事業成果物名

2011/7/30「ホープレス社会、居場所のない子どもたちの今」

団体名

デュープレックスファミリー(子ども支援・虐待予防)

事業成果物概要

7月30日に、三鷹でのDuplex Family初のイベントとなる「ホープレス社会、居場所のない子どもたちの今~学習支援を通して地域で支える試み~」を三鷹市市民協働センターにて開催致しました。前日に、朝日新聞朝刊むさしの欄に大きく紹介されたこともあり、定員ギリギリの37名の方が参加して下さいました。参加者は学生から子育て中の主婦、シルバー世代と、幅広い層でした。
挨拶

 まずは、代表の佐藤が開会の挨拶とDuplex Family設立に至るまでの話、子どもの虐待予防に取り組んでいくことを宣言しました。

【山野良一氏講演】
 続いて、千葉明徳短期大学教授で、「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークの共同代表の山野良一氏に『この国の貧困と子どもたちの未来』と題した基調講演をして頂きました。テーマは「貧困は貧困だけに終わらない」-子ども虐待と貧困について、というものでした。講演を聴いていて、子どもの貧困の原因は、その親の努力不足ということばかりではなく、日本という国がそうさせているのだと強く感じました。例えば、高等教育の授業料の高さです。諸外国では学費が安く奨学金受給率も高いので、進学は子どもが自立し、人生を切り開くチャンスとなりますが、日本では学費が高く奨学金の受給率も低いので、貧困が子どもから、学習する機会を奪ってしまうことになってしまいます。このように、子どもが個として尊重されず、「子どもの権利」という概念が欠乏しているのが今の日本なのです。

【被虐待当事者の声】
 かつて虐待を受けていた大学生も語ってくれました。マンションに住んでいる時に母親から虐待され、その時、「隣の人はどうしているのだろう」と思いを馳せていたそうです。そんな子どもの気持ちに寄り添い、助けになる活動をしていきたいと改めて思いました。その後、彼女は父親にSOSを出し、父方の親戚と暮らします。そこでは、みんながさりげなく彼女を気づかい、そんな気づかいがとても嬉しかったそうです。彼女の話を聴いていて、いち市民の私にもできる事があるのだと気付かせてもらえました。

【ワークショップ】
 ワークショップも行いました。参加者に、子ども・大人・地域・行政とそれぞれの視点を選択してもらい、虐待により母子分離に至ったあるケースについて、その時何ができたか、どんな気持ちだったかを考えてもらいました。とても積極的に意見か交わされていて、とても嬉しく思いました。
 最後に、今月から始める「鷹の子部屋」とい学習支援について説明し、参加者を募りました。何人か、子どもたちと向き合ってくれることになりました。「鷹の子の部屋」については、また別の機会に紹介させて頂きます。

【子ども虐待について】
 今回のイベントでは、子どもの貧困、そこから派生する様々な問題(ネグレクトなどの虐待や、子どもの発達など)について考えることができました。その状況を政治により改善させることが最重要ですが、子どもたちを尊重し、生きる力を育んでいくことは、きっと、私達にもできることだと思います。それを確信したイベントとなりました。

(DuplexFamily 大橋)

助成機関

事業成果物種類

講演録

事業成果物

事業成果物名

2011/7/30「ホープレス社会、居場所のない子どもたちの今」

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