地域・まちづくり

【西表財団設立までの経緯】
　西表島においては、近年、観光事業が自然環境や住民生活に及ぼす影響が指摘されるようになり、定期船や水道などへの負荷や観光客のマナー問題、イリオモテヤマネコの交通事故の増加等に加え、自然体験型ツアーでの安全管理や自然環境への配慮不足、一部のフィールドでの過剰利用に伴う自然環境の劣化など、様々な問題が浮上するようになった。西表島での観光に伴うこれらの課題は、世界自然遺産登録時、ユネスコからの要請事項としても指摘されており、来訪者（観光客）を管理する仕組みづくりなどが求められている。さらに、西表島には、海岸漂着ゴミ、赤土流失、脆弱な医療体制、高額なインフラ負担、台風常襲による被害、高校進学時の島外流出、移住者の受入と文化や営みの継承等、観光以外にも島嶼ゆえの様々な課題が存在している。
　このような西表島が抱える様々な課題に継続的に対応していくためには、西表島に特化して課題解決に取り組む専任の組織が必要であるとの意見が繰り返し出されるようになり、2020年2月に「西表財団設立準備会」が立ち上がった。準備会には行政機関、地元有志、関係団体、有識者等、約50名が参加し、7回の準備会、2回の役員選考委員会、設立時役員会、設立時理事会の合計11回に及ぶ話し合いを経て、西表財団設立に向けた準備が進められた。
　また、財団設立に当たっては、竹富町を通じたガバメントクラウドファンディングや企業版ふるさと納税、さらには準備会への直接の寄付等の様々なかたちで、４００を超える個人、企業、団体の皆様から１,３００万円を超える資金提供をいただいた。
　こうした多くの皆様からの暖かいご支援をいただき、2021年11月1日に「一般財団法人西表財団」は設立された。

【西表財団の主な活動】
・西表島における自然環境の保全・管理
・西表島における文化や島の伝統的営みの保護・継承
・西表島の適正な観光管理の実現に向けた取組
・西表島の自然や社会に関する調査研究及び技術開発
・西表島の持続可能な発展に寄与する人材の育成及び派遣
・西表島の自然や社会に関する教育及び普及啓発
・西表島の価値を伝え保全していくための物品等の制作、販売等

【自然環境の保全・管理】
行政機関や地域住民と協働で、西表島や周辺海域の自然環境の保全・管理に取り組んでいます。
・密漁・盗掘防止のためのパトロール（受託事業）
・船でしかアクセスできない海岸の清掃
・外来種等の防除ならびに普及啓発（受託事業）　他

【適正な観光管理の実現に向けた取組】
適正な観光管理の実現に向けて、行政機関やガイド事業者と一緒に自然体験型観光のルールづくりを行ったり、竹富町観光案内人の必修講習やスキルアップ講習の企画・運営をサポ―トしています。
・サステナブルな自然体験活動の促進（受託事業）
・竹富町観光案内人スキルアップ講習会（受託事業）　他

【自然や文化に関する教育・普及啓発】
地域の小中学生が西表島の自然、文化、環境問題などを楽しく学べるように、出前授業を行ったり、様々な団体と連携して環境教育プログラムを企画・コーディネートしています。
・小中学生の海洋教育のサポート
・様々な環境教育プログラムの実施　　他

【自然に関する情報や島の魅力の発信】
西表島の価値や魅力の発信を目的に、フォトコンテストや写真展を開催しています。また、来訪者にレスポンシブルツーリズムを促すための発信に取り組んでいます。
・西表島フォトコンテストと写真展の開催　　他

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