教育・学習支援

会長の小滝はそれまでに調査等でネパールを3回訪れ、寒中にはだしで歩く子どもの姿を見聞していた。一方で、勤務する京都府立福知山高校で卒業生の新品同様の体育館シューズが捨てられ、学校の運営費を使って廃棄処分される実態を知った。この事態を憂慮し、資源の有効活用とネパールの子どもたちの健康のために、その廃棄シューズをネパールの子どもたちに送ろうと考えた。
1回目は、現地にある日本のNPO団体―MDSAに運搬をお願いしたが、2回目は小滝と妻とで、3回目、2001年12月以降は、本会の中心メンバーである、岡本、水谷と私の3人を中心に、中古のシューズ以外にも、文房具、古着などをネパールへ運んで、MDSA（ネパール・ムスタン地域開発協議会）の協力で、子どもたちはじめ地域の人たちに寄付を続けてきた。
　2005年は、マオイストを中心とする民主化闘争によってネパール国内の治安が悪化したために渡航ができなかったが、あとは、現在2025年まで毎年、年によっては異なるメンバーで年2回渡航し、村の学校を訪れて、子どもたち・先生たちと交流を続けてきた。そのなかで、ネパールの子どもたちの生活、学校の実情などについて、学ぶことが多々あった。日本の水準からみれば貧しい生活の中で、学べば先が明るくなると信じて真剣に勉強に取り組む子どもたち、貧しさや小学校1年からある落第制度で学校から消えていく子どもたちがいること、知識の詰込みで情操教育がないがしろにされているカリキュラム、など子どもたちを取り巻く様々なネパールの姿を見てきた。
　ネパール第二の都市ポカラにある女性支援の団体WSDO（女性の技術向上支援協議会）に出会ってからは、この団体が様々な理由で経済的な困難を抱えている女性の自立のために技術指導して生産しているバッグ類を購入することで、ここで働く女性を支援することも始めた。購入したバッグ類は日本で販売し、利益は次回の購入資金に充てている。こうして、ヒンズー教社会の中で差別を受けているネパール女性の実態も学ぶようになり、私たちのネパールの理解はさらに深まっていった。主力メンバーの岡本は、女性の生理にまつわる様々な因習があることを知り、アンケート調査などをして、実態と女性の意識の把握に取り組んでいる。
　2016年に、私たちが活動のよりどころにしていたMDSAの理事長であった近藤亨氏が逝去され、その遺志は、ネパール在住で氏の秘書であったMs.オパールさんや技師のクル・バトル氏に引き継がれている。私たちが訪れる地域もムスタン地方からさらに広がっていった。2019年には、首都カトマンズ北東方サクー市の山中にある小学校で、教員や村の運営委員会の要請を受けて給食事業の援助をしている。小滝の古い友人が多額の寄付をしてくれて、オパールさんのあっせんによって給食設備ができて始まったものだ。同じ寄付金で、東部のエベレスト南方の山村部などの多くの学校（小学校から大学まで）に教育設備の寄付をしてきた。
　最近は、カトマンズ西方のアダムタ村在住の絵本作家、Mrクリシュナさんとのつながりができ、アダムタ村の学校と村の社会教育の発展のために共同の取り組みを始めている。
代表者は1948年生まれ、府立高校教諭（地学）を36年間。退職後、信州大学研究生、博士号取得後、京都府立大非常勤講師（地学）

役員３名（必ずしも３名一緒ではない）でネパールへ行ける日を年に１・2回設定し、参加者を募る。日程を考えて訪問できる学校を選び、ノートや鉛筆などの文房具を準備する。文房具などは日本でいただいたものやネパールの知人に購入を依頼する。カトマンズはKONDO FOUNDATIONのオパールさんやダディン郡アダムタで子ども文庫を行っているクリシュナさん、JOMUSONの元MDSAのスタッフクルさん、ポカラは旅行社のアスカトラベルに連絡案内などをしてもらうよう依頼する。大体、ネパール国内9・10日滞在で7・8校の学校を訪問し、子どもたちにはノートや鉛筆をプレゼントし手遊びなどをする。先生とは教育内容や困っていること、学校で必要としているものについて話を聞く。図書館や子ども文庫への支援も行っている。また、女性や障がい者が働いている施設を訪問見学し、購入することで支援の一環としている。
日本国内では様々な団体や学校で話をしてほしいという依頼があれば行ってネパールへの支援活動について話をしている。

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