事業成果物名 |
2013年度 ブラジル及びその近隣諸国の河川における海運及び造船業に関する現況調査事業報告書
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団体名 |
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事業成果物概要 |
ブラジル政府は、海洋資源開発とそれを支える海事産業クラスターの育成を国策の主柱として大胆なシナリオを描いており、昨年、プレサル鉱区を含む 3 度の鉱区入札を実施して、2020 年に向けたエネルギー国家の樹立に邁進する姿勢を強く打ち出している。プレサル開発に総力を挙げるペトロブラス社とその子会社である海運会社のトランスペトロ社は、予定より遅れている各種設備や船舶の調達・整備に注力している。
ブラジル政府は、1995 年の憲法改正により、ブラジル企業の定義を「民族資本」から「ブラジルで営業している企業」に変更し、外資とブラジル資本の区別が無くなっている。現在、造船クラスター分野においても、外資に対する特別な Incentive Plan は存在せず、我が国の海事関連企業が進出するにあたっても、原則として、ブラジル企業と同等の扱いを受ける仕組みとなっている。 他方、ブラジル政府は、従来より、国内産業の発展のため、マナウス地域に代表されるような辺境開発や特定の有望産業(情報通信、航空機産業、自動車産業等)に対して優遇措置を講じてきたが、近年の海洋開発分野の活性化に伴い、政府による造船・海運セクターへの支援に変化が生じている。同クラスターへの支援については、2001 年より開始され、2006年以降のプレサル鉱区の発見で一気に加速したが、この期間に、支援船建造を促すための PROFERAM 計画、国内船主による国内造船所への発注を促す EBR 計画、トランスペトロの船舶近代化を進めるための Promef 計画等が実施されるとともに、国家経済社会開発銀行(BNDES)による FMM 基金、造船所や船主の信用を保証する FGCN 制度など、政府による支援策を矢継ぎ早に打ち出し、同クラスターの発展を促すための政策を柱に据えている。 昨年、エネルギー国家を目指すブラジル政府は、5 年ぶりとなる鉱区入札を実施し、石油開発に向けて強い意気込みを世界に示したが、我が国の造船業界もブラジル海洋開発市場への進出を果たし、両国の海事クラスターにとっては、画期的な一年となった。 今回の調査が、ブラジルの海洋開発関連市場に興味をお持ちの皆様の参考となり、ビジネスの発掘に少しでもお役に立てれば幸いである。 |
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助成機関 |
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事業成果物種類 |
報告書
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事業成果物 |
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