事業成果物名 |
2024年度海底パイプライン輸送における水素-天然ガス混合物の監視技術の開発(3年目)
|
||||||||
団体名 |
|||||||||
事業成果物概要 |
1.プロジェクト概要
水素の既存天然ガスパイプラインを使用して安全にブレンドガスを輸送するには、下記の様な課題があります。 · 含水率によるハイドレート発生状況の把握方法とパイプライン腐食 · 水素-天然ガス混合物の相平衡状況把握 · 海底長距離パイプライン内のハイドレート発生 · パイプライン異常発生の検知とその対応 · 各サイト運転状態変化によるH2-NGブレンド比率の変動 [期待される成果・効果] · 水素-天然ガスの相平衡・含水相平衡特性の試験データを収集、分析。 · 水素-天然ガス混合条件下での配管材料の腐食の評価。 · ハイドレートの発生リスクの把握とその対応。 · 複数の海上基地ならびに水素-天然ガス受入れ基地の情報共有のため、クラウド上のシミュレーションで水素-天然ガス輸送状況の可視化、監視。 · 水素-天然ガス輸送の過渡状態の精度高いシミュレーションのため、PLC制御システム機能のシミュレーションへの取込。 2. 3年目の事業成果 <水素・天然ガス混合物の特性実証> 水素・天然ガス混合物シミュレーターの構築するため、H2-CH4ガスに塩成分が添加された場合の影響の測定を継続して実施しました。 ·高圧示差走査熱量計 ( DSC : Differential Scanning Calorimetry )を用いて、15mol% H2/CH4ブレンド組成の相平衡測定を実施。結果はMultiflash(CPA)と良好な一致を確認しました。文献データの4.55mol%H2、20mol%H2もMultiflashと一致しましたが、41.9% H2では誤差が発生しました。 ·このHP-DSC測定の精度を検証するために、in-situラマン分光法と組み合わせた高圧マイクロ流体反応器を使用して15%mol H2/CH4の水和物相平衡点を測定したところHP-DSCの結果と一致しました。但し、H2のハイドレード発生は確認出来きませんでした。 ·新規のHP-DSCステップスキャン法を開発し、塩成分を含む天然ガス成分(3wt%NaCl)で、新しい測定法を評価した結果、H2を含まない状態での測定結果と文献データ、Multiflashとの比較で精度良く一致しました。また、15mol%H2/CH4では差異はあるものの、HP-DSC連続温度スキャン法よりも良好な結果を得ました。 ·3.5wt%NaCl含む15mol%H2-NGに水が混入した場合、他の塩成分と比較してガス-水界面で強い腐食が確認されました。3wt%Na2SO4でも、腐食の発生が確認されました。 <デジタルツイン(動的シミュレータ)を活用したリスク定量分析機能の開発検討> デジタルツインを活用し、時間要素も加味したリスク定量分析機能の開発検討を行い、安定供給に際してパイプライン内の危険性を推測できるモニタリング分析技術の開発に発展させる事、およびクラウドベースのデジタルツイン広域監視システムで使用できる複数のSCADA/DCS機能を開発します ·リスク定量分析機能の最終基本設計をまとめるため、国内のユーザーヒアリングを繰り返し実施。基本設計作業は終了し、開発業務に移行しました。 ·リスクアセスメントにはHigh Fidelityなデジタルツインのモデルが必要であるため、今後は[ナノ流体を用いた排ガスのCO2回収技術の開発(3年目)]にて開発中のデジタルツイン・モデルの実データを用いたチューニングに関する技術開発と、本リスク定量分析技術開発を連携させて継続して技術開発・検証を行う予定です。 ·複数のSCADA/DCS操作画面をエミュレーション上に構築する機能を開発しました。これにより、クラウドベースでの広域監視の模擬システムを構築することが可能となり、遠隔からの運転操作のシミュレーションが可能となります。 |
||||||||
助成機関 |
|||||||||
事業成果物種類 |
報告書
|
||||||||
事業成果物 |
|