当法人は、2015年4月に訪問看護ステーションを佐賀市に開設いたしました。精神科認定看護師を始め熟練した看護師や作業療法士が豊かな知識と確かな技術で、利用者様がどのような生活を望んでいるのかなどその気持ちを察し、随時、真摯に対話を通して利用者様の意向の丁寧な把握を基に利用者本位のサポートを行っています。また利用者様に安心して頂けるように24時間管理体制で緊急訪問や24時間の常時電話対応も可能です。
　開設当初から同市にある訪問診療に特化した「より添いとたい話の診療所」と連携し、統合失調症や気分障がいの方を中心に当法人の多職種でのチームと協働して、訪問看護サービスの提供を行ってきました。しかし、当時は対象外であった引きこもりの方や発達障害の方など行政をはじめ地域の医療機関からも多様なニーズが寄せられた為、同年11月からチーム編成を行い対象者の範囲を拡大し、からだと心のケアを必要とするすべての方を対象に積極的に利用者様の受け入れを行っています。
　次に、チームのメンバーとして、常態として自身が精神的な病気を併発しながらも社会で主体的に活動しているピアスタッフが在籍し、チームの一員として参画し訪問看護サービスを行っています。これは精神障がい者に対する就労支援の観点からも、当法人の持つ特徴の一つです。
　今後は更なる事業展開に向け、2017年4月に利用者様の対象範囲の拡大を想定した法人名の変更と機能的な事業の運営を兼ね事務所の移転を行ないました。具体的にはリカバリーカレッジの運営や精神面の健康の維持に関しての公開講座などの実施を予定しています。また利用者の増加に対し、インターネットを駆使した利用者様の医療情報の一元化を図ったクラウド型の訪問看護支援システムを導入し、全スタッフに一人一台スマートフォンを配付し、運用を開始しています。このシステムの導入により、訪問看護の利用者の方の情報の閲覧や訪問看護記録の入力などが訪問先からでも随時、可能となりました。入力した看護記録を訪問先と訪問看護ステーションと即時に情報共有ができるため訪問看護の質の向上と、より一層の業務の効率化を図っています。
　当法人は常に”進化”を遂げながら、からだと心のケアを必要とするすべての方の地域生活と社会復帰など今後の”生きる”を念頭に置いた多様な支援を行っていきます。
　私たち一般財団法人　包括型地域ケア研究財団は、訪問看護ステーションの運営を通して更なる社会貢献に努めてまいります。

代表理事

たかつか なおき