平成８年４月、当時の滋賀県下の福祉的就労の場での平均工賃は月１万円以下。一般就労すれば１０万円程もらえるのに比して、あまりにも安くこれでは自立は難しい。ならば、最低賃金保障を目指して、働く場をつくろう。働く意欲はあるけれど、企業では上手くいかないという人がここで働き、自分で生活していくことを目指す。ずっとここで働き続けてもいいし、自信がついたところで就職してもいい。その人に合ったライフスタイルを見つけられるよう皆で応援しあう、そんな場所を目指して『自立就労センターパレット・ミル』はスタートした。
木製パレットのリユースから始まった仕事も、今では市内の１０事業所（２０～３０名）へ出かけて働かせてもらったり（施設外就労）、パワフルやパレット・ミルの中でも焼き菓子等の食品事業を始め、さまざまな仕事を手掛け、生産性・収益性の向上に努めている。現在、滋賀県の工賃の平均は約２万円だが、パレット・ミルではようやく７万５千円になり、目指すところに少しずつ近づきつつある。
ここで働いている人は、それぞれに働く意欲が持てるようになり、ほとんど休むことなく出勤している。一般就労をして出ていく人はあるが、利用希望者が多く、受け入れの人数が多いので利用者数が急激に増えている。しかも、ほとんどの者が皆勤なので、皆の工賃を上げ続けるための仕事作りに追われている。
こうして、県内外から注目される事業所の一つになり、年間２００人以上の見学者を受け入れている。

パレット・ミルでは上記の目的を遂行するために以下の事業に取り組んでいる。
１．多機能型事業所パワフルの運営
・就労継続支援Ａ型（定員１０名）（平均賃金１4万5159円／月）
・就労移行支援（定員１2名）（平均工賃3万9488円／月）
・就労継続支援Ｂ型（定員１8名）（平均工賃５万4581円／月）
就労した時に戸惑わない様、より一般企業に近い施設外就労や施設外支援を取り入れている。
２．自立就労センターパレット・ミルの運営
・就労継続支援Ｂ型（定員２０名）（平均工賃7万601円／月）
上記の事業を進めるために、以下の仕事に取り組んでいる。
　食品事業　ラスク・ぽん菓子等製造・クッキー、焼チョコ製造・ブルーベリー・その他　　　　　　　　　　　　　　　
手作り事業　馬蹄鉄お守り・組み紐・その他　
木工事業　木製パレットの組立・ その他
請負事業　ポリテナーの整理作業他・鉄骨加工作業・プラスチックごみの分別作業・古紙の手選別作業・厩舎や寮・馬場周辺の環境整備作業・船舶用エンジンの熱交換器の拡管作業と出荷用木箱の製作・使用済プラスチックコンテナの選別作業・菓子箱折りや箱詰め作業、電動工具用電源コードの巻取り、電装用ケーブルのカット等の軽作業・児童虐待防止オレンジリボンの作成・県所有の空き地の草刈等・その他
３．グループホームパレット・ミルの家の運営
・外部サービス利用型共同生活援助（定員7名）
４．特定相談支援事業所コネクト
　いずれの事業も障害者総合支援法の下での運営なので、利用者や事業者にとって改善を必要としているところについては、同じ事業に取り組んでいる他の事業所とも連携して行政に申し入れをしたりして改善への努力をしている。

平成８年４月、　栗東町森林組合の木工所を借りて『自立就労センターパレット・ミル』開所。（利用者２名、支援者４名）
平成１０年３月、事務作業棟と作業用テント棟建設。
平成１４年９月、小規模法人化。
平成１５年３月、事務作業棟建設。（利用者１７名、支援者１０名）平均工賃は４～５万円。
平成１７年１０月、グループホーム『パレット・ミルの家』（定員５名）開設。
平成１８年４月、事業所型作業所『パワフル』開設。
平成１８年１０月、就労移行支援事業所へ移行。（利用者２５名・支援者１１名）平均工賃は５～６万円。
平成１９年３月、食品製造作業棟（９２平方メートル）増築。
平成１９年４月、『パワフル』を社会的事業所へ移行。（利用者２７名・支援者１２名）
平成２０年４月、食品包装作業棟（１２８平方メートル）増築。
平成２１年１０月、社会的事業所を解消し、多機能型事業所（就労継続支援Ａ型と就労移行支援）パワフルと、自立就労センター　パレット・ミル（就労継続支援Ｂ型事業所）とに組織変更。
平成２３年４月　食品製造作業棟を増築し、食品包装作業棟と合体（２９２平方メートル）作業棟の増築（８９平方メートル）
平成２４年４月多機能型事業所パワフルに就労継続支援Ｂ型を増設。
平成２６年４月特定相談支援事業所　コネクトの開設

無

5名