現代の子どもたちをとりまく環境は大変に厳しいものがあります。学校での「いじめ」などをはじめとした、子どもが被害者になってしまう、逆に子どもが加害者になってしまう痛ましい事件・事故が連日のように報道されています。受験競争の低年齢化、広がり続ける格差、子どもに関する凶悪事件が報道されるたびに強化される監視社会が子どもたちの「居場所」=「さんま」（時間、空間、仲間）を奪い続けています。そして、子どもたちだけではなく、人々が、高度に個と個に分断され、社会全体が「いじめ社会」、「すべり台社会」となってしまった今、多くの若者、大人、高齢者の「居場所」=「さんま」も奪われている、と言えるでしょう。「『居場所』がないのはあなたにコミュニケーション能力がないからだ」、「いじめを受けるのはあなたの頑張りが足りないからだ」というように、問題の原因を個人に帰す風潮も目立ちます。しかし、私たち人間が他の人との関係の網の目の中で生き、育つ存在であることを考える時、問題は私たち自身の「能力」にあるのではなく、私たちを取り囲む社会環境の方にあるのは明らかです。
　現代の子どもたちには「個」を確立できる「居場所」がない、とも言われます。しかし、子どもたちにとっての「居場所」とは完全に他の人から孤立した「個」として存在する所謂「プライベート空間」のことではなく、時間・空間・仲間の三つの「間」＝「さんま」がそろった関係の網の目のことです。分断された個としての頑張りと競争が子どもたちに、そして私たち大人にも強要される今、社会全体に必要とされているのは関係の網の目としての「居場所」=「さんま」なのだと思います。
私たち「さんまクラブ」の活動目的は、奪われつつある「さんま」を地域の子どもたちや大人たちに提供し、仲間を繋げ、より多くの人々が喜びを持って共に認め合いながら生きるための「居場所」を作り出すことです。「さんまクラブ」は2013年度から小学生への「さんま」の提供を中心とした「土曜さんまクラブ」などの活動に任意団体として取り組んできましたが、このような活動に地域の多くの子どもたちが集まってきてくれている様子を見ると、ますます子どもたちに「さんま」を提供することが必要だ、との思いを強くせざるを得ません。私たちは学童・児童館事業を行うことによって、さらに多くの子どもたちに、ほっとできる「さんま」を提供するために活動します。
同時に子どもを取り巻く環境の問題は、家庭や地域が抱える問題でもあります。私たちの事業はより広い視野とアプローチを必要としています。子どもの「居場所」が同時に、家庭や地域の「居場所」になる。子どもたちの声がしっかりと地域社会に届くことこそが社会全体の「さんま」の回復につながると考えています。私たちは、この考えにしっかりと立ち、学童・児童館事業を含めた子どもに関わる事業に加え、食品加工や有機農法の研究を含めた農園事業などの事業に取り組みます。このような事業を足掛かりとして、子育て支援や若者や障がい者の雇用の創造、弱く小さくされた人たちの支援などを通した地域活性化までをも視野に入れ、地域社会へ「居場所」=「さんま」を提供するように取り組んでいきます。

１．児童館事業
①土曜さんまクラブ（毎週土曜日１３：３０～１６：３０、第1土曜、8月は夏休み）
　週末の子どもの遊び場提供事業
②ヒロシマ・イワクニ平和スタディツアー
　8月に小学校高学年以上の子どもを対象に平和スタディツアーを実施
２．放課後学童クラブ事業
①放課後さんまクラブ（毎週水・金、放課後～１７：３０まで、8月は夏休み）
　放課後の子ども達への遊び場提供事業
②夏休みさんまクラブ（月～金、８：３０～１６：００）
　長期休みの子ども達への居場所の提供事業

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