【はしがき】
本報告書は、日本財団の2008 年度助成事業「船舶関係諸基準に関する調査研究」の一環として、大気汚染防止プロジェクトにおいて実施した「船舶の大気汚染防止に係る基準に関する調査研究」の成果をとりまとめたものである。
なお、本調査研究は、2004 年度、2005 年度、2006 年度及び2007 年度に引き続き、本プロジェクトにおいて実施したものである。
本プロジェクトではIMO（国際海事機関）/ MEPC（海洋環境保護委員会）及びBLG（ばら積み液体・気体物質小委員会）での審議に関する検討として大気汚染防止に係る基準に関する調査研究を実施した。
具体的には、排ガス規制の実施に向けたガイドライン等の策定、我が国におけるNOx、SOx、PM の地域規制の検討、燃料品質規制に向けた対応、を行った。これらのうち、排ガス規制の実施に向けたガイドライン等の策定については「排ガス規制対応ワーキング・グループ（WG）」を本プロジェクト内に設置し更に詳細な検討を行った。　　

【目次】
1. はじめに（調査研究の背景・目的）
1.1 背景及び目的
1.2 調査研究の内容
2. IMO での審議状況
2.1 IMO 第57 回海洋環境保護委員会（MEPC57）の報告
2.2 IMO 第58 回海洋環境保護委員会（MEPC58）の報告
2.3 抄録
3. プロジェクトの活動状況
4. 船舶の大気汚染防止に係る基準に関する調査研究
4.1 排ガス規制の最終化に向けた検討及び排ガス規制の実施に向けたガイドライン等の策定
4.1.1 NOx 新規制案に関する調査研究
4.1.1.1 調査研究の概要
4.1.1.2 SCR 装置を搭載したエンジンシステムの認証ガイドライン作成のための調査検討
4.1.1.3 SCR の排ガス流量の乾き／湿り補正方法についての調査検討
4.1.1.4 おわりに
4.1.2 現存船規制対応に関する検討
4.1.2.1 概要
4.1.2.2 現存船エンジンのNOx 削減手法（Upgrade Kit）の認証に関する検討
4.1.2.3 おわりに
4.1.3 まとめ

資料4-1: MEPC58/5/4: Guidelines for certification of Tier III exhaust gas after-ｔreatment equipment
資料4-2: MEPC58/5/12: Revision of MARPOL Annex VI and the NOx Technical Code
Guidelines for certification of Tier III engines utilizing exhaust gas after-treatment
資料4-3: SCR 認証ガイドラインの草案
資料4-4: 各種のアンモニア計測法
資料4-5: BLG13/13/1: Draft Guidelines for Certification of Engines fitted with
Selective Catalyst Reduction (SCR) Systems
資料4-6: Exhaust gas flow and Dry/Wet Correction for SCR
資料4-7: BLG13/13/4: Items to be included in the Guidelines for the Approved Method
4.2 我が国におけるNOx、SOx、PM の排出管理水域（ECA）指定に関する調査研究
4.2.1 調査概要
4.2.2 大気中のNOx、SOx、PM濃度と健康・環境影響に関する基礎情報
4.2.3 我が国における大気中のNOx、SOx、PM に関する規制の現状及び今後の動向
4.2.4 国内外の大気環境基準、大気汚染状況、環境基準等の適合状況
4.2.5 大気汚染の改善が必要と考えられる地域及び大気汚染物質の検討
4.2.6 沿岸域の大気環境に対する船舶排出ガスの影響の検討
4.2.7 まとめ
4.3 低硫黄燃料や硫黄分以外の燃料成分がエンジンの性能や安全性に与える影響に関する調査研究
4.3.1 研究の目的
4.3.2 背景
4.3.3 トラブル燃料の変遷
4.3.4 舶用燃料の着火・燃焼性指標の紹介
4.3.5 実機の燃焼状況とトラブルの原因（残渣油とLCO）
4.3.6 まとめ
付録 多変量解析による障害発生燃料油の事前判定の検討
5. おわりに

報告書