事業成果物名

2012年度いわき海岸の保全と環境学習プロジェクト

団体名

事業成果物概要

2011 年3 月11 日の東日本大震災は、津波・原発事故を誘発し、当会活動のフィールドでも
ある福島県いわき市の海岸環境は大きな影響を受けました。昨年(2012 年)夏のいわき海岸は、
被災後一年以上が経過しているにも拘らず、市内で唯一海水浴場としてオープンした勿来海岸
では、例年の一割にも満たない状況でした。
当会では、震災前の2009 年度から日本財団の助成を受け、「永崎海岸浄化プロジェクト」に
取り組み、海岸環境の実態を調査すると共に、永崎海岸の磯場をフィールドとした「磯の観察
会」を一般市民を対象に実施した他、永崎小学校児童に対する海岸環境に関する学習活動や地
域の排水処理の実態調査と地区住民に対する広報活動等をおこないました。震災後は、いわき
地域全体を視野においての展開をすることとなり、今年度で2年目を迎えました。
2011 年度は、津波・原発事故による海岸環境への影響調査を柱に、海岸林やの実態調査と津
波減災効果の検証、海岸砂浜の放射線量調査等を行いました。これら海岸部での海岸林や砂浜
の放射線量の調査活動は、他の公共機関も含め行われておらず、貴重なデータになったものと
考えています。
2012 年度は、2011 年度の調査実績を踏まえ、引き続き海岸環境の放射線量の調査を行い、沿
岸部の放射線量の動向を調査しました。また、一般社会人・親子を対象とした「磯の観察会」
のフィールドを磯場が消失した「永崎海岸」から「三崎前海岸」に変更して実施し、成功裡に
終えることができました。実施に際しては、参加者自身が放射能濃度を測定して安全性を確認
したり、津波襲来時に備えて予め避難経路を確保する等の手配をするなど、従来にはなかった
配慮をしての実施となりました。また、小中学校での環境学習支援の面では、海岸に隣接する
12 校を訪問し、海岸を学習フィールドとしての取り組みの可能性について打診しました。多く
の小中学校では、まだ放射能に対する不安が大きく、屋外での学習活動を制限せざるを得ない
状況のようでした。そのような中、高校側の反応は良好で、いわき海星高校では、学校裏の砂
浜を対象に「鳴き砂」をテーマに環境学習の機会を持つことができました。受講生の反応も良
く、次年度以降、環境学習支援を進める上で大変励みになりました。
2013 年度は、多くの地元の小中学生、高校生、一般市民が海岸に直接触れ、地域の貴重な資
源である「白砂青松の海岸」の保全に向けて大きな力となれるよう様々な事業を企画し、人材
の育成も含めた事業を展開していきたいと決意を新たにしているところです。
末筆になりましたが、本事業を助成して下さった日本財団に深く感謝申し上げます。また、
調査活動にご協力頂いた皆様に心より感謝申し上げます。今後ともご協力ご支援をお願い致
します。
2013 年4 月
いわき地域環境科学会

助成機関

事業成果物種類

報告書

事業成果物

事業成果物名

いわき海岸の保全と環境学習プロジェクト

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事業成果物名

いわき海岸の保全と環境学習プロジェクト2012報告書

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