2015年の創業以来、途上国のソーシャルビジネス事業化支援として、バングラデシュ、ブータン、ケニアで3事業、社会起業家を支援するプラットフォームとしてバングラデシュでLINKを立ち上げた。
バングラデシュでは、住友化学(株)が開発した長期残効型防虫蚊帳オリセットネット（WHO推奨）の小売りビジネスを立ち上げた。蚊や害虫による感染症被害が深刻な農村深部・スラム地域への販路開拓の為、大型NGO TMSSと連携し、同NGOのマイクロファイナンス(MF)拠点をチャネルとして活用するモデルを構築した。16年1月に実施した簡易社会インパクト調査では、90%が蚊や害虫の感染症被害から守られていると感じ、100%が購入に満足、90%が友人隣人に推薦していると回答。高価格分の価値訴求の為のブランディングやオペレーションに課題は残るが、販売開始(15年3月)から10カ月で1,136枚を売り、生活改善に貢献している。
ブータンでは農家の所得向上を目指し、岐阜県の中小企業(株)ハルカインターナショナルのきのこ生産事業化に向けた調査を行った。同国では経済成長に取り残される小規模農家、出稼ぎに出た男性に代わり農業を担う女性農家の救済が課題だ。政府は国策で有機農業をあげ、現金作物の導入で農家の所得向上を図る。ハルカ社のきのこ栽培は、低コスト・高生産性を誇り、同国で現在主流の原木きのこ栽培に比べ軽労働の為、農家の収入向上・女性の社会進出を促す。同国政府系投資機関、農業省、農家組合をパートナーに事業構築を進め、15年3-9月には現地パイロット生産に成功。
ケニアでは小規模農家の収入向上を目指し、ロート製薬(株)と事業化に向けた調査を行った。就労人口の6割が農業に従事するが、農家の多くは季節性による不作、中間業者による買い叩き、保存施設の不足よる廃棄農作物などの課題を抱えている。ロート製薬の技術・マーケティング力を生かし、余剰・廃棄農作物を用いた自然派スキンケア・ヘアケア商品の開発・生産・販売を通じて、農家の生活向上を目指す。
また、途上国発の社会起業家を日本との連携で支援する取組みとして、バングラデシュで社会起業家支援プログラム LINKを立ち上げた。15年11月～12月に5分野(農業、エネルギー、医療、教育、ICT)で活躍するバングラデシュの社会起業家を募集し、34件の応募を受領。安心安全な農作物のサプライチェーン構築・小売り事業、ヒ素除去装置を農村でフランチャイズ展開するビジネス、高校生起業家のオンライン教育プラットフォーム事業など、有望・有力な社会起業家たちの中から、スマートフォンアプリで同国最大の社会課題である交通渋滞・物流ロスの解消に取り組むGobd(Go BD(Bangladeshと発音)を優勝者として選定した。同社は渋滞状況を把握し、到着時刻を予測してベストルートを提案でいる同国初のサービス。収集したビッグデータで顧客を惹きつけている。優勝者のGobdは2015年2月末に日本での「40 億人のためのビジネスアイデアコンテスト(IC-Net社主催、オリナス協賛)」で事業紹介した。今後当社主導で精密機器、交通管理機器・インフラメーカー、ICT企業、JICA等日本企業・組織と会議を設定し、事業連携を進めていく。

民間企業の途上国での新規事業立上げ支援／途上国社会起業家育成・支援プラットフォームの企画・運営、関連するセミナー、シンポジウムの開催

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