特定非営利活動法人Small Step

基礎情報

団体ID

1545680801

法人の種類

特定非営利活動法人

団体名(法人名称)

Small Step

団体名ふりがな

すもーるすてっぷ

情報開示レベル

★

第三者認証マーク

団体の概要

 医療の発展の中で、慢性疾患を持っていたり、医療処置が必要な子どもたちも、自宅で生活できるようになった。一方、子どもたちが成長し、集団生活に参加しようとすると、病気を理由に断られたり、医療的ケアがあるため親の付き添いを強いられる現状がある。

 先天性心疾患は生まれてくる子どものおよそ100人に1人が持つ心臓の病気で代表的な慢性疾患である。病気や症状の重さは個人により様々で、健康な子どもと変わらない子どももいれば、数回に及ぶ手術を繰り返したり、医療的ケアが必要であったり、心臓に負担をかけないように制限がある子どもおり、病状が多岐に渡り、様々な慢性疾患を代表している。
 先天性心疾患は状態によっては見た目では分からないために、発生率に対する認知度がとても低い病気でもある。認知度が低いために、種々の福祉サービスの対象とはならず、制度の狭間に陥りやすい現状がある。また、社会生活の中で周囲から理解を得られずに肩身の狭い思いをしたり、逆に過度な心配を受けて社会の側から制限を受けることもある。特に、幼稚園・保育園の入園、小学校の入学、中学・高校の入学、就職など、社会の中の節目であるステップが、制度の不足や理解のなさから、病児には大きく感じられ、そのステップを超えるのが困難であったり、つまずいて後の人生にマイナスに響いてしまうことも多い。

このような現状は、心臓病児(医療的ケア児を含む)を対象とした、横浜市障害児地域訓会「横浜こぐま園」での活動を通して、見えてきた課題にある。
横浜こぐま園は週に1度、保育士の協力の下、保護者が主体となって自主保育を行っている。しかし未就園児のみが入園対象であるため、2015年度より対象を小学生までの心臓病児とした任意団体「こぐまハートクラブ」を立ち上げ、月に1度イベントを行うなどして、心臓病児とその家族の調査を行ってきた。
その結果、集団生活への参加制限は、
• 入園拒否の経験がある―14人/26人(就園活動経験者)
• 親と通園している/していた―5人/19人(幼児以上)
• 親と通学している―4人/9人(小学生以上)

 歩行できないなどの身体障害が少なく知的障害もないまたは軽度の慢性疾患を抱えた子どもたちは、当然友だちと遊びたいし、友だちやきょうだいの通う地域の園や学校に通いたいと本人が希望する。しかし、障がい者手帳も療育手帳も持たない子どもたちは、福祉の制度も活用することができない。親が付き添うことで、病気をもった子どもたちの健全な心身発達が阻害され、社会性の乏しさなど二次障害を引き起こすこともあり、成人期に渡って影響が残る。

 一方で、健康問題を抱える児童を預かる園や学校も、複雑な疾患の対応することを危惧することも理解できる。人員配置などの問題、知識の不足、リスクの管理など、様々な子どもが存在する集団の中で管理しきれない課題が大きいのも確かだからだ。

 このような現状に対し、横浜こぐま園やこぐまハートクラブの運営を行ってきた当事者と、ボランティアとして参加していた小児専門看護師、保育士、理学療法士、福祉系大学職員などの専門職が中心となり、直接的な支援を行えるように、NPO法人を立ち上げた。
 以下の3事業を通して、患者と家族、医療機関、行政、教育機関などの間を取り持ち、ステップを小さくする支援を行い、病気の有無にかかわらず、全ての子どもが地域社会の中で孤立することなく育てられるようにし、病児の自立につなげたい。
(1) 病弱児及びその家族を対象とした居場所づくりサポート事業
(2) 病弱児を含む子供を対象とした統合保育所の運営事業
(3) 病弱児とその家族、保育機関、教育機関、行政、医療機関等の連携を支援するための事業

 この支援により地域社会の中で育つ病児が増えれば、先天性心疾患を含む、内部障害児、病弱児、医療的ケア児の認知度も上がり、制度の狭間を埋めていけると考える。また、受け入れる側、預ける側に限らず、それを取り囲む地域全体として、誰もが当たり前に地域で暮らしていけるようなシステムを構築したい。

代表者役職

代表理事

代表者氏名

赤荻 聡子

代表者氏名ふりがな

あかおぎ そうこ

代表者兼職

主たる事業所の所在地

郵便番号

-

都道府県

神奈川県

市区町村

-

市区町村ふりがな

-

詳細住所

-

詳細住所ふりがな

-

お問い合わせ用メールアドレス

mailtosmallstep@gmail.com

電話番号
(公開用電話番号)

電話番号

070-4281-0079

連絡先区分

事務所・勤務先

連絡可能時間

9時30分~17時00分

連絡可能曜日

月 火 水 木 金 土 日

備考

FAX番号

FAX番号

-

連絡先区分

-

連絡可能時間

-

連絡可能曜日

-

備考

-

従たる事業所の所在地

郵便番号

232-0044

都道府県

神奈川県

市区町村

横浜市南区

市区町村ふりがな

よこはましみなみく

詳細住所

榎町2丁目60-4

詳細住所ふりがな

えのきちょう

URL

団体ホームページ

団体ブログ

Facebook

X(旧Twitter)

代表者ホームページ(ブログ)

寄付

ボランティア

関連ページ

閲覧書類

設立年月日

2017年8月8日

法人格取得年月日(法人設立登記年月日)

2017年8月8日

活動地域

市区町村内

中心となる活動地域(県)

神奈川県

最新決算総額

1,000万円~5,000万円未満

役員数・職員数合計

11名

所轄官庁

神奈川県

所轄官庁局課名

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活動概要

活動分野

主たる活動分野

 

子ども、障がい者、福祉、保健・医療

設立以来の主な活動実績

 団体の始源となる「横浜こぐま園」(横浜市障害児地域訓練会)は1977年に活動を開始し、以来40年間、在籍する子供の保護者が主体となって運営を行ってきた。週に一度、教会の一室をお借りして、お集まりや季節の行事など、保育士に頼りながら親子で保育を行ってきた。

 設立当初は、幼稚園などの受け皿がなく、行き場のない親子の受け入れが中心となっていたが、幼稚園・保育園の障害児の受入れが進んだ今でもこぐま園に見学に来られる方の入園率は100%を維持している。現在は、似た境遇にある家族同士が安全に安心して集まれる場所、また、退院後感染の心配などから家で母子で閉じこもる状態から幼稚園などの集団生活へ入る前の準備段階として、こぐま園はその役割を変えつつも、患者と家族にとってかけがえのない場所になっている。

 こぐま園の活動の幅を広げるために、2015年には小学生までの心臓病児とその家族を対象としたこぐまハートクラブを開設。就園・就学に関する病児の問題を調査すると共に、家族同士をつなげる場として毎月1回のイベントは好評である。

 しかし、病児の課題が明らかになるにつれ、現状ではそれを支援するシステムが存在せず、個々で対応するには限りがあるため、共通の問題意識を持った専門職らでNPO法人を立ち上げた。こぐま園とは別団体となるが、NPO法人としてこぐま園やこぐまハートクラブの活動を支援していく。

 NPO代表は心臓病児の母であり、横浜こぐま園の運営、こぐまハートクラブの立ち上げ・運営をおこなってきた。子どもが重度の心臓病と術後の不完全麻痺にて歩行困難であるため、保育園の受け入れが難航し、NPOメンバーとともに行政へ何度も相談に行き、7月から自宅から離れた保育園での受け入れが決まった。当事者としての経験を元に支援システムの構築を開始している。
 理事である小児専門看護師は、小児専門病院での勤務時に、主に小児循環器疾患の看護にあたった経緯がある。現在は大学教員で、横浜こぐま園・こぐまハートクラブの活動に参加し(3年目)、就園を目指した心臓病の子どもと母親に対して、就園・就学の相談に対応。また、家族向けに病気や治療、体調管理に必要な知識を、個人相談を受けたり、集団に向けて講演をしたり、経験談をきく機会を作りをしている。NPO法人の企画運営も中心的に行っている。
 他、小児科病棟勤務経験のある保育士や大学保育科の教員、特別支援学校の教員なども主要メンバーとして、調査や支援システムの構築を進めている。

 また、こぐま園は心臓疾患を対象とした団体であるが、似た状況は、内部障害や病弱児、医療的ケア児にも当てはまることである。NPOを構成する専門職員はこれまで多種多様の障害・病気を対象に勤務してきた経緯があり、この動きについては、疾患名に特定されない形で展開していく。

団体の目的
(定款に記載された目的)

この法人は、先天性心疾患児を含む病弱児が社会生活の中で直面している様々なステップ(困難)を軽減又は解消するための支援事業等を行い、病弱児及びその家族の心理的、肉体的、経済的な負担を軽減して、病弱児一人ひとりの自立を促すことを目的とする。

団体の活動・業務
(事業活動の概要)

「病弱児・医療ケア児の就園・就学、進学就労の支援事業=中間支援事業」をめざして活動している。

〇 病弱児・医療的ケア児とその家族のおかれている現状と課題
 心臓病をもつ子どもたちは、疾患のため、または、酸素を使用しているため、保育園や幼稚園を断られたり、就園・就学に際しても、親の付き添いを依頼されることが多い。子どもたちは、同年代の友達と経験する集団生活や自立の機会を制限され、また、家族においても、仕事辞めざるを得ない母親もおり、親の育児負担が増加している現状や課題がある。
 病気の子どもをもつ母親は、特に子どもが幼いうちは、子どもの体調を第一にする必要があり、フルタイムでの仕事は難しいこともある。そうすると、おのずと保育園入園の優先順位がさがり、幼稚園に入る年代まで待ったとしても、横浜市においては公立幼稚園が存在せず、加配保育士の行政の支援が手薄なため、幼稚園入園を断られるか、親の付き添いを条件とされる。
 小学校においては、横浜市教育委員会が定める支援員制度があるが、一般の方を対象とした有償ボランティアで、1時間当たり500円の謝礼で支援員となっている。専門の知識がないために、疾患の内容によっては、支援員の方が見つからないことも多い。また、付与される時間も、最大105時間/年であり、全く足りていない。
 心臓病児に限らず、小児慢性疾患や医療ケアを抱えた子どもたちと家族も同じ状況にあると考えられ、知的な障害もなく、歩行も可能なため、障害手帳や療育手帳の対象とはならず、制度の狭間で支援を受けることができない。

1.居場所作り支援事業
 このような課題の中、多くのご家族は情報を得ることで解決の糸口を見つけてきた。その中でこぐま園やこぐまハートクラブは大きな役割を果たしてきており、当事者力を上げる場所にもなっている。また、社会を動かすために、病児を取り巻く環境を客観的に調査し、ニーズにマッチした支援を、当事者と共に検討するための場所にもなっている。
 現在こぐま園やこぐまハートクラブは対象児を心疾患に限っているため、より広い疾患層のご家族を対象とした居場所作りを展開し、ニーズの調査と支援の実施を検討していく。

2.保育園事業
 NPOの大きな柱として、企業主導型保育事業に申請し、2018年4月開園に向けて準備を進めている。企業主導型保育園は、企業へのメリットだけではなく、母親の就労形態の多様性を維持でき、子どもの受け入れが可能である特徴を活かすことで、病気をもつ子どもたちを優先的に受け入れることができる。保育環境としても、初めての集団生活や母子分離において、専門職を配置し、健全な母子関係を大切に支援しつつ、子どもはもちろん、親にとっても安全で安心できる環境を整え、新しいことに挑戦する楽しみを感じられるようにする。遊びやお散歩、季節の行事などを通して、家族と離れても、同年代のお友達と共に過ごすことの喜びや乳幼児期に必要な豊かなコミュニケーションをはかれる保育を目指したい。
 そして、安全な集団生活を送れた実績があることは、今後の地域の保育園や幼稚園の移行の際に、子どもや家族にとって自信やメリットになると考える。

3.中間支援事業
 サポートや配慮が必要な子どもたちを受け入れる保育園や学校も、やはり支援が必要である。複雑な疾患を持つ子どもの受け入れについては、知識やノウハウが必要であり、それを伝えるための支援を実行したい。
 ・リスク管理/生活習慣/健康管理シートの引継ぎ:2.の保育事業で保育を行った子供については、医療/保育の両方の観点から普段の保育生活で活用したリスク管理/健康管理や生活習慣を記録し、移行する園に伝える。一般的な引き継ぎシートでは大まかな内容であり、発達や医療的な観点からの引き継ぎは行われていない。これらを客観的に評価し、移行園へとスムーズに引き継げる材料を提供する。
 ・必要に応じて、それまで保育を行っていた保育士も同時に移行園へ派遣する。重複した障害を持った子どもなど、書面や面談のみで引継ぎが困難な園児に関しては、移行園への安全な受入体制が整うまで、数週間~数か月の間、加配保育士として支援員を派遣する。
 ・NPOの保育園を利用しない子どもについても支援員の派遣を行う。特に、幼稚園や小学校など、親の付添を要求されるケースにおいて、支援員を派遣する。
 ・支援員は、一般募集の他に、NPOの保育園を利用する親御さんをNPOで雇用することで、子どもの入園先と親の復職を促す。
 ・専門職により、支援員の研修を行う。また、支援員を派遣している幼稚園や小学校にも巡回訪問として病児の受け入れ支援を行う。
 ・随時行政にの情報発信と実践例、ノウハウ、その効果の報告を行い、行政を巻き込んだ支援システムを構築していく。

現在特に力を入れていること

1.居場所づくり支援事業
 こぐま園やこぐまハートクラブの運営サポートは引き続き行っている。
 また、新たな居場所として、病弱児、内部障害児、医療的ケア児を対象とし、神奈川県立こども医療センターのほど近くに位置する患者家族滞在施設「リラのいえ」にて、月に2回の「リラママカフェ」を2017年9月からオープンした。病院の近くに位置するので、入院中の付き添いをしている母親の休憩場所として、また外来帰りに気軽に利用できる。病児の親同士情報交換したり、病児のママによるエステを受けることができ、疲れを癒す場所としても利用することができる。
 さらに、2018年4月以降には、会員制のコミュニティを形成したく、準備を進めている。保育園が休園となる土日祝に保育園の場所を貸し出し、障害児や子供を対象とするグループや地域活動を行うグループの相互交流が図れるようにする。

2.保育事業
 現在は、内閣府主導の企業主導型保育事業の整備費を申請し、2018年4月開園に向けて準備を進めている。幼稚園や認可保育園など大きな集団となる前の練習のとなるよう、定員は12名と小規模にし、1歳児と2歳児のみを対象とする。3歳児以降は中間支援事業にて、地域の園への移行を進める。常時看護師を配置するため、健康な子も病気のある子も入園が可能。インクルーシブな保育環境を目指す。

3.中間支援事業
 現在、NPOメンバーが横浜市教育委員会の支援員制度を利用し、病弱児の就学について調査を行っている。2018年度は、さらに対象者を増やし、病弱児・内部障害児・医療的ケア児の就学に関して調査を行う。
 また、保育園にも病弱児・内部障害児・医療的ケア児の入園を促し、園生活を送る上での課題などを調査する。

今後の活動の方向性・ビジョン

定期刊行物

団体の備考

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協働実績

助成金・補助金・物品等、他の組織から受けた支援の実績

2017年8月-神奈川労済生協 子どもいきいき助成-中間支援事業人件費・広報費補助として300,000円の助成

2017年8月-公益財団法人大同生命厚生事業団-居場所作り事業補助費として100,000円の助成

2018年9月-公益財団法人日揮社会福祉財団-保育園事業整備費補助として200,000円の助成

2017年9月-内閣府主導の企業主導型保育事業の整備費を申請中。

他のNPO・市民活動団体との協働、他の学協会との共同研究・協働の実績

2017年9月より、居場所作り事業について、NPO法人スマイルオブキッズと協働し、スマイルオブキッズが保有する”患者家族滞在施設「リラのいえ」”を会場とし、「リラママカフェ」事業を開始。

企業・団体との協働・共同研究の実績

実績なし

行政との協働(委託事業など)の実績

保育園事業については横浜市子ども青少年局に随時相談を行い、開設を進めている。企業主導型保育事業は横浜市では認可外施設に当たるが、病児の受け入れ先がないという行政の問題に対応しているため、市役所・区役所でNPOの保育園の認知を広めて頂き、病弱児・内部障害児・医療的ケア児の就園については、就園を勧めていただく。