平成４年、養護学校現職教員の呼びかけにより、卒業後在宅を余儀なくされる重度の方々のケアを目的とし、また、保護者の方々への相談支援、さらには自由になる時間を作って差し上げたいの思いで、週一回を目安にボランティアグループを結成した。１０年弱の活動期間を経て平成１３年、拠点となる現施設を開設する。この時の基本理念として「障害のあるなしにかかわらず、また、年齢を問わず、困っている人たちが気軽に立ち寄れる場所」をかかげた。平成１３年１月に「たんぽぽ」が開所する。公的な支援がなく、賛同する保護者(利用者)は多く集まったが、すべて自費での利用となるため１０人程度でのスタートとなった。また、成人のデイサービス「はな」も併設した。ぎりぎりまで進路の決まらない卒業生１名を引き受けるための施設となることができた。その後様々な困難もあったが、保護者、職員で協力しながら乗り越え１０年という年月を継続することができた。事業所の利用者は年々増加して、一施設ではとても対応しきれなくなり、２３年１月には、同じ市内に同規模の少人数型児童デイサービス施設を開所した。また、「はな」も小規模できめ細やかな対応が可能な施設として認知され、多様な利用希望者をお預かりするようになった。また、「たんぽぽ」からの変わりない環境をメリットとする卒業生も含め利用者が年々増加し、お断りせざるを得ない状況にまでなっている。

事業の中心は、知的に遅れを持たれた方々のデイサービスになり、現在児童対象として「ぬくもりの里たんぽぽ」「ぬくもりの里第２たんぽぽ」の２施設で展開している。平日は、特別支援学校や、地域小中学校の支援学級に通う児童・生徒の放課後対応、また学校休業日にあっては、大半の利用者の自宅施設間の送迎付きで一日預かりの保育を内容としている。いずれにも付随する送迎サービスは、大きなウエイトを占め、多方面への送り迎えは重要な業務となっている。未就学児の預かり保育も同様で、さらに目が離せない１対１の対応が必要になり、指導員の専門性や人材確保も充実させなければならないことが責務とされる。最近は、このようなサービスを利用することにより、共稼ぎの家庭やパート勤務等、保護者が就労を考えられるようになり、利用者は、年ごとに増加していく傾向にある。また、家庭でもなく学校でもない、そして異なる年齢層の集団社会での活動により子供たちの社会性も培われている事を実感できている。子供たちものびやかに自由に過ごすことができる所だと理解し、にぎやかな笑顔で安心しっきって過ごしているようだ。学校卒業後の障害者支援として日中一時支援「はな」を併設している。「はな」では日常生活を通しての生活訓練や作業訓練などを中心に据え、社会適応能力を個々に合わせて指導し、身辺の自立に必要だと思われる指導にも力を入れている。作業内容は半日を単位に内作業や外仕事を数種類用意し、その日の体調等を考慮して無理なく「楽しかった。」と明日につながるようなペースでゆったりした生活をしてもらっている。比較的若い方々なので、映画鑑賞や旅行などできるだけいろいろな体験を組み入れたいとおもっている。また、屋外での活動を取り入れ社会との関わりを大切にしている。

障がい児のデイサービスをはじめて１３年がすぎ、支援学校を卒業する時期を迎える利用者が毎年増えてきている。通いなれた環境で卒業後の利用が可能にならないかという声も多く聞かれている。当初から使用している施設は民家の賃貸であり老朽化がすすんでおり環境的に難しかった。昨年度から今後の計画を改めて考え、花かご会として今後卒業後の.障害サービスを検討した。その結果、従来からの放課後等デイサービス、児童発達支援、に加え生活介護、就労継続支援B型の多機能型障害福祉サービス事業の計画を推進することにした。現在そのサービスに合った新施設の建築を進める計画を立てている。27年度には事業開始する予定である。

平成２３年に名称を「花籠会」から「花かご会」に変更した。

無

2名