設立発起人である渡辺純子は30年前、子育て真っ只中の時代、安全・安心な食品を手に入れたかったため、生活クラブ生協に入りました。せっけん運動や生産から廃棄までを生活者として責任を持つ、というような活動の中、「ﾜｰｶｰｽﾞｺﾚｸﾃｨﾌﾞ」という女性の働き方が生協側から提案されました。
「欲しいと思うサービスが地域になかったら、自分たちの手で地域に作る」「資金と、働く意思をもって参加する、参加者の関係は雇用関係でなく対等」「意志が反映される少数民主主義」「家庭の中で女性が担ってあたり前の仕事を、社会に引きずり出し、正当な評価と対価を得る」
　そして、25年前安全な食材を使って作る弁当屋、添加物のないパン屋、流通に乗りにくい豆腐・鮮魚・地場野菜を商うお店の3つのﾜｰｶｰｽﾞが設立され、渡辺は弁当屋のﾜｰｶｰｽﾞに参加しました。毎日店に立つうち、「高齢になっても病気になっても、必要な時食事が手に入るシステム」が町に必要だとせつに思い、高齢者のための配食サービス「食事サービス加多厨」設立に至りました。
　草創期の半年は東京都の助成をもらうための実績を積む時期でした。時間給もほとんど出ない状態でしたが、自分とは違う他人の考えに戸惑ったり、時にはぶつかりあったり、学び、議論し、「八王子の高齢者の食事は私たちがなんとかしなきゃ」と気概に溢れていました。
幸い、1996年8月に東京都の助成が得られたくさんの人の助けがあって、おととし9月に20周年を迎えることができました。
　2004年にはNPO活動として手づくりの会が発足し、寄付していただいた着物地などから、洋服やバックその他の手芸品を作り、年に1度の展示会で売り、その収益の1部を毎年、加多厨に寄付しています。
　2010年には日々の困りごとを担うサポート隊を発足させ、草取りをはじめ、網戸の張り替え、家事援助など年間50件以上の依頼があります。
　
その日にお届けするお弁当は、その日の朝から調理し、180食前後の数をお昼に見守りも兼ね1軒1軒、配達します。誰もが住みやすく幸せに暮らせる街であるために、日々邁進しております。

前年度から引続き理事長になりました牧野洋子は豆腐・鮮魚・地場野菜の商いをしていた菜祭という、ﾜｰｶｰｽﾞに10年携わり、加多厨にはアルバイトを経てスタッフになり９年目となります。
　

1.配食事業
スタッフ1１名・アルバイト８名・ボランティアで安心・安全なお弁当をお届けするために一同邁進しています

201７年度　目標　1日平均170食　営業日数30３日　利用会員拡大計画　５０世帯　配達区域（八王子市町田街道の東側、甲州街道の南側、および長房房団地）

◎地域包括支援センター、介護サービス事業所、民生委員の方への働きかけ、日々の配食、高齢者の　集い、地域会食会の受注のための営業をする
◎チラシ撒きを継続し利用会員の増加をはかる
◎経営者としての自覚と責任を高めるために研修会を開催する
〈調理部門〉
安全な食材を使用した家庭的なお弁当作りに、より一層努力します
◎新しいメニューの開発
◎衛生管理の徹底
◎調理作業の効率化への取組み
◎調理講習会を開きスタッフ、アルバイトの技術向上をはかる
◎環境に配慮して、石鹸を使用し、ごみの削減に努力する

2.NPO活動
会員の多様な場をつくります
◎ふれあいを大切にした食事会を開催
◎正会員・賛助会員・アルバイト・ボランティアの方々との交流会開催
◎会員の配食以外の要望に応える「サポート隊」の活動
◎サークル活動としての「てづくりの会」の活動

3.広報活動
◎正会員・利用会員・及び賛助会員の架け橋となるよう、「加多厨だより」を季刊発行
◎ホームページの活用

4.行政と関連団体との協力
◎八王子市の高齢者福祉サービスの充実のために、利用者及び実際に携わる者の声を集め政策提案をし、予算要望をする
◎安心して暮らせる街づくりを目的に関連団体とネットワークしていく
◎新しい働き方を作るﾜｰｶｰｽﾞ運動をすすめ、食事サービスの立ち上げや新たなﾜｰｶｰｽﾞの設立を支援
◎社会適応訓練協力事業所として訓練生の受け入れ
◎見学や実習生、体験学習の受け入れ

5.学習会、研修会への参加
◎スタッフの知識や能力向上のため、学習会、研修会に参加します
◎NPO活動の発展を目指して、他のﾜｰｶｰｽﾞやNPO団体の見学や交流を行う

食事サービス加多厨は創業２２年目となります。長きにわたり築き上げてきた信頼と社会的な評価を広報活動や営業活動に活かし、配食数拡大に努めます。今後も地域に必要とされる事業としての配食サービスを継続するために、事業の安定化を進めます。八王子市の助成を受けた非営利活動事業として、行政や高齢者あんしん相談センター、民生委員の方々と連携・協力するとともに、地域の交流を深め、連携をはかります。

食事会の企画をたて、利用会員の方々とのふれあう機会をつくることにも意欲的に取り組んでいます。今年５月には東京薬科大学内にある『薬草園』見学しました。参加された方より大変好評いただきました。

（有限責任事業組合）東京ﾜｰｶｰｽﾞｺﾚｸﾃｨﾌﾞﾌｰﾄﾞﾊﾞｽｹｯﾄに所属し、食材の共同仕入れを行っている。
東京食事サービス連絡会の活動に参加しています。
通所授産施設『まゆだま』の資源回収に協力しています。

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