事業成果物名

2014年度 インドネシア及びフィリピンにおける石油ガス関連内航輸送調査

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事業成果物概要

 ASEAN は、今や中国に次ぐ投資先として世界の注目を集め、アジアインフラ投資銀行をめぐる議論のように政治的背景も含んだ経済バランサーとしての存在感も増大している。当地域が日米欧や中印と伍し得る経済圏と認識されるようになったのは、近年の成長実績や東西経済回廊の結節点にある地政学理由、比較的安定な政治状況などもあるが、「ASEAN 経済統合(AEC2015)」が持つ成長性への期待も大きな要因と言えよう。
 AEC2015 を巡っては、域内関税撤廃等の物品移動自由化はほぼ措置済みであり、2015を境に劇的に域内貿易が変化するわけではない。むしろAEC2015 の成果は、2015 に向けて長期的にASEAN 各国の分業・連携が進んできたこと、また、ASEAN 地域における経済統合・発展に対する他地域からの期待値を高め、投資や協力を呼び込んだことである。近年の世界経済の変動においても、内外からの投資を背景にASEAN 各国は比較的堅調な経済成長が続いており、今後への期待値をさらに高めている。
 他方、各メンバー国においてはAEC がもたらす域内競争激化への懸念も表れており、大きな国内市場を持ちつつも競争力に乏しい国内企業を抱えるインドネシアやメコンの盟主としてのこれまでの優位性を重視するタイでは民族資本保護、国内開発優先の雰囲気が強まっている。また、政治・行政の透明性や各国間の手続きの差異、国内ファイナンスの弱さも引き続き大きな課題である。ASEAN が長期に亘りアジアの成長エンジンとなるよう、これらの課題を乗り越え、更なる経済統合を共通目標に進んでいくことを期待したい。
 ASEAN 最大の人口と領土を持つインドネシアは我が国にとって最も期待される市場のひとつである。1 万7 千以上の島を持つ世界最大の島嶼国であり、必然的に海上交通が社会、経済、文化、政治の面で国家運営に大きな役割を果たしている。2014 年10 月に新大統領に就任したジョコ・ウィドドはその選挙戦の最中より「海洋国家構想」を掲げ、海上交通の発展による経済成長と東西格差の是正、海上の防衛の強化等を重点政策と位置づけている。
 同じく島嶼国であるフィリピンは、インドネシアに次ぐ一億人弱の人口を抱えており、かつ、典型的なピラミッド型構成で今後も人口ボーナスが期待される。また、言語・宗教面での利便性、特別経済区域への外資系企業の誘致を所管するフィリピン経済区庁(PEZA)の活発な活動などもあり、今では、中国やタイに続く製造拠点・コストセンターとして日本企業等外資の投資先としての人気が定着してきた。一方で、ミンダナオ地域武装勢力との抗争問題など地域間格差問題を抱える中で、南北の均衡ある経済発展と、それを支える国内物流の改善は必須の課題となっている。
 これらを踏まえ、本調査では、経済基礎物資であるエネルギーの国内輸送に着目して、インドネシア及びフィリピン両国の内航船需要動向について調査を行った。

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2014年度 インドネシア及びフィリピンにおける石油ガス関連内航輸送調査

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造船関連海外情報収集及び海外業務協力

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