大阪府にある自然保護団体である。ボランティアを中心に活動を行っている民間団体で、2010年現在の会員数は約1,000名である。前身は「大阪南港の野鳥を守る会」と「自然を返せ!関西市民連合」で法人登録は1976年。当初は「社団法人」として発足し、2010年現在は「特例社団法人」である。市民によるタンポポ調査、ナチュラリスト講座、自然観察インストラクター養成講座、セミ羽化ウォッチング、里山保全運動、アルキメデス（里山里地歩行路ネットワーク）などといったユニークで先進的な活動を繰り広げてきた。2010年に名古屋で開催されたCOP10（生物多様性条約第10回締約国会議）では環境省が世界に向けて「里山・里地」の保全等を提唱したが、いわばその先駆けとなる活動を行った団体である。現在は、大阪府内に残された貴重な自然を守る運動のほか、普及活動としての講座や自然観察会などに活動のウェイトがある。大阪湾関係でも、各地の団体と連携しての自然観察会活動を中心に展開している。
会長の夏原由博は、名古屋大学大学院の教授であり、専門は保全生態学。

自然保護事業としては、地域における里山保全活動の支援や、大阪圏域でのダムなど主な開発問題への対応を行っている。また堺市臨海部における「共生の森づくり」や、都市圏における学校園におけるビオトープ作りなど、自然環境の回復創出や自然ふれあい活動を進めている。
調査研究事業としては、野生動物保護管理の一環としての野生シカ調査、堺市・鉢ヶ峯地域の「東西道路」延伸事業における道路法面緑化実験、万博記念公園における野生生物生息調査、環境省モニタリングサイト1000の穂谷地区の里地調査、市民参加による観察調査としての里山一斉調査、5年に一度のタンポポ分布調査、里山の指標生物調査などを実施し、その結果をホームページや研究報告集「スタディファイル」にて公開している。
普及・啓発事業としては、保全活動のための人材養成及び一般市民への自然保護思想の普及のため、自然環境市民大学やナチュラリスト入門講座、自然観察インストラクター養成講座等6種類の市民向け講座を運営している。また、吹田自然観察会、堺自然観察会、海の観察会など府下各地で15のグループによる定例観察会を運営し、一般市民や子どもたちに自然とふれあい、自然を学ぶ場を提供しており、「セミ羽化ウォッチングinおおさか」「府内一斉どんぐりまつり」などの一斉行事を呼びかけている。さらに、講師・スタッフ派遣事業として、行政やその関係機関、民間事業団体などが主催する自然環境保全に関する講座や講演、自然観察・体験の指導などの普及行事、および里山保全やその指導者養成に関する講座や技術的指導などに、講師・スタッフを派遣している。毎月発行の会報誌「都市と自然」およびホームページにより、自然保護に関する情報を発信している。

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