富士夢祭りのリーダーである私は、もともと秘密基地がコンセプトのカフェ「レトロタイムマシン」のオーナーでした。店内は1980年代をモチーフに作られ、大人たちが少年時代にタイムスリップできる場所として、漫画だけでなく初代ファミコンのカセット100０本を自由に遊べる空間のレトロカフェでした。しかし毎日のように流れる暗いニュースを見ていて、自分たちこそが世界を救うヒーローとして立ち上がるんだとアルバイトたちと熱くなり、この世界をもっとおもしろくするため、富士山の頂上からパッと光を灯すようなHAPPY NEWSを届けることを思いついた。
2005年から始まった富士夢祭りは、私自身がドリームアーティスト大志として活動し、「あなたの夢はなんですか」と夢を聞き続けて、それをハンカチに描いてもらい現在までに9万枚の夢ハンカチを集めてきました。さらに夢ハンカチを赤い糸でつなぎ合わせて、大きなドリームアートを作っていく様子を写真と映像で撮り続け、夢の一歩を応援するドキュメンタリー映画「愛ある夢を」を制作している。
2006年には富士山をオブジェにして12000枚の夢ハンカチをつないだドリームリングを富士山の噴火口に巻き、
ヘリコプターを飛ばし、日本中にハッピーニュースを送りました。
2007年には地球をオブジェとして、日本、米国、台湾などでも世界中で１０ヵ所のドリームリングを開催。国と国とが夢ハンカチでつながっていきました。
2008年8月8日(無限大888の日)の富士夢祭りには、富士山の頂上で皇太子殿下からお声をかけられ、
その模様がハッピーニュースとしてNHKや民放から全国放映されました。

特に2011年3月11日からは東日本大震災によって、私自身が4月9日から現地である被災地に入っています。
まだこの時の被災地は、ライフラインは復旧せず多くの人が避難所生活で絶望の中にいました。多くの家が流され、車や電車などもまだまったく撤去もされず、やっと大きな道路が自衛隊によって開通した程度でした。私は、こんな状態からでも人は立ち上がっていくという様子をドキュメンタリー映画として残すため、被害の実態として写真や映像を撮り続けました。福島県の相馬市では中学生が集めた募金で大人たちに日当を渡して、がれき撤去をしていました。子供や妻も生きているのにもかかわらず、家を津波でなくし途方に暮れている男性はこのまま死にたいと言っていました。石巻では現地にいるボランティアの仲間と連携して避難所で100人分の炊き出しもやっていました。特に炊き出しでは、おばあちゃん達と一緒に献立を考えて一緒に食べるので、おたがいに体だけでなく心もあったかくなっていきました。しかし私が被災地に来て本当にやりたいことは夢ハンカチを集めることでした。一緒にご飯をたべて仲良くなった子供たちは、遊び道具も津波で流され退屈そうにしていたため、私は思わず夢をきいていました。「あなたの夢はなんですか」とすると、ペンを渡すとその瞬間に子供たちの目は輝きだし、どんどん夢を描きはじめたのです。その様子を見て、周りにいるお母さんやおじいちゃんや近所の人などみんなで夢をえがいて発表しました。まだ4月の上旬でしたが、このときからいろいろな避難所をまわり、福島県相馬市、宮城県東松島市、石巻市などを中心に子供たちから夢ハンカチを集め続けました。大人たちから直接夢を聞くことはできませんが、子供たちが未来に夢を描いたとき、周りの大人たちも目が輝きます。こうやって「心の復興」ということを実践する形で写真と映像を現在も撮り続けています。
このように被害の実態として風景や人の表情を撮っていくだけでなく、夢ハンカチというツールを使って、私たち自身が精神面におけるケアを支援する市民活動団体でもありました。そこで富士夢祭りはもうすでに年に一度のお祭りだけでなくなっていったため、とくに東日本震災後の日々の活動を「いのちのまつりプロジェクト」と名称をつけました。一人ひとりの心の扉をひらくこと、夢と希望をいだくことがいのちを輝かせる事になるのです。

7年前からすべてをドキュメンタリー映画にしようと思い、夢ハンカチを集め始めた2005年から現在までずっとドキュメンタリーを撮り続けています。それを編集し、夢の一歩を応援するドキュメンタリー映画「愛ある夢を」制作中です。現在毎月被災地へ出向く交通費などは、周りの仲間たちからの支援金か実費で活動をおこっております。さらに夢ハンカチも無料で渡す挑戦をしていますので、今回、ドキュメンタリー映画の制作活動費がいただけると本当に助かります。よろしくお願いいたします。

無