事業成果物名

2022年度 液体CO2の最適管理技術の開発 事業成果報告書

団体名

事業成果物概要

1. プロジェクト概要
[課題]
既に実用化されているCCS/CCUS技術の拡大には、高純度なCO2の分離・回収の効率向上、および、CO2圧入工程の高効率運転によるコスト低減と安定操業が課題となります。
CO2に含まれるN2 / CH4等の水和物相挙動および含水量はよく理解されていないため、実験、相分析、およびCPS EOSモデル(MultiFlash)計算の両方からさらなる調査が必要です。
また、不純物による相挙動特性(液相、ガス相、固体相)の把握とその相領域判定に応じた高効率、低エネルギ及び機器保護運転の改善と言う課題があります。

[期待される成果・効果]
CO2 主成分の気体をコンプレッサで、臨界圧力近傍まで昇圧、冷却水との熱交換により液化することにより安定した状態でポンプにより超臨界状態まで昇圧させるができます。コンプレッサの動力を抑えた上で、安定した状態を保つことが可能になります。
また、これらの状態で圧縮、圧入を行う事で、ハイドレートなど流れを阻害せずに、また、装置へのダメージも生じさせない運転が実現でき、その結果、コンプレッサやポンプなどの動力エネルギを節約してエネルギコストを削減、機器の高効率な運転につながると言う効果が期待されます。
·機能としては、対象とするプロセスモデルと制御系を模擬するダイナミックシミュレータを開発します。
·模擬したシミュレータで、安定した状態を保ちつつ、コスト最小となる制御方式を開発することを目標にします。

2. 初年度の事業成果
<水分凍結調査>
・CO2に含まれるN2 / CH4等の不純物による相挙動特性(液相、ガス相、固体相)の把握の為の実験と各種データ収集を実施。このため、100%CO2中および、95%CO2/5%N2の混合ガス中のCO2相内含水量が直接測定出来るようにするための独自の装置(マイクロ流体システム)/方法を開発しました。
・本装置を使用し、上記2タイプのCO2の水分含有量と水和物相境界を調査/測定しました。
・本調査の結果、「100%CO2」の水分含有量と水和物相境界、および「95%CO2/5%N2 混合物」の水和物相境界について、マイクロスケールセルシステムによる測定結果とマルチフラッシュのハイドレート相境界実験データの誤差が小さいことを確認しました。
・今後も、CO2に不純物(N2)を含む場合の複数の条件に於いての水分含有量を、上記の方法を使用し測定する予定です。
<シミュレーションによる圧入状態調査>
・CO2の最終圧縮工程をCO2が液相状態で圧縮することで電力消費量を最小になるよう運転します。CO2圧入ポンプのサクションを液の状態を維持しつつ、圧入時のポンプ吸入圧力が上限/下限を超えず、負荷変更が最短時間で完了となる運転パターンを探索するロジックを開発し、シミュレーション上でテストを実施しました。
・ダイナミックシミュレーション(Visual Modeler)の機能改善を行い、計算処理速度を向上しました。

来年度は、テストシミュレーションモデルをブラシュアップし、マルチフラッシュを組み込んだシミュレータを開発する計画です。

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2022年度 液体CO2の最適管理技術の開発

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