日本では、戦後から長い間続いた「措置制度」が平成１４年度で終焉を迎え、平成１５年度から 利用者と事業者が対等な関係による 契約を前提としたサービスを選択する「利用制度」となり、十数年が経った。
世界でも類を見ない急激な速さで「超高齢化社会」を迎えようとしていた日本において、年齢や障害の有無に係らず「一人ひとりの個人が住み慣れた地域において、人としての尊厳をもち、その人らしい自立した生活ができるように支える新たな社会の仕組み作り」を基本理念にした「社会福祉基礎構造改革」が実施されたことにより、「社会福祉事業法」から「社会福祉法」に改正される等、日本の社会福祉制度が根本から見直された。
　ただし、障害福祉分野では、サービスを利用するための申請行為を伴う利用制度では、当事者や家族等に対する普及・啓発活動が充分に実施されないままスタートしたために、現在も「個人の情報量の課題」、「相談支援事業者の利用啓発の課題」、「地域におけるサービス量（事業者）確保の課題」等があり、格差社会を助長する結果を招いているとも言える。
　また、知的障害を伴う発達障害の人たちの多くは、日本の障害手帳制度の関係等から「知的障害」を括りとした施策の中で取り組まれた期間が長く、適切な支援が受けられずに二次的障害として「行動障害」を発症している人たちもおり、知的障害を伴わない発達障害の人たちは「狭間の障害」として、ようやくクローズアップされ、障害福祉サービスの対象となったところである。
　このような時代背景の中、当法人は北九州市の発達障害児者の福祉の向上を目指し、平成２６年１月に『発達障害児者の支援に特化した法人』として設立し、具体的に取り組みを進めていくために『Ⅰet小倉南』を同年５月に開設した。

現在「1法人1事業所」で活動しており、発達障害・自閉症支援に特化した多機能型障害福祉サービス事業所として、「生活介護事業」「放課後等デイサービス事業」に取り組んでいる。
事業を実施していく中では、障害のある人たちへの質の高い支援・サービスを展開していくことはもとより、障害のある子どもが生まれても、母親ががキャリアを捨てることなく、社会進出できるように「親の就労支援」も重要な事柄として、リーフレットに掲載し、推進している。
その他、公的機関などと協同した「触法障害者支援」への取り組み、他機関・事業所からの実習受け入れなどを行っている。

実績なし

無