事業成果物名

2018年度障がい者トップアスリートへの歯科サポート事業報告書

団体名

事業成果物概要

2016年度、2017年度の2年間はTooth Fairyの、2018年度は夢の貯金箱の1つの事業として障がい者アスリートに対する歯科的支援を行わせて頂いてきました。競技団体関係者、障がい者スポーツ医の方々と連携を保ちながら、選手の方々が安全にスポーツに取り組めるよう、これまでのスポーツ歯科的活動を踏まえ、効果的な歯科的助言、支援を行えることを念頭に活動させて頂きました。
障がい者スポーツの原点は、1944年ロンドン郊外にあったストーク・マンデビル病院内の脊髄損傷科の医師、ルードウィッヒ・グットマン卿が、患者の治療と早期社会復帰を目的にスポーツ(車いすによるポロやバスケットボール、卓球、アーチェリーなど)を治療に取り入れたことにより多くの脊髄損傷患者が6ヶ月という短期間で社会復帰できたことに始まり、我が国においては同病院で学んだ中村裕博士の功績が大きいようです。1985年よりオリンピック年に開催する国際身体障がい者スポーツ大会は 「Paralympics(パラリンピックス)」となり、現在では、パラ=Parallel(類似した、同様の)+Olympics(オリンピックス)と解釈するようになっています。
パラリンピックは、障がい者による世界最高峰の競技大会です。パラリンピックには、多様性の容認、個性や残存能力を遺憾なく発揮できる公正な機会、共生社会、今後の社会の成熟などのためのヒントが豊富に詰まっています。IPCは、パラリンピアンたちに秘められた4つの力、勇気(マイナスの感情に向き合い、乗り越えようと思う精神力)、強い意志(困難があっても、諦めす限界を突破しようとする力)、インスピレーション(人の心を揺さぶり、駆り立てる力)、公平(多様性を認め、創意工夫すれば、誰もが同じスタートラインに立てることを気付かせる力)の価値に注目しています。
 しかし、健常者のスポーツ同様、顎口腔系の外傷が少なくないことも事実のようです。また、車いす競技などにおいての強いかみしめが歯や歯周組織に及ぼす影響は少なくないようです。実際、視覚障がいが本当にあるのかと驚かされるような、スピード、迫力でプレーが行われるブラインドサッカー、車いすを使用しながらコート内を激しく動き、相手選手の車いすとの激しい接触、転倒が多い車いすバスケットボール、ホイールチェアーラグビーなどでは顎口腔系の外傷や口腔内のトラブルが多々見受けられます。これらのトラブルに対する安全対策の確立に向けての積極的な活動が必要と思われます。
行わせて頂いた支援は、選手や競技関係者の方々への歯科保健指導、スポーツ歯科的検診、安全知識の普及、啓発、マウスガードの提供などです。2020年のパラリンピックの成功と、その後のレジェンドとして障がい者スポーツの発展に少しでも貢献できれば幸いです。
今回日本財団の多大なご支援によりこのような活動ができたこと並びにご協力頂いた各競技団体の関係各位等に深謝いたします。

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報告書

事業成果物

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2018年度障がい者トップアスリートへの歯科サポート事業報告書

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