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2013年度 欧州造船業概況調査事業報告書

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事業成果物概要

 世界造船市場は2008年のリーマン・ショック以降低迷期に入っていたが、ここ1~2年、徐々にではあるものの、新造船船価や新造船需要が回復しつつある。
 しかしながら、造船好景気時に契約された大量の新造船に加え、好景気時の中国及び韓国における造船能力の飛躍的な増強により、造船市場において深刻な需給不均衡が生じている。今後とも途上国経済の進展に伴い世界の海上荷動量は増加していくとはいえ、この構造不況がすぐに解消される見込みは乏しく、造船市場は今後もしばらくは世界的な過当競争にさらされると考えられる。

 欧州造船業についてみても、いくつかの造船業事業者は商船建造分野からの撤退や業種転換、それに伴う雇用調整の実施など、経済危機・造船不況の影響を大きく受けている。さらに、欧州金融危機の影響により、欧州金融機関による造船業への融資は非常に厳しい状況となり、業況に大きな影響を与えている。
 また、欧州造船業はこれまで大型旅客船やオフショア分野など高付加価値船舶の建造を得意としてきたが、一般商船に関する世界的な需要減少に伴い、アジア各国の造船会社も、一般貨物船等に比べて比較的堅調な需要がある高付加価値船舶分野への進出を図っており、欧州造船業界及び欧州関係各国等は強い危機感を有している。

 こうした中、2012年、欧州連合は、造船を含む海洋技術産業全般にわたる包括的な産業政策として Leadership 2020を策定し、強い決意を持って同産業への支援を表明した。また、時を同じくして、欧州造船工業会(CESA)と欧州舶用工業会(EMEC)が統合・合併し、新たに「SEAヨーロッパ」という団体として出発することとなった。

 本調査は、このような欧州造船業に係る関連情報の収集・評価を通じて、欧州造船業の環境を軸にした最新のトレンドについて明らかにすることを目的として実施するものである。

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