代表者自身（五十嵐）が、前科三犯の元受刑者であり、約２０年の受刑生活の中でキリスト教の信仰を機に自分の罪を心から悔い改め、２４時間体制の高齢者・認知症・身体障害者等の介護ボランティアの実践をしてきた。当時の体験をもとに、矯正施設にいる人々の更生支援、社会復帰支援、いじめ、虐待、自殺などの問題との取組を目指し、実の兄弟姉妹のような絆を築くことを目的にマザーハウスを設立した。全国の刑務所・拘置所に出向いて受刑者と向き合い、社会復帰の支援を続けている。

「マザーハウス」は受刑者（刑務所）、未決者（拘置所）の支援者（弁護士、文通している方、宗教関係者等）から日常的に支援要請を受けている（現在約５０人）。通常、受刑者に対しては文通で対応し必要に応じて現地で面会している、また未決者には文通と拘置所での面会を行っている。文通は主にマザーハウススタッフの他、20名以上の文通ボランティアの協力を得て実施している。その際には「あなたを決して見捨てない」「あなたは一人ではない」ということを強調し信頼関係の構築を行っている。
　その上で、出所時はマザーハウス代表が現地に出向き面談を行い今後の方向性について話し合いをする。次いで、生活保護申請にスタッフが同行し、住居の確保を行い生活の基礎作りを行う。
　そして、社会復帰への最大のポイントである「心のケア」プログラムを行う。「自分を捉え直しているか？」「罪を犯したということを自覚しているか？」といった意識の醸成を促し、社会生活への心構えを身につけてもらうことを目的に臨床パストラル教育研究センターの協力のもとで実施する。就労支援の一環として本プログラムを実施する理由は、「犯罪者の大半は就労者であり、仕事をしても罪を犯す（仕事をするだけでは効果的に再犯率を低めることができない）」（五十嵐）からである。
また、地域社会における元受刑者の社会復帰の実現可能性を高めるために、修復的司法の思想に基づいた取り組みを「心のケア」プログラムに導入する。加害者・被害者・地域社会による解決が彼らを心から地域社会に迎えることに繋がり、赦しを受け地域社会の一員として生活していくことが彼らの真の贖罪、犯罪からの卒業に導くことになる、との信念からである。
その上で、就労に向けたジョブトレーニングに移行する。具体的には、コーヒー豆焙煎作業（インターナショナルＶＩＰクラブ協力）、清掃作業（簡易旅館協力）、遺品・家財道具回収作業（行政、不動産業者等からの依頼による）、等を行う。実施に当たっては先ずマザーハウススタッフが協力先にて作業内容を習得し要支援者に指導する。最終的に自立に結びつける。

インターナショナルVIPクラブ　　　珈琲豆焙煎・販売事業協力
一般社団法人　結YUI　　　　　　　簡易旅館での清掃委託

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