事業成果物名 |
2022年度 海底パイプライン輸送における水素-天然ガス混合物の監視技術の開発事業成果報告書
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団体名 |
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事業成果物概要 |
1. プロジェクト概要
[課題] 水素の既存天然ガスパイプラインを使用して安全にブレンドガスを輸送するには、下記の様な課題があります。 · 含水率によるハイドレート発生状況の把握方法とパイプライン腐食 · 水素-天然ガス混合物の相平衡状況把握 · 海底長距離パイプライン内のハイドレート発生 · 各サイト運転状態変化によるH2-NGブレンド比率の変動 [期待される成果・効果] · 水素-天然ガスの相平衡・含水相平衡特性の試験データを収集、分析。 これにより、純度や不純物によって変化する水素天然ガス混合物の特性をH2-NGブレンドシミュレータで構築してモニタリングする事が可能になります。 また、これに伴い、水素-天然ガスガスの安全輸送の確保と設備の効率運転を行う事が可能になります。 · さらに、水素天然ガス混合条件下での配管材料の腐食の評価をする事も可能です。 · ハイドレートの状況把握については、実験結果を基にシミュレータ内にソフトセンサ機能を搭載し、現在と予測の精度の高いリアルタイムな計算を行い、刻々と変化する運転条件に対応する事が可能になります。 · 長いパイプラインではプロセスデータや流体成分の変更や遅れが発生しやすいため、シミュレータ内に配管専用ユニットを開発し、組成伝搬と配管内圧力を同時に計算する事で、長距離海底ガスパイプラインで発生する事象のモデリングとそれによる対策を事前に確認する事が可能です。これらの機能はクラウド上にインストールするシミュレータの中で行います。 · シミュレータでは、モデルの精度が重要であり、実測値とモデルが乖離している場合、モデルのパラメータを調整する必要があります。また、適切なパラメータを探索するためには、複数回シミュレーションを行う必要があり、この為には、シミュレーションを高速で解く必要があります。そのため、不要な処理を極力排除し、モジュール化し、クラウド上で並列処理を行うことで高速化します。 2. 初年度の事業成果 · 水素天然ガスパイプラインでの混合ガス内相平衡・含水相平衡特性(水分固形化:ハイドレート)の試験データを収集、分析。 · CPA EOSモデル(Multiflash)の予測データが測定データと誤差が小さいことを確認出来たため、シミュレータでCPA EOSモデル(Multiflash)を使用する方向で製作する事を決定しました。 · CO2が無い場合とCO2を含むH2-NGではCO2を含む場合の方がHydrationを発生しやすいことを実験にて確認しました。 · サイトとパイプライン設備のシミュレータベータ版の製作を完了しました。また、そこに組み込む、水素、天然ガスのサイト側での異常発生時や各サイトのガス送出濃度が崩れた時のブレンドガスヘッダ内水素濃度一定化予測機能に関する基本設計検討を実施しました。 · クラウドで実行するソフトセンサ技術及び広域監視システムの基本設計を開始しました。 · シミュレータのクラウド対応の開発を開始し、クラウドサーバとクラウド上にインストールするシミュレータの結合テストを実施しました。 |
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助成機関 |
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事業成果物種類 |
報告書
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事業成果物 |
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