事業成果物名

平成19年度離島学校公演概要

団体名

事業成果物概要

平成19年度「離島の小中学校における芸術・芸能公演と
ワークショップ」の実施
  
 平成19年度も引き続き離島の学校での芸術・芸能公演とワークショップを実施する
ことになった。
2年目ということもあり、教育委員会や学校への連絡も比較的スムーズに行えるよう
になった。
 実施した島や学校・生徒数は下記の通りである。 

1.福岡県北九州市 藍島  
 平成19年11月1日 藍島小学校 小学生15名 住民31名
 【実施内容】江戸大道芸と落語及び南京玉すだれ体験

 藍島は北九州市に属する島のうち、唯一学校がある島である。人口300人程度の
小さな平らな島であるが、江戸時代に密貿易を監視する番所が置かれていた。昨年
からそうであるが、子供達には落語や江戸の大道芸はめったに実物を観る機会がなく、
大変興味をもってくれる。
 
2.佐賀県唐津市 加唐島
 平成19年11月6日  加唐島小中学校 小学生14名 中学生13名
     〃      松島分校 小学生12名
  【実施内容】津軽三味線

 加唐島は唐津市呼子から定期船で約25分の位置にある。日本書紀に神功皇后伝説
や武寧王伝説の「各羅島」として登場するほど歴史のある島。また隣にある松島は島民
80名が全員キリシタンという島で、子供達はスクールボートに乗って聴きにきた。
 津軽三味線の演奏体験などおこなった。


3. 長崎県佐世保市 黒島
 平成19年11月16日  黒島小学校 小学生28名
  【実施内容】江戸文化「落語」と「大道芸」

 佐世保から定期船で約1時間の距離にある黒島は、九十九島の中で最大の島である。
江戸期の迫害を避け多くのキリシタンが移住してきた。
 明治以降禁教令が解かれ、長崎の浦上と同じく信徒発見のため訪れたフランス人神
父達の中心基地であった。
 島の中央に位置する「黒島天主堂」はフランス人マルマン神父によって建立され、現在
国の重要文化財になっている。
  公演では子供達に大道芸の「南京玉すだれ」を体験させた。


4.佐賀県唐津市 神集島(かしわじま)
 平成19年11月18日  神集島小学校 小学生13名
  【実施内容】日本の歌とクラシック

「松浦拾風土記」に神功皇后が三韓征伐の折、神々を集めて軍議を謀ったのが名前の
由来とされている。また万葉集に島の歌が収められその歌碑が立っている。
島全体の文化祭があり、その中で学校公演を行った。子供達がバイオリンやコントラバ
スに触れ、音を出すなどの体験をした。


5. 長崎県佐世保市 高島
 平成19年11月19日 相浦小学校高島分校 小学生12名
  【実施内容】日本の歌とクラシック
 
佐世保高島は九十九島のひとつにあたり、江戸時代に平戸藩の沿岸警備のための
番所が置かれていた。
  平地が多く漁業のほか農業も行われている。とくに「高島のちくわ」は有名である。
本当に素朴な島で、子供達は初めて聴く楽器の音に驚いていた。
 

6. 長崎県新上五島町 中通島(なかどおりじま)
 平成19年12月3日 奈良尾中学校 中学生90名 
 平成19年12月4日 仲知・津和崎小学校合同開催 小学生24名
     〃     東浦小学校 小学生99名
 平成19年12月5日 崎浦小学校 小学生25名
【実施内容】江戸文化「落語」と「大道芸」
 
 五島列島は大きな五つの島(中通島、若松島、奈留島、久賀島、福江島)とその他
140の島から形成されている。面白ことに島によって行政区域が分かれている。中通
島は新上五島町に属する。
 中通島は五島の中でも隠れキリシタンの遺産が多く残されており、現在でも信者の
率が高い。島の中に実に29もの教会(天主堂)があり、これらの内いくつかは世界遺
産暫定リストに登録された。
 島全体平地は少なく、多くは漁業に頼っている。しかし長崎県や町は、暫定リスト入
りを契機に、過疎化対策として観光面で産業を活性化しようとしている。
 4校(合同実施を含めると5校)で公演を実施したが、いずれも大歓迎を受けた。


7. 長崎県五島市 福江島
平成19年12月11日  富江小学校  小学生196名 
平成19年12月12日  山内小学校  小学校82名
平成19年12月13日  玉之浦小学校 小学校54名
 【実施内容】日本の歌とクラシック
 
 福江島は五島列島の最南端に位置している。宇久島に興った宇久氏が福江島に
渡り江戸期には五島藩となった。江戸末期に築城された石田城は日本で最後に築
城された城である。 
最も大陸に近い福江島は、遣唐使最後の寄港地として、空海や最澄も福江島も訪れ
ている。現在ではすぐ上位置する奈留島、久賀島と合併し五島市となった。人口も
38,000人と多く、他の島に比べると都会である。しかし、他の離島と同様に過疎化が
進行し、毎年800人ずつ人口が減少している。
 小学校ではクラシック演奏と日本の四季の歌を全員で合唱、バイオリンの演奏体験
など行った。


8.佐賀県唐津市 馬渡島(まだらしま)
 平成20年2月21日  馬渡島小中学校 小学生21名 中学生17名
 【実施内容】津軽三味線

 馬渡島は長崎県平戸のすぐ近くに位置し、佐賀の離島の中では最も大きな島である。
松島とともに隠れキリシタンの痕跡が残る。現在でも島の中央にある馬渡島教会では
ミサが行われている。
 

 以上、平成19年度は8島13校で学校公演を実施した。
 この事業を始めるまでは、佐賀に離島があることすら知らなかったし、五島は列島と
いうだけで、それぞれの島の特徴など見ることはなかった。
 そういう意味でいい勉強をさせて頂いた。
 また公演を行って印象的だったのは、日頃芸術・芸能を見る機会が少ない子供達の
真剣な眼差しと、豊な自然や優しい人々に守られ育ったであろう純朴な心である。
 まさに昭和がまだ息づいているような感じがした。

助成機関

  • 日本財団

事業成果物種類

報告書

事業成果物

事業成果物名

平成18年度離島学校公演

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