセスを容易にし、また公共交通活性化等に関する事例、文献、法律、統計、支援制度等について、より簡単に検索等を行うことが可能となるよう改善した。 (2)HPの事例検索システムの操作性向上導入 (3)公共交通活性化等の事例収集と整理 最大のデータベース構築 全国市町村の交通担当者が公共交通活性化の事例等について最新の情報を得られることを目的に、次の3つの作業を実施した。 ①既存文献等からの掲載 その結果、新たに183件の事例を抽出し掲載した。これにより、既存文献からの抽出事例数は、4年間の累計で1,433件となった。 ②詳細事例の情報収集・掲載 今年度は国の内外を含め、12カ所にヒアリングを実施し、個票にまとめ掲載した。これにより、現地ヒアリングに基づく詳細事例数は、4年間の累計で199件となった。 ③新聞・通信社等の情報検索サービスからの事例収集 第3の情報源である新聞・通信社等の情報検索サービスから、東京では把握しにくい地方都市の地域公共交通に関するニュースを今年度も検索した。 検索項目は、「地域公共交通」、「乗合タクシー」、「LRT」、「コミュニティーバス」、「デマンド交通」、「デマンドバス」、「デマンドタクシー」等である。 検索の結果、今年度は493件の記事を要約し、HPに掲載した。これで、平成20年度から3カ年の累計で1,210件の事例記事を掲載した事になる。 上記3つの情報源から抽出、原稿化し、HPに掲載した事例は、延べ2,842件に達している。この事例数は、地域公共交通の活性化策のデータベースとしては、恐らく我が国で最大のものであろう。 (4)アドバイザー制度の実施 本年度は、「支援センター」Webに60名のアドバイザーがリストに登録され、全国5地域に無料アドバイザーを延べ9回派遣し、地元の交通計画策定の参考に貢献した。 (5)セミナーの開催 本年度は、地方鉄軌道の活性化・再生に関するセミナーを開催し、定員を大幅に超える参加者を得、大盛況であった。セミナーの演題と講師は、次のとおりである。 ○地方鉄軌道の活性化・再生に関するセミナー 1)「交通基本法と今後の地域公共交通のあり方」 山口 勝弘 国土交通省総合政策局交通計画課長 2)路面電車ルネッサンス 宇都宮浄人 エコノミスト(日本銀行勤務) 3)地域鉄道関係の補助制度について 横田 孝洋 国土交通省鉄道局財務課地域鉄道支援室長 5)事例紹介 富山市の路面電車を活かしたまちづくり「富山環状線・線トラム」 谷口 博司 富山市都市整備部路面電車推進室室長 6)事例紹介 錦川鉄道 清流線 ここは自然美術館 沿線住民の支援で実現した活性化 清水晃一 錦川鉄道㈱代表取締役社長 (6)市町村からの相談受付 今年度の相談者は、40件中、最も多いのが市町村の12件。続いて都道府県からの8件、次に報道・マスコミからの5件、国土交通省・運輸局からの3件と続き、個人や民間コンサルタント会社、民間企業、他省庁などが含まれる「その他」から12件となっている。 相談内容は、多岐にわたっており、アドバイザー派遣の公募に関する問合せといった簡単な相談から、地域公共交通の課題解決に関する即答が困難な内容の相談まで寄せられている。 4.事業の成果、達成状況 本年度は3ヵ年計画の最終年であったが、年度当初に掲げた目標に対し、十分に目標を達成することができた。具体的成果は、次のとおり。 ①公共交通に関する関心の拡大 支援センターへの相談の多くは、地方自治体の交通担当部局や交通事業者からのものであるが、支援センター開設以降、年次を経るに連れマスメディアや交通事業者やコンサルタント以外の民間企業、個人などからの相談が寄せられるケースが増加してきている。これは、公共交通に関する関心の拡大が進んでいるものと考察され、支援センターは、このような関心の拡がりに大きく寄与したものと評価される。 ②交通に関する情報や知見の周知拡大 特に、事例情報については、平成22年度末時点で、既存文献等からの掲載事例数1,433件、詳細情報PDF付き事例数199件、地域交通ニュース1,210件、総計で約2,842件の事例を掲載している。これは、わが国において、情報量・対象範囲(地域、モード、年代)とも、ここまで網羅された「事例情報」は他に類がなく、地域公共交通に関するわが国随一の事例情報データベースとして貴重な情報基盤となっている。 これに対し、支援センターサイトへのアクセス件数や地方自治体担当者へのアンケート結果においても、公共交通支援センターの認知は年々増加しており、地域交通に関する最新情報や知見を広く周知してきたものと評価される。 ③市町村担当者のスキルアップ向上 市町村の公共交通担当者を中心に平成20年度から延べ5回開催した研修会・セミナーは、毎回、会場の定員を大きく超える参加者を得て行われた。 回を重ねるごとに地方開催、個別モードの特集的プログラム、先進事例成功の要点紹介、質疑では住民ニーズの収集方法、既存交通事業者との調整方法、地元住民への啓蒙の方法等、市町村交通担当者の問題意識の向上や業務活動のスキルアップが伺えた。 ④アドバイザー派遣による自治体取り組みの促進 平成20年度より、国において地域公共交通活性化・再生総合事業が実施され、全国の自治体において、公共交通活性化の取組が進展してきた。 支援センターが平成20年度、21年度にアドバイザーを派遣した23自治体のうち、地域公共交通活性化・再生総合事業の認定を受けた自治体は15自治体(65%)に上り、地方自治体の地域公共交通活性化・再生総合事業の推進に寄与したものと評価される。 報告書名:「公共交通支援センター」の情報収集・提供等調査活動業務 報告書 本文:A4版 267頁 |
助成機関 |
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事業成果物種類 |
報告書
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事業成果物 |