事業成果物名 |
2024年度CO2の最適管理技術の開発(3年目)
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団体名 |
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事業成果物概要 |
1. プロジェクト概要
[課題] 既に実用化されているCCS/CCUS技術の拡大には、下記の様な課題があります。 ·高純度なCO2の分離・回収の効率向上、および、CO2圧入工程の高効率運転によるコスト低減と安定操業。 ·CO2に含まれる不純物の水和物相挙動および含水量はよく理解されていないため、実験、相分析、およびCPA EOSモデル(MultiFlash)計算の両方からさらなる調査。 ·不純物による相挙動特性(液相、ガス相、固体相)の把握とその相領域判定に応じた高効率、低エネルギ及び機器保護運転の改善。 [期待される成果・効果] ·CO2 主成分の気体をコンプレッサで、臨界圧力近傍まで昇圧、冷却水との熱交換により液化することにより安定した状態でポンプにより超臨界状態まで昇圧させるができます。コンプレッサの動力を抑えた上で、安定した状態を保つことが可能になります。 この状態で圧縮、圧入を行う事で、ハイドレートなど流れを阻害せずに、装置へのダメージも生じさせない運転が実現でき、その結果としてコンプレッサやポンプなどの動力エネルギを節約、エネルギコストを削減して、機器の高効率な運転につながると言う効果が期待されます。 2. 3年目の事業成果 <シミュレータによる動的最適化制御技術の開発> ·CO2の最終圧入ポンプのサクションを液相状態に維持できるシミュレーションモデルを作成し、圧縮工程の電力消費量が最小になるようにした。 ·更にコンプレッサの二次側が相変化せず気相状態を安定的維持するように制御することも目標として、負荷変動が最短時間で且つ制約された範囲内で変更完了となる運転パターンを自動で探索できる機能も開発し、動作を検証しています。 ·発電所等排ガス濃度の変動、及び緊急供給停止時の安全範囲でのコンプレッサ制御の自動応答を可能とする動的最適化技術の開発を継続するとともに、[事業:ID2024013912/海底パイプライン輸送における水素・天然ガス混合物の監視技術の開発(3年目)]で、開発中のリスク管理機能技術の検証も行いました。 ·動的最適化の実用化に向けて、ダイナミック・シミュレータの更なる高速化も継続しています。 ·また、2025年には国内の某LNG株式会社に於きまして、動的最適化機能のProof of Concept(概念実証)を実施する計画です。 <アミン吸収液モデルの技術開発> 2年目から継続して、CO2に不純物を混入した場合の含水量の測定を行いました。DeepStarの助言に従い、測定のために選択された不純物は、5mol%の窒素です。 不純物5mol% 窒素のCO2混合物と純粋なCO2の比較では、蒸気相では水分量に差は見られませんが、CO2と窒素の混合物が液体として存在する場合、Multiflashの予測では、含水量が純粋なCO2と比較して減少することを示します。 今年度は新しいカスタムGCを導入し、純粋CO2ならびに5mol%N2混合での含水量の測定精度を高めました。 これにより、CO2と窒素の混合物での含水量がMultiflashと測定結果において非常に高い精度一致することを確認できました。 3.今後は、以下の項目を継続して実施していく予定です。 アミン吸収液モデルの開発は継続され、動的チューニングツールによりプロセス精度、PIDチューニング精度が高められることを確認し、また、新しいカスタムGCを導入する事で純粋CO2ならびに5mol%N2混合での含水量の測定精度を高めることもできました。 CO2と窒素の混合物での含水量がMultiflashと測定結果において非常に高い精度で一致することも確認できました。 不純物5mol% 窒素のCO2混合物と純粋なCO2の比較では、蒸気相では水分量に差は見られませんが、CO2と窒素の混合物が液体として存在する場合、Multiflashの予測では、含水量が純粋なCO2と比較して減少することを示します。 液化状態と推定される状況(高圧または低温)では、不純物を含む場合に含水率が低下することを予測していますので、水和物発生のリスクは高くなると評価できます。 排ガス濃度の高いプロセスでの変動、及び緊急供給停止時の安全範囲でのコンプレッサ制御の自動応答を可能とする動的最適化技術の開発を継続しました。 CO2圧入におけるハイドレーション等の異常運転リスク管理機能技術の検証も行いましたので、2025年には国内の某LNG株式会社にて、動的最適化機能のProof of Concept(概念実証)を実施し、製品化を進める予定です。 |
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助成機関 |
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事業成果物種類 |
報告書
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事業成果物 |
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