特定非営利活動法人自然と人間環境研究機構

基礎情報

団体ID

1434444236

法人の種類

特定非営利活動法人

団体名(法人名称)

自然と人間環境研究機構

団体名ふりがな

しぜんとにんげんかんきょうけんきゅうきこう

情報開示レベル

★ ★

第三者認証マーク

団体の概要

 当法人は、大学や公立機関の研究者・OBや宍道湖漁協の組合員などからなる、現場に詳しい専門家の集団です。宍道湖・中海と島根県内の河川などを主な活動の場として調査研究や環境学習を行っています。
 宍道湖のヤマトシジミ、中海本庄水域の魚類、島根県の河川に生息する魚、水草やヨシ、自然再生など水環境の課題と問題について調査研究をしています。
 調査研究で得られた結果をもとに、学校や公民館など地域の皆様とともに、環境学習を行っています。川に入ってタモ網で魚をとる、作った釣竿でゴズを釣って調理して食べるなど、実体験を通して生き物に親しみ、環境についてみんなで考えるような活動をしています。
 新型コロナウイルス感染のため現場調査を一時中止しましたが、令和3年度から再開し、島根県の河川魚類調査と宍道湖のトンボ類の現場調査などを行いました。今年度も引き続き河川魚類調査と、宍道湖のトンボ類の激減に関係する調査などを行なう予定です。

代表者役職

理事長

代表者氏名

石飛 裕

代表者氏名ふりがな

いしとび ゆう

代表者兼職

主たる事業所の所在地

郵便番号

690-0815

都道府県

島根県

市区町村

松江市西持田町

市区町村ふりがな

まつえしにしもちだちょう

詳細住所

200番地

詳細住所ふりがな

お問い合わせ用メールアドレス

-

電話番号
(公開用電話番号)

電話番号

0852-26-7584

連絡先区分

事務所・勤務先

連絡可能時間

9時00分~16時00分

連絡可能曜日

月 火 水 木 金

備考

FAX番号

FAX番号

-

連絡先区分

-

連絡可能時間

-

連絡可能曜日

-

備考

-

従たる事業所の所在地

郵便番号

都道府県

市区町村

市区町村ふりがな

詳細住所

詳細住所ふりがな

URL

団体ホームページ

団体ブログ

Facebook

X(旧Twitter)

代表者ホームページ(ブログ)

寄付

ボランティア

関連ページ

閲覧書類

設立年月日

2009年1月17日

法人格取得年月日(法人設立登記年月日)

2009年5月14日

活動地域

複数県

中心となる活動地域(県)

島根県

最新決算総額

100万円~500万円未満

役員数・職員数合計

7名

所轄官庁

その他

所轄官庁局課名

松江市
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活動概要

活動分野

主たる活動分野

 

教育・学習支援、地域・まちづくり、環境・エコロジー、科学技術の振興、行政への改策提言、学術研究(理学)、学術研究(複合領域分野、その他)

設立以来の主な活動実績

【調査研究関係】
・島根県河川魚類調査(平成21~30・令和1・3~5年度)
・採苗ネットによるシジミ稚貝採集解析(平成21~26・令和1・3~5年度)
・宍道湖のトンボ類の調査(令和3~5年度)
・研究論文「宍道湖における定置網による魚類と甲殻類漁獲量の長期変化」(2023)
・研究論文「島根県邑南町の水田周辺に生息するアカハライモリの生態学的調査研究(1~6)」(2016・2017a・2017b・2019・2020・2021)
・研究論文「森山堤防開削が中海本庄水域の水質及び水生動物相へ与えた影響」(2020)
・宍道湖のトンボ類とエビ類の30年余にわたる長期的な変動の調査(令和2年度)
・大きい宍道湖シジミを増やそう-漁獲サイズシジミの成長調査(令和元年度)
・研究論文「宍道湖におけるヤマトシジミの幼生加入と成長速度に及ぼす塩分の影響」(2016)
・出雲ウナギを増やそう-聞き取り調査(平成27年度)
・中海本庄水域の魚類調査(平成 21~25年度、27年度)
・シジミの殻長解析(平成25年度)
・シジミのカモ捕食圧調査(平成24年度)
・宍道湖・中海底質に係る文献等収集・整理(平成24年度)
・研究論文「宍道湖・中海水域の水産業振興に向けた調査研究等の課題」(2011)
【環境学習関係】
・中海・宍道湖周辺の幼稚園児・小学校児童との環境学習協力(平成26~30・令和1・4・5年度)
・中海・宍道湖・流入河川の環境・生息調査(平成24・25年度)
・斐伊川水系水辺調査(平成25年度)
・啓蒙書「中海宍道湖の科学」の出版(平成25年度)
・環境省生物多様性保全に係る地域対話参加(平成22年度)
・島根県ラムサール5周年記念展示参加(平成22年度)

団体の目的
(定款に記載された目的)

 淡水化問題で揺れ動いた宍道湖・中海汽水域では、これまで水質保全の多くの調査研究が実施され、全国に先駆けて沈水植物・魚類・鳥類など湖沼生態系の研究や、湖沼の富栄養化を促進する外国からの越境汚染の研究が行われてきました。今では民間にも現場に詳しく調査方法に習熟した人材が育ち、民間・公設研究機関・大学などを結ぶ研究ネットワークができ、独自の生態長期モニタリングも行われています。これらの人々と、自然と人間がともに関係する環境の諸課題について、Think Globally, Act Locallyの観点から、学術的研究と実際の施策をつなぐ現場重視の調査研究を実施し、成果を広く国内外に伝え、環境保全と科学技術の振興に寄与し、地域住民等の公共の福祉に貢献することが、私たちのNPO法人の目的です。

団体の活動・業務
(事業活動の概要)

【定款第5条より】
・水圏、地圏、大気圏の自然環境の科学的な調査研究事業
・水圏等の自然環境に及ぼす人為影響の科学的な調査研究事業
・水圏等における持続可能な自然と人間環境の科学的な調査研究事業
・上記事業を踏まえた子供をはじめとする自然環境学習、環境保全教育事業
・上記事業に関連するまちづくり・地域づくりの協力事業
・上記事業に関連する国際協力事業
・上記事業の成果の報告、広報事業
・その他、関連する事業

現在特に力を入れていること

【活動成果の社会還元】
 これまで調査研究と環境学習の活動を行い、これらの活動成果をホームページで公表してきました。令和2年度の『宍道湖のトンボ類とエビ類の30年余にわたる長期的な変動の調査』により、宍道湖のトンボ類が激減したままであることが分かりました。令和3~5年度の現場調査で激減を確認したので、引き続き関連する調査を進める予定です。
【水辺の環境学習】
 子どもさんを対象とする環境学習を、毎年継続したいと考えています。環境学習は、地域社会といっしょに行う活動なので、園児・児童や住民の皆様が楽しく無理なくできるよう、幼稚園・小学校・公民館と密接な関係を保つよう努めています。

今後の活動の方向性・ビジョン

 島根県の宍道湖の30年を概観すると、汚濁指標のCODはほとんど変わりませんが、近年、水草が増加しています。また、ある種の水生生物がいつの頃からか見られなくなりました。以前ほど獲れなくなった魚類もあります。これらのことを心配しているのは、一部の研究者と湖で生計を立てている漁業関係者です。私たちのNPOには、長期にわたり宍道湖を見ている会員がいます。水環境や内水面漁業だけでなく、宍道湖を取り巻く農業なども含めた環境変動から、この生態系の歪みの要因を突き止めたいと考えていました。
 2019年11月の学術雑誌Scienceに、ネオニコチノイド系殺虫剤農薬の使用が始まった1993年以降、宍道湖の動物プランクトンと底生動物が急減し、翌年以降にはある種の漁獲が減少したという論文が公表されました。2019年12月18日の毎日新聞には、時期を同じくして宍道湖のトンボ類が激減したことも報道されました。蜜蜂などの昆虫類に影響するこの農薬は欧米では一部のみ認可されています。分解性が低いので、水田から流出し宍道湖の水生昆虫類と甲殻類を激減させ、ある種の魚類に影響したことは十分に考えられます。
 2020年度の島根社会貢献基金の追加助成を受け、「宍道湖のトンボ類とエビ類の30年余にわたる長期的な変動」の調査を行ないました。宍道湖で生息するトンボ類のウチワヤンマは1994年からの数年間の激減と同様に確認できず、同じくテナガエビなど汽水性のエビ類は1995年以降、激減したことが確認されました。
 その後、宍道湖漁協に保存されていたマス網漁獲全資料を使用させて頂き、Science論文に記載されていた魚種を含む8種の漁獲量の30期の長期変動を見たところ、底生動物を餌とする4種の漁獲量の1995年度以降の激減が確認され、陸水学雑誌に掲載されました。更に、宍道湖トンボ類の現場調査を2021年から3年間継続したところ、ウチワヤンマだけでなくナゴヤサナエの激減も確認されました。
 普通なら、この問題に対し環境漁業農業サイドから、例えば、水域におけるこの殺虫剤の濃度測定など、より詳細な調査研究が始められますが、関係する部局の動きはありません。将来の日本の水環境、内水面漁業、衰退しつつある米作農業のため、広い観点から早急に現状を把握する必要があると思います。弱小のNPOですが、社会奉仕として少しでもお役に立ちたいです。

定期刊行物

団体の備考

 私たちのNPO法人は、産官学民の幅広い人材から成る専門家集団です。環境イベントや環境教育の事業を行うNPO法人が多い中で、多分、全国にも数少ない環境問題の調査研究を目的とする法人です。大学などの環境の学術的研究と、行政が行う環境対応施策をつなぐため、大気圏、地圏、水圏の現場における具体的な知見の集積や、得られた成果を分かりやすく提供するための環境学習分野での活動などを行っています。
 メンバーの多くは、長期間にわたり宍道湖・中海などの調査研究に従事し、成果を学術論文や啓蒙書で世に公表してきました。現地調査の経験も豊富で一通りの調査機材も準備しており、湖沼調査などを効率よく実施でき、事業実施では有効な予算使用ができます。松江市を拠点として活動しているため、宍道湖・中海や近在の河川の異常などを確認すれば臨機応変に調査が実施できる強みがあります。
 多分野の専門家を擁しているので、多面的な観点の調査や環境学習、関係機関とのスムーズな連携も可能です。
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協働実績

助成金・補助金・物品等、他の組織から受けた支援の実績

・島根県;しまね社会貢献基金活動支援金(令和5年度)
・中国ろうきんNPO寄付システム;NPO助成金環境保全分野(令和3年度)
・島根県;しまね社会貢献基金活動支援金(令和2年度)
・中国ろうきんNPO寄付システム;NPO助成金環境保全分野(令和元年度)
・島根県;しまね社会貢献基金活動支援金(平成31年度)
・中国ろうきんNPO寄付システム;NPO助成金環境保全分野(平成28年度)
・アサヒビール(株)山陰支社;宍道湖の環境保全事業助成金(平成27年度)
・公益財団法人しまね自然と環境財団;しまね環境保全活動助成金(平成24・25年度)
・中国ろうきんNPO寄付システム;NPO助成金環境保全分野(平成21年度)

他のNPO・市民活動団体との協働、他の学協会との共同研究・協働の実績

・宍道湖魚類研究会(平成21~23年度)

企業・団体との協働・共同研究の実績

・宍道湖漁業協同組合(平成21~26・令和1・3~5年度)
・(株)カナツ技建工業(令和5年度)
・島根県環境保健公社(平成21・25年度)

行政との協働(委託事業など)の実績

・島根県自然環境課(平成21~30・令和1・3~5年度)
・島根県水産課(平成27年度)
・島根県水産技術センター(平成24・25年度)
・島根県環境政策課、鳥取県水・大気環境課(平成24年度)
・環境省中国四国地方環境事務所(平成22年度)