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2016年度 「表現の森 協働としてのアート」展及び関連シンポジウム事業報告書
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事業成果物概要 |
■「表現の森 協働としてのアート」展事業
1.事業概要 アートの持つ創造力を通じて地域と繋がることを目的とし、これまでアーティストと前橋市内にある福祉施設や団体と協働しながら5つのプロジェクトを実施し、これらの活動は、今後長期的に継続していく予定です。その序章となった本企画展ではその過程を紹介し、アートが福祉や教育、医療の現場に入っていくことで、どのような化学変化が起こりうるのかということを考えました。これらの現場にアーティストと共に表現という手段で入り込むことで、アートそのものも、そこに生きる人々の日常に寄り添うようにその形を変容させ、そうしたリアルな現場の中で、アートが持つしなやかなコミュニケーションの可能性を探りました。 個人の考えを表現して他者と共有することは、私たちが想像するほど容易なことではありません。ただ、表現することは、異なる考えの人々を繋げ、理解し、共存させる力があります。私たちはこの現代社会の中でさまざまなしがらみや境界に出会い、現状の社会的価値観の中で生きることの困難さを感じることもあります。このような社会において、アートや美術館にはどのような役割が求められているのか、これからも考えていきたいと思います。 2.本事業のポイント (1)現代の社会構造の中で生きづらさを感じる人々に対してアートはどんな役割を果たすことができるか。前橋市内で展開する5つのプロジェクトを通じて「人と人」を繋げるコミュニケーションとしてのアートの役割を考えました。 (2)福祉、医療、教育の現場でアートプロジェクトを行う意味は何か。施設の利用者やスタッフと共に表現活動を行うことにより福祉、医療、教育の現場における利用者を支える人々へのアートの提案を行いました。 (3)アートとは異なる現場にアーティストと共に入っていくことにより、単なる個人の表現ではなく、プロジェクトに参加する人々の異なる価値観を吸収し、共存させる仕組みとしてのアートの可能性を考えました。 (4)アートそのものの意味が変化する現代において、美術館の役割とは何か。充実した関連プログラムを通じて、美術館を単なる鑑賞の場から、社会課題に関わる表現の場として提示しました。 (5)2020年の東京オリンピック文化プログラムの中で、「社会包摂(ソーシャルインクルージョン)」をテーマにした企画は増えていきます。そのような状況に呼応して、前橋において長期的視野で福祉施設とアートの協働プロジェクトを展開できる下地を築きました。 3.開催概要 【展覧会名】表現の森 協働としてのアート 【会 期】7月22日(金)~9月25日(日) 57日間 【開館時間】11:00~19:00(入場は18:30まで) 【休 館 日】水曜日 【会 場】アーツ前橋(群馬県前橋市千代田町5-1-16) 【助 成】公益財団法人 日本財団 【協 力】一般社団法人 たんぽぽの家、NPO法人 ぐんま若者応援ネット アリスの広場、NPO法人 こえとことばとこころの部屋、認定NPO法人 日本紛争予防センター(JCCP)、ぐんまHHC、国立大学法人 群馬大学、小山登美夫ギャラリー、サヤカ・クリニック、社会福祉法人 清水の会 デイサービスセンターえいめい、社会福祉法人 上毛愛隣社 のぞみの家、社会福祉法人 フランシスコの町 あかつきの村、社会福祉法人 わたぼうしの会、南橘町自治会 ■「表現の森 協働としてのアート」展関連シンポジウム事業 1.事業概要 アートの持つ創造力を通じて地域と繋がることを目的とし本事業のために、前橋市内の福祉、医療、教育のような異なる分野の施設/団体とアーティストが連携するプログラムを5つ始動させました。これらのプロジェクトは、今後アーツ前橋が3~4年をかけて継続的に行っていく予定です。作品を展示する場所としての役割のみならず、美術館が地域の中にその活動を広げることにより、現代社会における新たなアートの役割を見出すことができるでしょうか。本事業では、現在進行形で活動を行う5つのプロジェクトの紹介から、第三者としての専門家の意見を踏まえ、それぞれの現場で生まれる課題や疑問を考えられる機会となることを目的に開催されました。 2.本事業のポイント (1)トークセッション ①「高齢者施設におけるアートの実践」 スピーカー:石坂亥士、山賀ざくろ、岡安賢一、木村祐子 ゲスト:林容子 モデレータ:石原孝二 ②「あかつきの村から考える共同体」 スピーカー:高山明、林立騎、田中沙季、櫻井洋樹 ゲスト:猪股剛 モデレータ:石原孝二 ③「社会における場作りとアートの可能性」 スピーカー:滝沢達史、佐藤真人、関根沙耶花 ゲスト:小山田徹 モデレータ:茂木一司 ④「表現の先に見る世界」 スピーカー:中島佑太、朝比奈千鶴、 ゲスト:森玲奈 モデレータ:住友文彦 ⑤「マイノリティとは誰か?美術館の抱える希望と課題」 スピーカー:廣瀬智史、後藤朋美、町田和行 ゲスト:黒沢伸 モデレータ:石原孝二 (2)当事者研究とオープンダイアローグ:語り/表現の協働とネットワーキング (3)パネルディスカッション ①パネリスト:林容子、猪股剛、石原孝二 モデレータ:住友文彦 ②パネリスト:岡部太郎、上田果假奈代、森玲奈、小山田徹、黒澤伸 モデレータ:石原孝二 3.開催概要 【日 時】1日目:8月27日(土)13:00~18:00/2日目:8月28日(日)11:00~17:00 【会 場】アーツ前橋 ギャラリー2 【講 師】朝比奈千鶴(認定NPO法人 日本紛争予防センター JCCP ケニア事業担当)、石坂亥市(神楽太鼓奏者)、石原孝二(東京大学大学院総合文化研究科 准教授)、猪股剛(臨床心理士)、上田假奈代(NPO法人 こえとことばとこころの部屋 代表)、岡部太郎(一般財団法人 たんぽぽの家 常務理事)、岡安賢一(映像制作)、木村祐子(地域包括支援センター永明 保健師)、黒沢伸(金沢湯涌創作の森 所長)、後藤朋美(アーティスト)、小山田徹(京都市立芸術大学 教授)、櫻井洋樹(社会福祉法人 フランシスコの町 あかつきの村 精神保健福祉士)、佐藤真人(NPO法人 ぐんま若者応援ネット アリスの広場 施設長)、関根沙耶香(サヤカ・クリニック 院長)、滝沢達史(アーティスト)、高山明(Port B主宰)、田中沙季(Port B研究者)、中島佑太(アーティスト)、林立騎(Port B研究者)、廣瀬智央(アーティスト)、町田和行(社会福祉法人 上毛愛隣社 のぞみの家 少年指導員)、林容子(一般社団法人アーツアライブ 代表理事)、森玲奈(帝京大学高等教育開発センター 講師)、山賀ざくろ(ダンサー)〈五十音順〉 |
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