活動の発端は危険な貧民区にて空手の指導によって子供達に秩序と礼儀を覚えさせ、将来他国との交流にあたり(もちろん日本との国交の向上をふくむ)対等な社会観念を持って向かい合える人間性を育てたいとの旨をもって始まりました。ここは1998年国内ラジオ放送でこう言うふうに放送された地区です。「国内で現在一番危険な地区、凶悪犯罪発生率ナンバー1」現在はそこまで危険な地区ではなくなりましたが・・・。老若男女を問わずモラル、秩序は他地区に比較しますとまだまだ低い状態です。けっして総てがそういう訳ではありません。ただ私達が危惧致しますのはボランティアの基金で立派な地下鉄を作ってあげたとします。素晴らしいことです。しかし目に見えない部分での弊害も起こる可能性を抱えています。例えばかってUSAの地下鉄がそうであったように窃盗、レイプ、暴行事件の多発地域の一つの代名詞が地下鉄となってしまいます・・・。なぜ・・・・理由は多々有得ます。ただ言えること、誰もが理解し得ることは秩序の欠如、それが一番です。どこの国であれ、また一般教養的学歴の低い地区においては大人までもが頭が硬く礼儀・秩序を拒む傾向が多々見聞されます。こうした状況から把握できることは子どもの頃からの礼儀・秩序指導をすることが近未来の国家を担うこの子達には必要不可欠なことであると実感しこの活動にいたっております。この国はアジアで唯一のキリスト教国・・・神前での会釈、正座をしないのが習慣です。その子達に正座を教えること、まして座礼をさせること自体大変苦難があります。神様でも在るまいし何で空手の先生ごときに座礼しなきゃならないのと言った感覚の大人が沢山居るのです。彼らの子供達に座礼をさせると邪教を教える空手宣教師とうわさされたこともあります。子どもたちが日本人に騙されていると・・・。しかし心ある親と子供たちによって現在も尚、この活動は続けられております。突き蹴りだけの格闘技ではなく魂の在る日本の武道を私達は他国にて継承しております。武の力と言うと多数の日本人の方々が戦うちからイコール戦=戦争と想像するでしょう・・・。しかし武とは矛を止めると書し、古(いにしえ)の文字から伝わるもので、戦いを止める。・・・戦争をしないという意味があります。ですから世界の子供達に正しく武道を伝承することは反戦運動にもつながり世界平和にも寄与貢献できるものと考え各国の武道家とも協力しあっております。

空手道師範

さいとう けんいち