人の生活を守り、博多湾沿岸の景観を彩ってきた松原を復元し、21世紀への夢を、白砂青松の風景と松にまつわる歴史と文化とを、次世代に残したい。海辺に愛を植えようと女たちが集い、そこから「夢松原の物語」が始まった。かつての筑前八松原の景勝は、江戸時代に人の手でつくられ育まれ、大切に守られてきた。しかし、その松原は、都市化による埋め立て、マツクイムシの害や環境汚染の進展によって、次々に破壊され、消滅と衰退の一途をたどってきた。
そんな中、都心部に近く、筑前八松原の一つに数えられた、百道松原が埋め立てられ、人工海浜公園として総延長2.5ｷﾛﾒｰﾄﾙに及ぶ広大な土地が造成された。これをきっかけに昭和62年に「市民参加で松原を復元し、昔あった白砂青松の文化と歴史を次世代に繋げたい」と、行政に相談を持ちかけた。行政と関わりながらの運動でした。何もない海岸線に、一筋の緑の帯「夢の松原」への熱望がみんなの胸中に膨らみ、会の結成と植樹への行動は迅速だった。可能な限りの場所に松を植え続ける実践運動は、緩やかにしかし着実に広がった。２０年目の現在では既に松並木は立派に成長し、今や海辺のそこここが人々の憩いの場として親しまれるようになっている。
海浜の植樹を通して見えてきた様々な環境問題の解決に向けて、海から川、川から水源地の山村の森へと深く地域の人々とかかわりながら、自然とのよりの戻し方、生き方を振り返り、自然と共に生きる生き方を模索し活動を広げてきた。
近年は、博多湾の環境についての調査や体験学習、中心市街地での歩道の花壇整備等を含め都市での住環境改選に関する活動も行っています。
これまでの実に様々な試みは、多くの協力者の浄財と人脈ネットワークに支えられて実践してきた。情熱と夢だけでは解決できない問題もまだまだ多く残されている中で、「つながっていく、つづけていく」を念頭に更なる発展を目指している。

理事長

いそがい けいこ