当法人は、平成４年に設立されましたが、当時の日本社会は驚異的な飛躍を遂げ経済大国といわれるようになつた反面その急激な変化に様々な歪みが生じ、社会的に問題化しつつある時期でした。
こうした社会情勢は、知的障害者にとっても、殊のほか影響があったことを感じずには居られませんでした。
そこで、当時某大手農機具メ－カ－に勤務し経理を担当していた代表者である小河原文子が、地域において福祉活動に係わっているとき、知的障害を持つ人たちの養護学校卒業後の行き場が無いことに直面し、地元の手をつなぐ親の会の強い要望もあったことから、私財を投じて今日の幸手学園を設立しました。
平成４年４月にオ－プンした幸手学園は、知的障害者の授産施設として定員３０名でのスタ－トでしたが、利用希望者も年々増加し平成８年には定員３７名に、平成１１年には定員４０名に増えました。
また、平成１８年には、単独型の短期入所施設を開所し、利用者の将来そして緊急時等を考慮して夜間受け入れもスタ－トさせました。
利用者個々について、幸手学園は、開所時から常に重度障害者の方を多数受け入れてきたことから、送迎の必要性もあり、今日まで続けてまいりました。

明るく笑顔のある毎日をモット－に、自然体の中で基本というものを常に大切にしながら、当たり前のことが自然に行動に移せるよう、日々心掛け支援に努め、その毎日の生活が、将来的に社会的生活能力としてパタ－ン化し、企業就労と地域社会での生活が現実になることを主眼においた活動を続けております。
　開所以来の授産活動においては、菓子・パンの製造、アメリカンフラワ－の製作等、自主生産を中心に「施設だから・・・」という考えではなく、常に社会一般を意識した（市場原理の導入）活動を行ってきました。そうしたなか、アメリカンフラワ－では、平成８年度に埼玉デザイン協議会から優秀デザイン製品として認定を受け、また、平成２１年には、「プレミアム・クオリティカップ２００９ＩＮ埼玉」という埼玉県全域の障害者施設を対象にした「第１回焼き菓子コンテスト」において、「ガ－レットフィンガ－」という焼き菓子で優勝することができました。先ごろ行われた本年度（平成２４年）の第３回焼き菓子コンテストにおいても、「ロック」という焼き菓子で、準優勝に輝き、利用者の皆さんが関係者から賞状とトロフィ－を渡され、大変な喜びに沸きました。
　障害者自立支援法の施行に伴い、平成２３年４月から多機能型事業所（生活介護定員３０名、就労継続支援Ｂ型定員２５名）として、名称が変わりましたが、今後も、施設という枠にとらわれることなく、常に社会一般という枠を意識しながら、利用者の皆さんが地域の中で自分らしく豊かに暮らしていけるための支援を行って生きたいと考えております。

特に無し

無