近年の携帯端末の普及や測位技術の向上により、様々な位置依存サービスが社会に広がりつつあります。また、同時に様々な位置情報サービスに関する研究開発も活発に行われています。しかしながら、個々の研究成果は、運用面や予算面の問題で実際のサービスとして運用されることは少なく、また、実証実験が行えたとしても、継続的に運用を行うことは困難です。特に、位置情報サービスは、情報提供を行う主体や、実際に利用するユーザが存在することが重要ですが、安定したサービスを実現し、かつ、多くのユーザに知ってもらうことは簡単ではありません。また、民間事業者にとっても、新しいサービスを導入する必要性はありますが、十分な収益性が確保できるとは限りません。

　我々は「特定非営利活動法人位置情報サービス研究機構」を設立し、位置情報や位置に依存した情報（位置依存情報）に関する技術・サービスの研究・開発・教育・振興、および位置情報登録を行なうボランティアの支援を行うことにより、本技術の多方面への応用・発展を啓発し、社会への貢献と産業の振興を目指します。位置情報サービスは不特定多数により社会基盤として利用されるため、幅広く公共の利益に寄与します。これらのサービスの研究・振興等を進めるには、法人格を持った公共的な組織の存在が、情報共有やサービスの集約、継続性の確保の意味で大きな役割を果たします。

これまでの経緯として、代表者らはすでに無線LAN位置情報ポータル「Locky.jp」および、その関連情報サービス、「駅.Locky」「時刻表.Locky」「路線.Locky」を運用しており、160万人以上のスマートホンユーザに便宜を提供しています。これらのサービスでは、ボランティアにより様々な情報の整理が行なわれています。これらのサービスを今後も継続的に運用し、技術開発を進めるためにも、法人格を持った公共的な組織が必要となり、特定非営利活動法人の設立に至っています。

１ 位置情報に関する技術・サービス等の調査・研究・開発・情報提供事業
２ 位置情報に関するシンポジウム・セミナー開催や出版等による教育・普及啓蒙・協賛活動事業
３ 位置情報に関する情報システム開発・実験・運用及び支援事業
４ 位置情報や位置依存情報の収集・集約・提供及び流通支援事業
５ 位置情報に関するボランティア活動の支援事業
６ その他この法人の目的を達成するために必要な事業

まずは、新しい位置情報の応用分野として、屋内位置情報に関する情報の集約を目的とした実証実験を推進します。

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