特定非営利活動法人SEEDきょうと

基礎情報

団体ID

1074730936

法人の種類

特定非営利活動法人

団体名(法人名称)

SEEDきょうと

団体名ふりがな

しーどきょうと

情報開示レベル

★ ★ ★ ★

第三者認証マーク

団体の概要

他の先進諸国と同様に、近年日本においても拒食症や過食症が増加しています。摂食障害は思春期から青年期にかけての若年女性が比較的高率に罹患し、かつ非常に高い死亡率であるにもかかわらず社会問題としての認識は依然として低く、その対策は不十分なままです。摂食障害の病因や病態は複雑で、治療開始から回復・社会復帰に至るまでに、生物・心理・社会といった多方面からのアプローチが必要です。現在の日本の医療において、摂食障害に対する十分な診療システムは構築されていませんが、今後も全てを医療の枠組みのみで扱っていくことは有効ではありません。
自助グループや家族会も各地で徐々に組織されていますが、摂食障害の専門的な知識を持つスタッフがいない形での運営は、不安定となりやすい問題もあります。社会復帰に向けて当事者が継続的に利用でき、摂食障害の専門家がリードする形で、明確な方向性をもった施設を設立することは、医療者・当事者・家族それぞれから望まれています。一般的な精神障害者の通所型障害福祉サービスは、疾患特性の違いもあるため利用が難しく、摂食障害を専門的に扱う通所支援施設の設立が必要と考えられますが、関西にはそのような施設は存在しません。
私たちは上記のようなニーズを受け、平成23年に京都で摂食障害者を支援するNPO団体「SEED(しーど)きょうと」を立ち上げました。立ち上げ後より、「きょうと摂食障害家族教室」を開始し、平成24年には家族会「らくの会」の運営を開始しました。毎年、一般市民向けのシンポジウムや医療福祉関係者向けの講習会なども行いながら、平成25年には当事者の利用できる通所支援施設「SEEDテラス」を開設しました。平成27年10月15日に「SEEDきょうと」はNPO法人となり、平成28年度は摂食障害者の通所支援施設を「プティパ」とし、日本財団からの助成によりスタッフを雇用して本格的に施設運営を拡大しました。平成29年度も引き続き日本財団の助成を得てそれを継続、そして平成30年4月1日に、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業(就労継続支援B型事業所)として京都市から指定を受けることができました。また令和3年度からは訪問看護ステーション「らぐれーぬ」を開設し、アウトリーチによる支援も開始しています。今後も「プティパ」と「らぐれーぬ」を中心に、摂食障害者およびその家族に対する包括的な地域支援活動を展開していく方針です。

代表者役職

理事長

代表者氏名

水原 祐起

代表者氏名ふりがな

みずはら ゆうき

代表者兼職

京都府立こども発達支援センター診療課 精神科医長

主たる事業所の所在地

郵便番号

600-8269

都道府県

京都府

市区町村

京都市下京区

市区町村ふりがな

きょうとし

詳細住所

西八百屋町136番地 ランドビル2階

詳細住所ふりがな

にしやおやちょう らんどびる

お問い合わせ用メールアドレス

info@seedkyoto.net

電話番号
(公開用電話番号)

電話番号

075-748-7834

連絡先区分

事務所・勤務先

連絡可能時間

9時30分~17時15分

連絡可能曜日

火 水 木 金 土

備考

土曜日は13:30まで

FAX番号

FAX番号

075-748-7834

連絡先区分

事務所・勤務先

連絡可能時間

0時00分~23時59分

連絡可能曜日

月 火 水 木 金 土 日

備考

終日受信可能

従たる事業所の所在地

郵便番号

都道府県

市区町村

市区町村ふりがな

詳細住所

詳細住所ふりがな

URL

団体ホームページ

団体ブログ

Facebook

X(旧Twitter)

代表者ホームページ(ブログ)

寄付

ボランティア

関連ページ

閲覧書類

設立年月日

2012年3月17日

法人格取得年月日(法人設立登記年月日)

2015年10月15日

活動地域

複数県

中心となる活動地域(県)

京都府

最新決算総額

1,000万円~5,000万円未満

役員数・職員数合計

22名

所轄官庁

京都市

所轄官庁局課名

文化市民局 地域自治推進室 市民活動支援担当
このページの先頭へ

活動概要

活動分野

主たる活動分野

障がい者

 

福祉、保健・医療、男女共同参画、就労支援・労働問題

設立以来の主な活動実績

【設立の経緯】
 SEEDきょうとは、京都近郊における摂食障害者とその家族に対する地域支援活動を中心に、地域の医療福祉教育関係者に対する摂食障害の啓発活動を行うNPO法人である。前身団体である「京都摂食障害者支援施設設立準備委員会」は平成23年3月に発足し、「SEEDきょうと」に名称変更の後、平成27年10月15日にNPO法人格を取得した。
摂食障害は思春期から青年期にかけての若年女性が比較的高率に罹患し、神経性無食欲症に限ると、5~7%という非常に高い死亡率である。その社会的損失は甚大であるにもかかわらず社会問題としての認識は低く、対策は不十分である。摂食障害の病因病態は複雑で、治療開始から回復・社会復帰に至るまでに、専門的で注意深い心理社会的介入を要する。しかし医療によって一定の回復を得られても、統合失調症やうつ病を中心とした従来のデイ・ケア、作業所などでは、その繊細な疾患特性から有効な福祉支援を受けることができずに症状が再燃し、多くが社会復帰に至らないという課題を抱えている。
また患者をケアする家族も、正しい疾患の知識や適切な当事者への対応の仕方についての情報が行き届いていない。家族は相談できるところがなく孤立し、その精神的ストレスからさらに当事者に対して感情的になったり、距離を置きすぎてしまったりして、当事者の病状を悪化させてしまうという悪循環に陥ることも少なくない。
摂食障害について、一般社会の理解も不十分であり、時折マスコミにてセンセーショナルにとりあげられることはあっても、当事者の生きづらさや家族の苦悩、治療・支援者の医療福祉支援における困難さは理解されていない。
京都市およびその近郊は、患者層の多い都市部であることから上記の問題が特に顕著である。医療から福祉、さらには社会復帰に向けてシームレスに当事者と家族を支えていくためには、病院での治療から回復期に移行した当事者が交流できる居場所を確保しながら、社会復帰を促進する専門的介入を行えるような施設が必要である。京都大学医学部附属病院に通院中の摂食障害者とその家族を対象として、代表者らが行ったニーズ調査では当事者の65%、家族の75%がそのような施設の利用を希望している。このようなニーズを受けて、「団体の目的」に記載した、包括的な地域支援活動を実施している。

団体の目的
(定款に記載された目的)

【定款】
「この法人は、摂食障害当事者及びその関係者等に対して、摂食障害の治療にかかる臨床と研究及び実践に努めるとともに、摂食障害の治療並びに自立を支援する事業を行い、もって社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」

団体の活動・業務
(事業活動の概要)

定款の目的に沿って、当法人ではまず患者家族に対して疾患についての正しい知識の教育と、家族同士の交流におり安心してケアにおける悩みをお互いに相談できる「きょうと摂食障害家族教室」を開始した。月1回2時間半で計5回を1期とし、現在は第14期まで継続して実施している。毎期ごとに約10~20名の患者家族が参加している。
また家族教室を修了した家族が、その後も継続的に相互に支え合える場である、「らくの会(家族会)」を立ち上げ、その後は独立した組織として運営できるように支援・連携を行ってきた。
さらに一般市民向けのシンポジウムを年1回、看護師や介護士などの支援者向け講習会を年2回の頻度で断続的に実施し、専門的な介入ができる支援者の育成にも努めている。  
特に力を入れている事業は、当事者の居場所を確保し、疾患理解を深め、社会復帰への動機付けを行い、復帰の足掛かりとなるスキル高めるための通所施設の運営である。京都駅前に活動拠点を開設し、当事者グループ「プティパ」の自主運営を開始し、平成28年、29年度は日本財団の助成をうけてこれを拡大、安定化させ、平成30年度からは就労継続支援B型事業「プティパ」として京都市から指定を受けるに至った。

現在特に力を入れていること

摂食障害当事者を中心とした就労継続支援B型事業所「プティパ」の運営に特に力を入れている。通所施設の活動は以下の3つの活動に加えて、利用者への個別相談も実施している。

・「ワーク」:作業を通して安心できる居場所を提供する「ワーク」は、 活動の中身は、キャンドル作り、ビーズ細工、革細工、まくらめ(紐類を結びながらレース状にする手芸)などです。 その日の調子に応じて、自分のペースで進めていただけるようになっています。 平成26年度中には、ワークで作ったものを販売することを目指しており、 まずはアロマキャンドルの製品化に向けて、色や香り、良い品質のものを作るための手順等を試行錯誤しています。 商品化に向けての作業マニュアルを作成中です。今後も、当事者がつらい時も何とか過ごしていくための居場所という面と、 何かを作って形にするというやりがいの面、両方を大切にしてワークを充実させていく予定です。
・「トーク」:専門家同席のもと、当事者が集まって意見交換を行い、 話し合いを通じて摂食障害への理解を深め、回復をサポートしていく活動です。日常生活で気になっていることなどを当事者同士が話し合うことで、 お互いに生活や治療に向けての元気や意欲を与えあうことを目指しています。 現在は週1回の頻度で開催しており、毎回2~5名くらいの方が参加されています。 スタッフも1~2名参加し司会を担当しますが、ほぼ当事者の方同士で意見が交わされています。病気のことについて話し合うのは、負担がかかることです。そのため、「トーク」には“参加基準”(精神状態・健康状態が、 ある程度安定していること、BMI>15kg/m2)があります。また“約束事”(無理のない参加、他の方の意見は最後まで聞く、 個人の批判は避ける等)や“秘密厳守”の確認を行って、安心して参加していただけるようにしています。参加されている方からは「日々の生活の中では、話せる場所が無く、どうしてよいか分からないことや、 解決の糸口が見つからないようなことも、ここでは話すことが出来る、相談が出来る。」といった感想が述べられています。 今後も、時間や内容について、参加されるの方と検討を重ね、よりニーズにあったものにしていきたいと考えています。 
・「フリー」:特に活動内容は決めずに、SEEDテラスで自由にくつろいでもらう時間です。 「ワーク」で行っている手芸をされてもよいですし、 本を読んだり、音楽を聞いたり、おしゃべりをしたり、 思い思いにSEEDテラスで過ごしてもらっています。週2回の頻度で開所しています。
・「勉強会」:摂食障害関連書籍を教材として、それを参加者で読み、感想を話し合って理解を深める勉強会も、概ね月に1回のペースで開催しています。

上記のような通所施設における当事者への直接的な支援によって、疾患からの回復が促進され、症状の悪化が減少し、早期に高率に当事者の社会復帰が実現する。若い女性に特異性が高い疾患であるため、回復することで社会にもたらされる波及効果は非常に大きい。また症状の再燃が減ることで専門医療機関への依存度が低下し、患者が集中して疲弊している専門医の負担軽減につながる。

今後の活動の方向性・ビジョン

平成28年4月よりプティパが週5日の終日開所となり、通所施設運営が本格化したため、対象をSEEDきょうとのスタッフが主治医となっている方だけでなく、京都近郊で摂食障害の診療を受けておられる方まで拡大し、登録者は30名まで増加た。
また、NPO法人格を取得できたことは大きく、2年間の日本財団からの助成をうけながら通所施設運営を継続し、施設基準に合致する人員、建物基準を満たすよう、スタッフ雇用や施設移転を行い、平成30年4月に障害者総合支援法に基づく「就労継続支援B型事業所プティパ」として、京都市から指定を受けた。これを足掛かりに利用者をさらに増やしていきたい。
当法人は京都における摂食障害診療に深く携わる者で構成されている。スタッフの人脈と知名度も生かし、SEEDきょうとを活動の核として、地域の大学病院、単科精神科病院、総合病院などの医療機関、精神保健福祉センターや保健所などの公的機関、作業所やデイ・ケアなどの福祉施設との連携を深め、地域の摂食障害支援体制をも確立していきたい。

定期刊行物

事業報告書「SEEDきょうとのあゆみ」 年1回
広報紙"プティパタイムス"  年1回

団体の備考

・平成23年3月:「京都摂食障害者支援施設設立準備委員会」発足
・平成23年4月:ウェブサイト開設
・平成23年6月:「きょうと摂食障害家族教室」第1期
・平成24年11月:シンポジウム「拒食・過食を乗り越えてPart4」
・平成24年1月:「きょうと摂食障害家族教室」第2期。「らくの会(家族会)」発足。
・平成24年3月:前身団体より「SEEDきょうと」に名称変更
・平成24年7月;「きょうと摂食障害家族教室」第3期
・平成24年8月:当事者も加わり施設設立準備ミーティング
・平成24年11月:シンポジウム「拒食・過食を乗り越えてPart5」を開催。ボランティアスタッフ、賛助会員の募集を開始。
・平成25年2月:当事者家族向け講演会
・平成25年4月:「きょうと摂食障害家族教室」第4期開始。当事者活動「ワーク」及び「トーク」を開始。
・平成25年6月:第1回地域医療福祉関係者向け講演会
・平成25年8月:活動拠点「SEEDテラス」開所
・平成25年10月:「きょうと摂食障害家族教室」第5期
・平成25年11月:シンポジウム「拒食・過食を乗り越えてPart6
・平成26年4月:「きょうと摂食障害家族教室」第6期
・平成26年7月:当事者の会の名称を「きょうとプティパ」に決定
・平成26年8月:当事者活動「ワーク」「トーク」「フリー」を週5日実施。摂食障害家族会「あゆみの会」との学習会
・平成26年9月:シンポジウム「拒食・過食を乗り越えてPart7」
・平成26年10月:「きょうと摂食障害家族教室」第7期
・平成26年11月:摂食障害支援者研修会
・平成27年1月:「きょうとプティパ」メンバーミーティング
・平成27年3月:摂食障害メール相談事業開始。訪問看護/ヘルパー向けの摂食障害者支援ハンドブックの作成。
・平成27年4月:「きょうと摂食障害家族教室」第8期
・平成27年8月:摂食障害支援者研修会
・平成27年10月:「きょうと摂食障害家族教室」第9期
・平成27年11月:「拒食・過食を乗り越えて Part8」
・平成27年3月:チャリティー企画 現代国際絵画展 開催(協力:ほるぷA&I)
・平成28年4月:「ワーク」「トーク」「フリー」を週5日(終日)で開始。「きょうと摂食障害家族教室」第10期
・平成28年10月:「きょうと摂食障害家族教室」第11期
・平成29年1月:「拒食・過食を乗り越えて Part9」
・平成29年4月:「きょうと摂食障害家族教室」第12期
・平成29年10月:「きょうと摂食障害家族教室」第13期
・平成30年2月 「拒食・過食を乗り越えて Part10」
・平成30年4月:摂食障害者を中心とした女性専用の通所施設「プティパ」が就労継続支援B型事業所に指定
・平成30年10月:「拒食・過食を乗り越えてPart11 」(講師:鈴木明子さん)
         「きょうと摂食障害家族教室」第15 期
・平成31年3月:長岡病院主催 心理臨床ワークショップ ~摂食障害への対応
・平成31年4月:「きょうと摂食障害家族教室」第16 期
・令和元年9月:「拒食・過食を乗り越えてPart12」(講師:林 利香 先生)
・令和元年10月:「きょうと摂食障害家族教室」第17 期
・令和2年2月:いきいき親子会
このページの先頭へ

協働実績

助成金・補助金・物品等、他の組織から受けた支援の実績

・平成25年6月:独立行政法人医療福祉機構(WAM)助成金
 活動拠点「SEEDテラス」の立ち上げ、賃借費用、事務用品購入費用、きょうと摂食障害家族教室会場賃借費用、スタッフ交通費等の支援。
・平成26年8月:京都府自殺対策事業補助金
 活動拠点「SEEDテラス」の運営、賃借費用、事務用品購入費用、当事者活動による物品精索の原材料費、スタッフ雇用・交通費等の支援。
・平成27年3月:京都府若年層自殺対策強化事業補助金
 摂食障害メール相談事業に伴うメール相談員人件費。訪問看護/ヘルパー向けの摂食障害者支援ハンドブックの作成費用等の支援。
・平成27年3月:愛恵福祉支援財団助成金
 ガラス焼成炉購入費、台車購入費の助成。
・平成27年11月:読売光と愛の事業団 生き生きチャレンジ「アートの力」助成金
・平成28年4月:日本財団助成事業
・平成29年4月:日本財団助成事業

他のNPO・市民活動団体との協働、他の学協会との共同研究・協働の実績

・平成24年4月~平成27年3月:日本学術振興会科学研究費助成事業若手B「摂食障害患者家族の疾患心理教育および交流会プログラムによる効果についての実証研究」(代表研究者:京都府立医科大学 水原 祐起)への協力
・平成25年11月:NPO法人のびの会による地域活動支援センター「ミモザ」見学

企業・団体との協働・共同研究の実績

・チャリティー企画 現代国際絵画展
日時:平成28年3月25日(金)から27日(日) 10時から18時
場所:京都府京都文化博物館
 ほるぷA&I社と協力し、チャリティー絵画展を下記の概要で開催しました。絵画の販売額の一部をSEEDきょうとの活動資金とさせて頂くことと、普段は摂食障害についてはあまり関わることのない一般の方に、病気についてご理解・ご支援を頂くことを目的として開催しました。
 日本及び海外の人気画家の油彩、水彩、版画等約40画家の作品80点の展示し、フランスより、ジョルディ・イセアン画伯をお招きして、原画のコーナーにて約40点を展示しました。また来場者には絵葉書を無料で進呈しました。
 SEEDきょうとの活動の様子も展示し、当事者が作成した小物やアクセサリーの販売も行いました。手作り品は大人気で、多くの商品が品切れになるほどでした。同時に賛助会員の募集、募金も行い、多くのご支援を頂きました。
 スタッフのみならず、当事者、家族会のメンバーが一丸となって企画を進められたことで、3日間で約450名もの方が来場され、盛況のうちに終えることができました。

行政との協働(委託事業など)の実績

・平成26年8月:京都府自殺対策事業補助金(上述)
・平成27年3月:京都府若年層自殺対策強化事業補助金(上述)