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2019年度 ローカルキャリア白書2020 未来の働き方はここにある
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事業成果物概要 |
いま、社会は大きく変化しています。多様な働き方にシフトし始めているのも、社会そのものの構造がこれまでとは大きく変貌しつつあるからです。
キャリアとは、個々人の生き方の選択が反映されるパーソナルな事柄ですが、一方でそれを受け止める企業や団体などの働く場のあり方が問われるものでもあります。さらに言えば、働く場を点として捉えるだけでなく、個々人のキャリアが育まれるより広い環境の中で考える必要もあるでしょう。働くことと生活することのより良いバランスを取れるところを、個々人が選択していくことに、キャリアの本質があるのではないでしょうか。私たち一般社団法人地域・人材共創機構が取り組んでいるのは、そうしたキャリア形成の総体的なあり方と、その中で個々人が豊かに育める仕事と生活のあり方です。 私たちは、この働く“場”の観点を、点としての会社から地方や地域活動などにも広げ、そして働く“場”がある地域と人の関係に焦点を当て、「個人のキャリア形成」と「地域における人づくり」の双方の観点を主眼に置いたまちづくりのあり方を目指しています。そして、そのためには地域単体ではなく、認識を同じくする地域間連携で行なうことが必要であろうと、それぞれ異なる取り組みを行なっている釜石市・七尾市・塩尻市・岐阜エリア・雲南市の5地域の行政や中間支援団体をメンバーとして、2017年4月に組織されました。 私たちが主たる事業としている「CAREER FOR プロジェクト」は、各地域がそれぞれの地域に適した形で、 地域の課題解決と人材育成の合わせ技に取り組んでいる中で育まれた知恵と情報を共有し、「新しい働き方をしたい」「自分の可能性を広げたい」と考えている人々に発信する活動です。その根底には「会社に入る」という単純なストーリーで語りがちなキャリアのあり方を、「地域と関わるあり方」をも念頭に置いて考えていくことが個人のキャリア形成において積極的に位置づけられることが重要だという考え方があります。ローカルでの体験は、個々人のキャリア形成に何らかの意味を持つはずですし、地域との関わりの中でキャリアを育めるまちは「ローカルキャリアシティ」と呼べるのではないかと思っているのです。 パラレルワークやリモートワーク、ワーケーションなどの広がりが暗に指し示しているのは、人口減少と東京一極集中への歯止めがかからない現状を受けた、地方への人材移動です。これまで地方で顕著に見られた移住・定住と称した人材の取り合いではなく、都会と田舎の人材のシェアという考え方に急激にシフトしたように思われます。企業と地域を繋ぐ地域おこし企業人の制度や、地方で複業する人への交通費の支給など、国の施策も急速に増えています。「地域と関わって働く」ことを「1つの地域に永住すること」と固定的に捉えるのではなく、地域から地域へ、企業から地域へ、地域から企業へ、といった人材の流動性も同様に価値化して捉えることが必須であり、まさに人材が移動することで地域の活性化とキャリア形成の双方に意味のある働き方の可能性が広がってきたように思います。 しかし、2019年版の白書でも書いたように、地域のより良い未来のためには何よりも「人づくり」が重要であることは、改めて言うまでもないでしょう。受け入れる地域の側にとっては、人の働き方と暮らし方を支える包容力と柔軟性のある仕組みづくりがますます重要になっていますし、個人にとっては、個々が感じるやりがいだけでなく、ローカルキャリアが魅力的なキャリアパスの1つとして価値があるものだと周囲から認められることも重要な点です。 人口が減少したとしても、どんな地域においても豊かな暮らしができるような未来に向かっていくには、現実的な課題を学びながら意味を探り解決していくプロセスを共有することが必要ではないかと思います。地域に目を向けたローカルキャリアは、どのような人にとっても未来の可能性を生む体験であることは間違いないでしょう。 『ローカルキャリア白書2020』では、このような問題意識から、地域と関わりながら仕事をすることで得られるものとは何か、そして地域はどのように人を育むことができるのかということを紐解いてみようと、インタビューやアンケートを通じて調査を行ないました。 「ローカルキャリア」と「ローカルキャリアシティ」の未来を考える一助となれば幸いです。 |
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助成機関 |
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事業成果物種類 |
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