1907（明治40）年代、日本の経済は著しい恐慌に直面し、不景気の波は容赦なく全国を襲いました。
かねてからキリスト教社会主義やイギリスの社会改良運動、スラム伝道等に深く共鳴していた賀川豊彦は、資本主義の発展がもたらす社会的矛盾(社会悪)を鋭く感じ、心を痛めていました。
1909（明治42）年12月24日のクリスマス・イブに、21歳の賀川は、社会を離れて愛を説く教会のあり方に深い疑問を抱きつつ、自分は貧しい人の友となり、生涯この社会悪と闘うと決意、単身、神戸生田川地区に住み込みました。これがイエス団事業の始まりです。
社会悪と闘うことを目的とした賀川の事業は、当然慈善と同情による発想を厳しく排し、共に生きる運動としてのセツルメントに力を注ぎました。伝道集会、路傍伝道、日曜学校の活動と共に、教育、医療、訪問看護、授産、職業紹介、給食、宿泊等の地域福祉の諸事業が、次々と実施されました。また賀川は、これらの事業を通してとらえた問題を顕わにし、労働運動、農民運動、協同組合運動、社会保障制度化運動へと発展させていきました。
1922（大正11）年7月29日、自伝小説「死線を越えて」の印税を基金として、財団法人イエス団を組織、1954（昭和29）年4月30日、社会福祉事業法制定に伴い、社会福祉法人イエス団を設立して事業の一部を移行。また1979（昭和54）年2月28日には学校法人イエス団を設立して幼稚園を移行。それに伴い、財団法人を解散。
現在は、兵庫県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、徳島県、香川県において、保育園、幼稚園、高齢者施設、障がい者施設、乳児院、児童養護施設を中心に、約40以上の施設・事業を運営しています。

事業概要（定款第１条、第２７条、第２９条による）
【１】第１種社会福祉事業
（１）乳児院施設の経営、（２）特別養護老人ホームの経営、（３）軽費老人ホームの経営、（４）児童養護施設の経営
【２】第２種社会福祉事業
（１）保育所の経営、（２）隣保事業の経営、（３）児童厚生施設の経営、（４）障害福祉サービス事業の経営、（５）移動支援事業の経営、（６）老人デイサービス事業の経営、（７）老人短所入所事業の経営、（８）在宅介護支援センター運営事業の経営、（９）老人居宅介護等事業の経営、（10）老人デイサービスセンターの経営、（11)小規模多機能型居宅介護事業の経営、（12）一時預かり事業の経営、（13）放課後児童健全育成事業の経営、（14）子育て短期支援事業の経営、(15)障害児通所支援事業の経営、(16)一般相談支援事業の経営、(17)特定相談支援事業の経営
【３】公益事業
（１）保育事業、（２）居宅介護支援事業、（３）診療所、（４）高齢者公営住宅生活援助員等派遣事業（神戸市）の経営、（５）地域包括支援センターの経営、（６）日中一時支援（障害児タイムケア）事業(神戸市)
【４】収益事業
（１）賀川記念館賃貸事業、（２）くずは光の子保育園サッカー事業

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