1. 地域の概況
貴和の里につどう会を構成している樅の木・道市・轡井の３集落は、菊川町の東端に位置し東に美祢市、北に豊田町、南に吉田町と接する菊川町のチベットと言われる山間の集落です。
昭和３０年代までは、農林業で生計を立てていましたが、高度経済成長とともに域外に職を求め、子供たちも出て行くようになり、農林業も衰退の一途をたどり、現在は耕作も思うようにできなくなり、セイタカアワダチソウに覆われ、鹿・猪が昼間でも人家近くまで出るようになり、夜には県道沿いの田んぼに２０数頭の鹿が見られることもしばしばです。
戸数５５戸人口１５０人ばかり、高齢化率４７．５％まもなく限界集落といわれる５０％に到達するところまで来ています。


2. 設立までの経緯
このような環境の中で、定年退職を機に毎日地元で生活するようになった数人が、この地域の状態をどうにかしなければと焦りともつかない気持ちを語り合っていました。一方、豊関村おこし応援団、地域共生中村さん家、山口県立大学の皆さんが廃校になりそうな轡井分校を村おこしに活用できないか模索していました。
この両者に１９年３月頃接点が出来て、数回の会合を経て設立の前準備が出来ました。
最初から大掛かりな組織にせずまずは趣旨に賛同するものだけにとどめ、２０人の会員で設立しました。


3. 貴和の里の由来
由緒ある轡井分校の廃校解体には地元の大半の人が惜別の情耐えがたく、何らかの形で残したい気持ちを持っていました。
明治５年に学制が発布され、明治９年に明拙拗先生と地元有志により樅の木・道市・轡井３ヶ村立の小学校が誕生しました。時の県令（県知事）が貴和小学校と命名し、柱時計が下附されたとあります。大正５年に明拙拗先生の恩徳を讃える記念碑が建設され盛大な除幕式が行われたとあります。今もその石碑が校庭の隅に泰然と据えられています。
３地区に共通した歴史と由緒ある貴和小学校の「貴和」（貴い和尚）が命名の理由のようだが、（貴い和）ともとれ、これこそ現代にもっとも必要な事ではないかと思い、貴和の里につどう会と名付けました。
昭和５０年春に明拙拗先生の百回忌の法要と轡井小学校創立百周年の祝賀会が行われました。
先生没後から現在まで毎年３月に堂のお取り越しとして供養が行われています。

運営会議を年１０回程度開催して行事の内容、事業の取り組み等を検討している。
事務局を設置し、体外的交渉、組織内連絡、会員募集・事務・会計を担当している。
年間の行事計画を作成し、活動を行っている。
市・県の直接的な支援を受けにくいので、国直轄の授業に積極的に取り組んでいる。

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