淡路島と四国の間にある鳴門海峡の急流に発生する、直径が最大で３０メートル近くまでになる渦潮は、１．３キロという狭い海峡の幅や海底の特殊な地形と、月の引力によって生じる潮の干満時刻と潮流が紀淡・明石海峡の両海峡を回って鳴門海峡に達する時刻との絶妙な一致という淡路島の位置的な特性とが相まって作り出される世界的な奇観であり、これまで多くの観光客をひきつけるとともに文人・画家などの文化的な対象としての役割を果たしてきました。この渦潮が「顕著な普遍的価値（人類にとって特に重要な価値）を有し、将来にわたる保全すべき世界遺産」としての登録条件を十分満たすのではないかと考えています。
鳴門の渦潮を世界遺産に、という活動はすでに平成１０年にスタートしていますが、同２２年ころから兵庫・徳島両県の自治体を含む活動が本格化しました。そして、同２６年３月に現在の「うず潮を世界遺産にする淡路島民の会」が正式に発足し、同年１２月には兵庫・徳島両県及び関係自治体や多くの関係団体からなる「兵庫・徳島『鳴門の渦潮』世界遺産推進協議会」が発足したのであります。爾来、私どもは島内の各種産業を網羅した民間の組織体として、同協議会の一員として、協働・連携を図りつつ、渦潮の魅力を伝えるために、フォーラムの開催、小学校への出前教室、関連イベントへの参加、高速道路ＳＡでのＰＲなどさまざまな活動を行ってきました。とりわけ、鳴門海峡をはさむ淡路島の海岸における大量のゴミ漂流物の打ち上げにより渦潮の景観が損なわれていることを憂慮し、同２９年から、その趣旨に賛同する団体とともに実行委員会を立ち上げ（当会はその事務局を務めております。）鳴門海峡近傍の海岸清掃イベントを実施しました。そして、令和元年には、単に鳴門海峡近傍のみにとどまらず、渦潮発生に大きな影響を持つ、紀淡・明石両海峡も加えて、「３海峡クリーンアップ大作戦」と称する海岸清掃活動をスタートさせ、来年度以降も引き続き行うこととしております。そして、この運動が、２０１５年（平成２７年）に国連サミットで決議された「ＳＤＧｓ」運動にも合致し、多くの方々に海の自然循環への関心、理解を深めてもらい、海の環境改善に向けて協働していくことを通じた、大きな国際的意義を持つものと考えます。
平成２６年３月　 市民団体「うず潮を世界遺産にする淡路島民の会」発足
（平成２６年１２月　「兵庫・徳島『鳴門の渦潮』世界遺産推進協議会」が発足）
平成２７年６月　 うず潮世界遺産登録活動サポートメンバー募集開始
平成２９年１２月　鳴門海峡に面した刈藻（かるも）海岸にて清掃活動のイベント「第１回クリーンアップ大作戦」を実施
平成３０年１０月　「第２回クリーンアップ大作戦」を伊毘（いび）海岸にて実施
令和元年１０月　　紀淡海峡、明石海峡に面した海岸も加えた３か所・同日の清掃活動のイベント「第1回３海峡クリーンアップ大作戦」を実施
令和２年１０月　　「第２回３海峡クリーンアップ大作戦」を実施

（１）渦潮の世界遺産登録を目指す事業
（２）渦潮の魅力を伝える事業
（３）海の環境を守る事業
（４）自然循環に配慮した持続可能な暮らしを実践するための事業
（５）その他、目的を達成するために必要な事業

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