当法人では、就労継続支援事業（Ａ型・Ｂ型）として障害者にクリーニング軽作業に従事して貰っているが、１．通常の労働者と変わらない待遇の確保と、２．通常の労働者と変わらない労務管理をモットーとしている。

１．通常の労働者と変わらない待遇の確保
　当法人は、障害者について、「障害者として社会から支援を受ける側から、納税をし社会保険料を負担するなど、社会を支える側になって欲しい。」と願っている。そのためには、しっかりと生活できるだけの収入を得ることが必要不可欠である。
　そのためＡ型利用者に対しては、神奈川県の地域別最低賃金（868円）を保障しており、１人として減額特例等は受けていない。また、原則として勤務時間は9:00～17:00（＝実労働時間7時間）であり、大半のＡ型利用者には月額13万円前後の賃金を支給している。これに障害基礎年金を加えれば、彼らが生活を営むことができると考えている。
　また、Ｂ型利用者に対しては、月間工賃として平均約３万円を支給している。生活できる十分な額とは考えていないが、この水準は平均的なＢ型事業所の工賃額よりも圧倒的に高い（全国平均工賃14,190円　出典：厚生労働省　平成24年度工賃（賃金）の実績について）。今後は、障害者１人１人の特性等も見極めながら、できる限りＡ型への移行も進めていきたいと考えている。

２．通常の労働者と変わらない労務管理
　過度に障害者という意識を持って接するのではなく、各人の障害特性に配慮しつつも、通常の労働者と変わらない労務管理を基本としている。
　具体的には、日々の作業の段取り等についても、作業工程ごとに組織された各チームにその立案を任せている。もちろん、彼らに任せっぱなしにはせず、サービス管理者に対してその内容を報告させており、内容に問題があれば適切な助言等を行っている。
　また、民間企業と同様に、予実管理（コスト管理）も行っており、障害者自身に予算と実績の報告をさせている。目標を達成したときに、本当に嬉しそうに報告をしてくれる姿を見る度に、「彼らができること勝手に決めつけないことが大切である」ということを実感している。

理事長

たけもと のぼる