専務理事を務めるお好み焼きの千房の中井社長と落語家の桂福團治師匠が関西の演芸文化のために何か行動を起こそうとしたことがきっかけ。

現代は、物質的な豊かさほどには、心の豊かさを感じることができず、人々の心に余裕がありません。昔の家族や地域の人々との間には、心を通わせる温かな笑いがもっとたくさんありました。この笑いが心にうるおいやゆとりを持たせていました。

笑いとくれば、やはり、演芸です。大阪には昔から笑いの文化が根付いていました。笑いの中には、ただ笑わせるだけではなく、人情をほろっとさせる芸もあります。しかし、最近はテレビに頻繁に取り上げられる一部の芸だけが注目され、長年の歴史の中で培われてきたその他の素晴らしい芸が見向きもされなくなりました。

その結果、こうした芸は披露される場が限られてきて、私たちも観る機会が年々減少してきました。このままでは、人情やユーモアといった感性の土壌である真の演芸文化が途絶えてしまいます。

そこで関西演芸推進協議会では、芸を披露する場を増やすことで、芸の研鑽を後押ししていきます。芸は練習して本人の努力で磨くことはもちろんですが、やはりそれをお客さんの前で披露しないままでは伸びません。客席の反応を常に意識する真剣なやりとりがあるからこそ、大きな成長を得られるものです。

また、よりよき鑑賞者を育てていく事業にも力をいれていきます。演芸というのは、演じるものと鑑賞する者の双方の関係があって成立するものです。まずは、生の舞台を鑑賞する機会を増やすなどして演芸文化に興味を持ってくれる人を増やし、さらに各演芸についてより深く学ぶための機会を設けることで、演芸文化を盛り上げる人々を増やしていきます。

このような事業を通じて、上質な関西の演芸文化を普及し、次世代へ継承していくことを目的としています。
また「商は笑にして勝なり」という言葉があるように、商売と笑い（演芸）は深いつながりがあります。演芸文化を盛り上げることは、関西の活性化につながります。それは、日本全体を明るくすることにつながっていき、ひいては私たち国民の暮らしも豊かになるというものです。

☆活動実績
2006.12月　発起人会
2007.10月　ＮＰＯ法人格取得

・笑らいぶ（落語・漫才・浪曲等の演芸ライブ）の開催（2007.5～　年１、2回）
・商店街への出前寄席（大阪市商店会総連盟との協働事業、約20商店街）の開催（2008年、2009年）
・芸術祭賞がやってきた（一龍斎貞水さん（人間国宝）の怪談）の開催（2010.8月）
・演芸文化に関する勉強会（講談、浪曲、３Ｄ落語）の開催（2009年～）
・演芸や笑いに関する講演会等の開催（2008年～）
成瀬國晴先生（イラストレーター）、木津川計先生（上方芸能発行人、大学教授）、徳田博丸氏（吉本新喜劇放送作家）、林幸治郎氏（ちんどん通信社代表）、難波利三先生（直木賞作家）、田中宏幸氏（吉本興業執行役員）、中井宏次氏（ＮＰＯ法人健康笑い塾）、林千代先生（放送作家）など
・関西演芸しゃべくり話芸大賞の開催（2012年～）
・笑育ワークショップの開催（2012年～）
・商店街や地域イベントへの演芸ライブの企画協力（2007年～）
大阪城にぎわいフェスティバル、御堂筋オープンフェスタ、大阪あきない祭りなど

・笑らいぶの開催
生の演芸を鑑賞する機会を増やし、今まで演芸になじみのなかった人にも観てもらう。

・演芸イベント等の企画協力
地域や商店街のお祭りといったイベント等に対して、演芸コーナーの企画・運営といった協力をすることで、地域活性化を図ると共に、生の演芸を鑑賞する機会を提供する。

・関西演芸しゃべくり話芸大賞の開催
演芸文化の普及と次代への継承のために、真に話芸に秀でた芸人を発掘するためにコンテストを開催する。

・学校への笑育（しょういく）ワークショップ
小学生に笑いとコミュニケーションを学んでもらうという内容で若手の漫才師と司会進行役の３人で子どもたちを巻き込んだワークショップを開催する。

・勉強会等の開催
よりよき鑑賞者を育て、演芸文化を盛り上げてもらうための勉強会を開催する。

・大阪市商店会総連盟（大阪市の商店街の団体）
商店街の空き店舗を利用した出前寄席を開催（2008年、2009年）
商店街の活性化と生の演芸を鑑賞する機会を増やすことを目指して、大阪市内商店街約２０カ所で漫才等の出前寄席を開催

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