認定特定非営利活動法人抱樸

基礎情報

団体ID

1383918131

法人の種類

認定特定非営利活動法人

団体名(法人名称)

抱樸

団体名ふりがな

ほうぼく

情報開示レベル

★ ★

第三者認証マーク

団体の概要

 当法人は、1988年から北九州市を拠点に、ホームレスや生活困窮者などへの支援活動を行っています。現在は直接の活動地域を下関市・福岡市内に拡大し、支援の対象とする方は老若男女問わず1,500名を超えています。
 私たちは、世間で言われるホームレスを「ハウスレス」と「ホームレス」という2つの困窮状態にある方と定義しています。「ハウスレス」とは物理的困窮の状態。つまり、服や食べるものなどがない、住む家がない、病院にかかることができない等の衣食住や医療が不足している状態のことです。一方「ホームレス」とは、関係性の困窮状態。つまり、家族との縁が切れている、相談できる相手がいないといった状態です。よって、野宿には至っていないが不安定な居住状態にある方、例えば家賃滞納をしてアパートを追い出されそうな方、DVから逃げている方、不安定な居住状態にはないものの相談できる相手がいない方等、社会において困窮孤立状態にある方を広くホームレスと定義しています。ホームレスとは、この2つの困窮状態を抱えた方であり、私たちはこの2つの問題に同時に取り組む必要があると考えています。そして、「ハウスレス」に対しては、「何が必要か」を見極めます。一方「ホームレス」に対しては、「誰が必要か」を見極め、「ホーム」の創造を目指しています。
 また私たちは、処遇のための支援ではなく、その方の存在の支援、人生の支援をするというスタンスを持っています。当初は支援者-被支援者という出会いから始まりますが、支援者-被支援者という関係を超えて、困っている他者を助ける側にまわる、相互の関係性を築くことを目指しています。
 特筆すべき活動として、「なかまの会」があります。なかまの会は、2002年11月20日、当法人の支援を受け、アパート等に入居し地域での生活を始められた方々によって発足されました。2014年からは互助会という大きな枠組みの中に入っています。自立された方の中には、物質的な「ハウス」は確保できたものの、「ホーム」という点において、回復・修復が必要な方がたくさんいます。なかまの会は、これまで支援をしてきたボランティアスタッフと関係を作り、自立した方同士の連帯を持ち、お互いを支え合う中で、喜び、楽しみ、生きがいや希望などを見つけ、「人間性の回復=ホームレスからの克服」「ホームレス回帰者ゼロ」を目指して始まりました。「支援する・支援される」という壁を乗り越えようと、「困っている人・ところを助ける」といった活動を行っており、今までのスタッフ・ボランティア・自立者の枠組みを超えるべく、日々様々なボランティア活動やイベントが開催されています。さらに、苦楽を共にした仲間が亡くなった時には、当法人の理念の一つ「出会いから看取りまで」にあるように、なかまの会の方々で葬儀を開き、別れを惜しみます。当法人が運営する野宿状態から自立生活へ移るための一時施設「自立支援住宅」を出発されたほとんどの方が、なかまの会に入会し、おなじ境遇にいた方々との交流等に参加されています。
 他に特筆すべき活動として、2013年に野宿を経験した方々が結成した「生笑一座」があります。極限の困窮孤立状態にあったときは、「自分の命なんてどうでもいい」と思う日々を過ごしていたが、他者との出会いの中で変わり、今こうして生き延びている。現在の子どもたちの中には、いじめ、学校や家庭などでの問題、様々な環境の中で悩み苦しんでいる子がいます。時には子どもが自ら命を絶つことさえ起こっています。そんな子どもたちの前で「どっこい生きる」姿を見せたい、その姿に出会ってもらいたい、そんな思いを持って始まりました。野宿状態から自立して、支援される側から支援する側に変わり、活き活きと過ごしている方々の生きている奇跡を子どもたちに知ってもらい、生き延びる力を身に付けて欲しいと願っています。生笑一座は、講演会を中心に、市内外の小中学校などの授業の一環としても活動しています。
 このように、支援者-被支援者の壁を乗り越え、私たちは一緒に生きていく社会を目指して活動しています。

代表者役職

理事長

代表者氏名

奥田 知志

代表者氏名ふりがな

おくだ ともし

代表者兼職

主たる事業所の所在地

郵便番号

805-0015

都道府県

福岡県

市区町村

北九州市八幡東区

市区町村ふりがな

きたきゅうしゅうしやはたひがしく

詳細住所

荒生田2-1-32

詳細住所ふりがな

あろうだ

お問い合わせ用メールアドレス

ettou@f8.dion.ne.jp

電話番号
(公開用電話番号)

電話番号

093-653-0779

連絡先区分

事務所・勤務先

連絡可能時間

9時00分~17時00分

連絡可能曜日

月 火 水 木 金

備考

FAX番号

FAX番号

093-653-0779

連絡先区分

事務所・勤務先

連絡可能時間

9時00分~17時00分

連絡可能曜日

月 火 水 木 金

備考

従たる事業所の所在地

郵便番号

-

都道府県

-

市区町村

-

市区町村ふりがな

-

詳細住所

-

詳細住所ふりがな

-

URL

団体ホームページ

団体ブログ

Facebook

X(旧Twitter)

代表者ホームページ(ブログ)

寄付

ボランティア

関連ページ

閲覧書類

設立年月日

1988年12月1日

法人格取得年月日(法人設立登記年月日)

2000年11月7日

活動地域

複数県

中心となる活動地域(県)

福岡県

最新決算総額

1億円~5億円未満

役員数・職員数合計

104名

所轄官庁

北九州市

所轄官庁局課名

市民文化スポーツ局地域・人づくり部市民活動推進課
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活動概要

活動分野

主たる活動分野

 

子ども、青少年、障がい者、高齢者、福祉

設立以来の主な活動実績

・設立の経緯
 1988年に任意団体として北九州越冬実行委員会を発足。市民による炊き出しを開始しました。1992年から居宅支援を開始し、翌年からは通年で炊き出しを開始しました。
 野宿者の増加に伴い、2000年11月にNPO法人として認証を受け、北九州ホームレス支援機構を設立。従来のボランティアとしての活動に対して、法人格を取得することにより、社会的信頼を獲得し、行政・企業・その他の公的機関との連携力を入れるとともに、従来の支援活動の強化を図りました。

・活動実績
2000年 自立支援についてのグランドプランを作成。
2003年 厚生労働省より「無料職業紹介事業」を認可。
2004年 北九州市より「北九州市ホームレス巡回相談指導事業」、「ホームレス自立支援センター北九州の生活相談指導員」を受託。厚生労働省より「技能講習事業」を受託。
2005年 ホームレス自立支援センター退所後のアフターケア部門として「サポートセンター事業」の一部を北九州市より受託。
2007年 入所施設として下関市に「抱樸館下関」を開所。
2009年 法人独自でシェルターを開設。
2010年 社会福祉法人グリーンコープとの協働事業として「抱樸館福岡」を開所。刑務所から出所する方の支援を行う「地域生活定着支援センター」を福岡県から受託。福岡市内の団体で「福岡絆プロジェクト共同事業体」を組織し、福岡市よりパーソナルサポートサービスモデル事業を受託。
2011年 東日本大震災の被災者支援として、北九州市社協と協働で「絆・プロジェクト北九州」を開設。若年層の困窮者支援に特化した「若年層に対する伴走支援、就労支援」を社会福祉推進事業にて2013年度まで継続している。
2013年 入所施設とシェルターを併合した「抱樸館北九州」を開所。福祉事業の展開を始め、高齢者のための「デイサービスセンター抱樸(ほうぼく)」、障がいのある方のための「多機能型事業所ほうぼく(抱樸)」を開設。
2013年 生活困窮世帯、保護世帯の子どもへの学習支援事業開始。生活困窮者への就労訓練事業として惣菜製造業「笑い家」開始。
2014年 生活困窮者自立支援制度「就労準備支援事業」のモデル事業を北九州市より受託(2015年度より本事業として受託)。生活困窮世帯、生活保護世帯の子どもへの訪問型学習支援の開始。
2015年 生活困窮者自立支援制度の「自立相談支援事業」「就労準備支援事業」「家計相談支援事業」を中間市より受託。生活困窮世帯、生活保護世帯への包摂型世帯支援「子ども・家族まるごとプロジェクト」開始。
2016年 中間市より「子どもへの学習支援事業」受託。

団体の目的
(定款に記載された目的)

 この法人は、経済的困窮状態や社会的孤立状態にある方に対して、自立支援、社会的処遇の改善、地域生活の安定等に関する支援事業を行い、共に生きる社会を創造することを目的とする(定款第3条)。

 当法人は、以下の3つの使命のもと活動しています。
(1)ひとりの路上死も出さない
(2)ひとりでも多く、一日でも早く路上からの脱出を
(3)ホームレスを生まない社会を創造する

 これらの使命を果たすために以下の事業を行います。
(1)基礎的支援事業(炊き出し、衣料の提供、風呂の提供等)
(2)相談支援事業(医療相談、生活保護相談、年金相談等)
(3)入院支援事業(入院時における必需品の差し入れ、見舞い、病院との連絡等)
(4)人権保護事業(人権侵害に対する権利回復への取り組み等)
(5)情報提供事業(ホームレスへの情報提供及び地域社会への広報)
(6)自立支援事業(住居設定、入居支援、生活保護申請支援等)
(7)自立後支援事業(自立者への訪問、連絡等)
(8)就労支援(就労の相談、就労援助、就労の斡旋)
(9)行政交渉及び行政とのパートナーシップ事業(行政との交渉、協力)
(10)介護保険法に基づく居宅介護支援事業
(11)介護保険法に基づく訪問介護事業及び介護予防訪問介護事業
(12)介護保険法に基づく訪問看護事業及び介護予防訪問看護事業
(13)介護保険法に基づく通所介護事業及び介護予防通所介護事業
(14)介護保険法に基づく短期入所生活介護事業及び介護予防短期入所生活介護事業
(15)介護保険法に基づく第1号通所事業
(16)介護保険法に基づく第1号訪問事業
(17)障害福祉サービス事業
(18)困窮・孤立状態にある人に対する自立支援、社会的処遇改善及び自立後の支援のための事業の受託
(19)災害による被災者に対する支援活動及び復興活動
(20)子ども及びその世帯に対する支援

団体の活動・業務
(事業活動の概要)

 ホームレス支援とは、人間そのものに対する支援、人間の生の全領域に関する支援です。当法人の基本スタンスは人生の支援としての「出会いから看取りまで」というトータルサポートです。家族が担ってきた「ホーム」の役割を創造するということを目指してきました。出会った責任として、その関わりを切ることをしない。その方が最後に亡くなるまで、そして亡くなった後も追悼をしてその人の命を確かめ合う、この視点で活動を継続してきました。現在の対象者は1,500名を超え、94%を超える自立継続率を維持しています。このように高い自立継続率を誇れるのも、以下の3つの部門に基づいて活動をしているからです。

・第一部門:いのちを守る基礎的支援部門(炊き出し、物資支援、医療支援等)
 炊き出しの活動を中心にした「今を生きること」に対する支援です。炊き出しは年間約31回、合計約4,000食を配布しています。食料、医療、衣料、防寒、衛生管理等生きていく上で必要な最低限の支援を行います。この基礎的支援が、自立支援活動へとつながる「出会い」の場(入り口)となります。その後はじまる自立へと向けた支援は、支援者と当該ホームレスとの信頼関係の上に成立していき、炊き出しをはじめ基礎的な支援活動の継続は関係づくりの出発点ともなるのです。

・第二部門:自立支援部門(相談支援、自立支援住宅、就労支援、自立支援センター、居宅設置支援、保証人確保支援等)
 基礎的支援を継続的に行うことの重要性はもちろんですが、それだけではホームレス状況そのものの改善、もしくは自立には結びつきません。基礎的支援において信頼関係作りを進め、自立のための相談へと話を進めます。自立支援の過程において、本人の課題の見極めをし、支援方針の見立てをします。本人の自立に必要なことを、本人と一緒に考えていき、居宅設置の支援の中で、保証人がいない者には法人として保証人になる制度も法人内で確立しています。

・第三部門:ホームレスを生まない社会の形成部門(自立生活支援、ボランティア養成、情報発信、社会的協働・連携、子ども支援、福祉事業の開設等)
 地域で生活を始められた方は、ハウスレス問題は解決されても、ホームレスから脱したのかという課題が残っています。本人が孤独にならないために関係の継続を目指して「自立生活サポートセンター」を中心にアフターケアを行っています。本人に伴走し、一緒に考え行動していきます。最終的には看取り、葬儀の支援も行います。また、ホームレス問題に対する理解を深めていただき、活動に参加する支援者の輪を広げるためにもボランティア養成を行います。また「会報」の発行、講演会への講師派遣などによって支援者および地域社会への情報発信も行います。北九州市、福岡県、厚生労働省をはじめ行政との協働・連携事業を行っています。大学や病院、弁護士、司法書士、社会保険労務士、不動産業者の方々や他のボランティア団体とも連携し、ホームレスを生まない社会の形成を進めていきます。

 2013年からは新たに福祉事業を開設しました。サポートセンターの関わりの中で様々な社会資源へのつなぎ戻しをしてきましたが、他の社会資源では馴染まない、定着しない方も少なくないことが判明しました。よって当法人の特性でもある、「野宿時代やきつい時代、そして自立の過程、現在を知っているからこそ関われる」ということを生かした支援を行うために、介護保険法に基づく「デイサービスセンター」、障害福祉サービスに基づく「多機能型事業所」を開所しました。法人内の「自立生活サポートセンター」とも連携し、早期発見・早期介入が可能となっています。
 リーマンショック以降、若年層の困窮者が増加しました。炊き出しやアウトリーチの場面において、若年層の方々に出会うことが増えました。この方々に対して、伴走型支援を行うことや訓練的な就労の場を提供すること等を全国でも先駆けて行っています。一般就労にはなかなか繋がらないがケア付きの就労であれば継続就労が可能な方に対して、ケア付きの訓練的就労の場として「弁当・惣菜販売事業」を2013年度に開始しました。その方々が調理したものを、多機能型事業所に通所されている方が販売することで、社会参加にもつながります。
 またこれまでのホームレス支援、若年の生活困窮者への支援の中から、生育環境や低学歴等による貧困の連鎖を防止する取り組みとして、生活困窮世帯、生活保護世帯の子どもたちへの支援(学習支援を含む)を開始しました。

現在特に力を入れていること

 当法人が1988年に活動を開始して以来、北九州市を中心に下関市、福岡市でホームレス状態におかれている方々の支援活動をしてきました。これまでの活動により、1,500名の方が不安定な居住状態からの生活を取り戻し、そのうち約94%の方が現在でも継続して地域生活を続けています。自立生活の継続には、アフターサポート部門である「自立生活サポートセンター」が果たした役割は大きなものがあります。自立生活サポートセンターでは、北九州市内の800名を超える対象の方々を職員7名体制で支援しています。
 自立された方の中には、約30%の方が何かしらの障がい手帳取得者となっています。ご本人の所属する場所、関係性を構築してく場所、地域生活能力を向上していく場所として、専門的知識をもった職員がいる作業所などの「福祉的就労」が必要となります。ところが、従来の作業所では、利用する方のほとんどが特別支援学校などを卒業してから日が浅く社会的経験の少ない若者であり、そのような環境は、社会的に多様な経験を積み重ねてきた抱樸の対象者にとってなじみにくく、継続的な利用が難しい状況にあります。
 他方、長く野宿状態にあり高齢となった方々、また関わりを持ちつづける中で高齢となった対象の方々の高齢化問題も大きな課題となっています。たとえば介護保険の仕組みが分からず、利用出来る介護サービスを知らず、利用できるはずの社会資源を利用できずに、単身生活が困難となる等です。また、「自立生活サポートセンター」が社会資源に繋げたとしても、知らない方とうまくコミュニケーションが取れずに継続してサービス利用ができない、結果、外に出ることさえ億劫になることさえ起きています。
 障がいをお持ちの方、高齢の方の日中活動の場を設けるため、障がいがある方のための通所施設である「多機能型事業所ほうぼく(抱樸)(就労継続支援B型・生活訓練)」と高齢の方のための「デイサービスセンターほうぼく」を立ち上げました。これにより、生活の基盤は「自立生活サポートセンター」が支援し、障がい・高齢の方々にはそれぞれのサービスを利用していただき、自立生活サポートセンターと福祉サービスの連携によって、困窮と孤立を防ぐことができるのではないかと考えています。そして、今後はより地域に開かれたサービスとなるよう展開していきます。
 また、私たちが出会い、支援をしてきた方々の生育歴の聞き取りから、多くの方が、ひとり親世帯で育った、両親も生活保護受給していた、最終学歴が中卒等、貧困のリスクが高い環境で育っていることが明らかとなっています。貧困の連鎖を防ぐために、私たちは、2013年度から北九州市の協力のもと、市内の生活困窮世帯、生活保護受給世帯の子どもを対象とした「子どもの学習支援」を開始しています。先生役として、退職後の教員や、北九州市立大学の学生ボランティアに協力していただいています。学習支援を通して、勉強だけではなく、様々な人や機会との出会いを持てるようにしています。そして、子どもの課題の解決のためには、その親(家族)の課題を解決することが重要なため、親(家族)への生活や就労の支援も行っています。

今後の活動の方向性・ビジョン

 ホームレス支援で出会う方々の様相は変化してきています。北九州市内における野宿をしている方は、2004年は450人を超えました。しかし、2017年9月に北九州市が発表した野宿者数は63人となっています。この数字を比較し、単純に野宿者が減少したとは言えません。なぜなら、北九州市内においても、インターネットカフェや24時間営業のファーストフード店、友人宅を転々としている不安定な居住状態にある方がいるからです。野宿に至る前の生活困窮・孤立状態にある方に対しても支援が必要です。また、先の項目でも述べたとおり、若年層の困窮者も増加してきています。北九州市の自立支援センター入所者(2015年4月~2017年9月)においては、24%が39歳以下の若年層であったとの報告もあります。
 厚生労働省の発表によると、2017年2月の速報値の生活保護受給世帯数は約164万世帯、受給者数は約214万人となっており、どちらも世界金融危機以降に急増したままほぼ横ばいで推移しています。
 以上のような生活困窮者・孤立者層の増加、生活保護受給者の増加に対応するためにも、2015年4月から生活困窮者自立支援制度が施行されました。これは、生活保護に至る一歩手前にある困窮者を想定した制度です。就労や学習支援、家計再建の支援や、就労訓練をする中間的就労の制度化が柱となっています。
 困窮・孤立状態にある方にとって、必要な情報を取捨選択し、必要な機関に出向いて手続きするというようなことは、縦割りの社会制度の中では大変難しいことです。それらを横断的にコーディネートする存在が必要とされています。私たちは、これまでの支援活動を通じて、野宿という最貧困状態から地域生活への回復という過程におけるノウハウを蓄積してきました。これらは国の動向からしても必要とされているスキルや実績であり、これらを生かした支援活動を展開していきたいと願っています。

 特に以下の2点には力を注ぎたいと考えています。
(1)貧困の連鎖を断つための支援
 北九州市からの協力を得て、生活困窮世帯、生活保護世帯の子どもへの学習支援を継続して行います。勉強だけではなく様々な人との出会いの中で、子どもたちへ生きる力を伝えることに視点を置いて、継続して関わりを持ちたいと思っています。
 また、その親(家族)とも関わりをもち、彼らの課題を解決することで、子どもたちへの支援との相乗効果が生まれることを目指しています。

(2)社会参加と地域創造
 労働に参加することによって、社会の中での存在意義を高め、自己有用感を高めてもらいます。すぐに一般労働に結びつかない方には、ケア付きの訓練的就労の場を設けます。弁当・惣菜業に従事してもらい、調理師免許の取得が可能となることを目指します。彼らが製造した惣菜を、障がいを持っている方が販売することで、社会参加を得る機会も生み出します。ゆくゆくは製造した弁当を配達することで、地域で困っている方の早期発見、地域づくりを行いたいと思っています。

 ホームレス支援を続けてきた中で、私たちは様々な出会いを経験しました。多くの別れもあり、時には悲しい死という別れもありました。ホームレス状態になった方々のその原因を、すべて自己責任に帰結することはできません。彼らがしっかりと責任を果たすことのできる社会を創造することが必要です。私たちはそのような社会の創造を目指して、これからも活動を行います。

定期刊行物

・かわらばん(年間約31回発行):炊き出しにて当事者へ配布するチラシ。炊き出し日程や当事者に役立つ情報などを掲載。
・あんたもわしもおんなじいのち(年間2回発行):当法人の活動を記録した会報。
・抱樸だより(年4回発行):当法人のその時々の活動などを紹介するリーフレット。

団体の備考

・代表者 奥田 知志(おくだ ともし)の略歴
 1963年滋賀県大津市にて誕生。サラリーマン家庭に育つ。1982年に関西学院大学入学と同時に日本最大の寄せ場(日雇い労働者の街)と出会う。以来、困窮者支援・ホームレス支援に携わる。その後福岡の西南学院大学神学部専攻科を経て1990年現在の日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師に就任。同時に北九州におけるホームレス支援活動に参加し、同事務局長となる。
 2000年NPO法人北九州ホームレス支援機構設立理事長に就任。2006年NPO法人ホームレス支援全国ネット設立、理事長に就任。東日本大震災発生後、支援活動を開始、ホームレス支援全国ネットワーク、グリーンコープ生協と生活クラブ生協で協働体制を構築。2011年11月には公益財団法人共生地域創造財団設立 代表理事となる。
 活動は、マスコミにもしばしば取り上げられ2009年にはNHK総合プロフェッショナル仕事の流儀「ホームレス支援:絆が人を生かすから」に出演。2012年には二度目のNHK総合プロフェッショナル仕事の流儀「困窮者支援:絆が希望を創り出す」に出演(特別編震災支援)。牧師、困窮者支援、大学での講義、厚労省等での委員など、種々の場で活躍中。著作も多数。
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協働実績

助成金・補助金・物品等、他の組織から受けた支援の実績

・2016年度
賀川豊彦賞
九電みらい財団
熊本地震NPO・ボランティア活動支援事業
公益財団法人愛恵福祉支援財団
公益財団法人日本財団子供の未来応援基金
公益財団法人毎日新聞西部社会事業団
正規雇用労働者育成支援奨励金
特定求職者雇用開発助成金
ひまわり基金助成金(北九州市)
読売福祉文化賞
ライフ北九州
北九州市居宅生活移行支援事業
自殺防止対策事業費(厚生労働省)
生活困窮者就労準備支援事業(厚生労働省)

・2015年度
ILBS国際福祉協会
公益財団法人毎日新聞西部社会事業団
正規雇用労働者育成支援奨励金
独立行政法人福祉医療機構
ひまわり基金助成金(北九州市)
ライフ北九州
北九州市居宅生活移行支援事業
自殺防止対策事業費(厚生労働省)
セーフティネット支援対策等事業費(厚生労働省)

・2014年度
公益財団法人毎日新聞西部社会事業団
正規雇用労働者育成支援奨励金
ライフ北九州
北九州市居宅生活移行支援事業
自殺防止対策事業費(厚生労働省)
セーフティネット支援対策等事業費(厚生労働省)

他のNPO・市民活動団体との協働、他の学協会との共同研究・協働の実績

・2010年度
NPO法人ホームレス支援全国ネットワークとの協働事業として、東日本大震災被災者への物資提供支援に協力。

企業・団体との協働・共同研究の実績

地場企業、行政との協働として、若い生活保護世帯に対する就労支援事業を実施(2011年度~)。
福岡市におけるパーソナル・サポート・サービスモデル事業を実施するための「福岡絆プロジェクト共同事業体」に加盟。支援実施(2010年度~)。
社会福祉法人との福岡市における施設協働運営。
企業、専門職等が集まった『北九州におけるホームレス問題を解決するための市民協議会』に参加。当法人内に事務局設置。
不動産業者との連携によるホームレス状態にあった方への居宅設置支援の実施。
弁護士、司法書士等法律専門家との連携による無料法律相談の実施。

行政との協働(委託事業など)の実績

・2016年度
日雇労働者等技能講習事業(厚生労働省)
福岡県地域生活定着支援センター事業(福岡県)
就労準備支援事業(北九州市)
被保護者等就労準備支援事業(北九州市)
不登校等の困難を抱える子どもたちへのアウトリーチ事業(北九州市)
ホームレス対策推進事業(北九州市)
中間市自立相談支援事業(中間市)

・2015年度
日雇労働者等技能講習事業(厚生労働省)
福岡県地域生活定着支援センター事業(福岡県)
就労準備支援事業(北九州市)
被保護者就労準備支援事業(北九州市)
ホームレス対策推進事業(北九州市)
中間市自立相談支援事業(中間市)

・2014年度
日雇労働者等技能講習事業(厚生労働省)
福岡県地域生活定着支援センター事業(福岡県)
就労準備モデル事業(北九州市)
ホームレス対策推進事業(北九州市)
下関市居宅生活移行支援事業(下関市)