昭和29年当時、深刻な国民病であった結核に対して設立者である川井田多喜が、その医療の提供と入院施設の整備を目的に「人に　やさしく　あたたかく」という理念のもと、その目的に賛同した医師等が集まり設立された社団法人が鹿児島共済会です。その際に開設した病院が法人の母体である南風病院であり、今日まで医療機関として存続しています。時代が進むにつれ、医学も目覚しく進歩し、結核は治る病気とされ、患者数は大きく減少していきました。その流れとともに結核医療への支援は縮小し、現代の国民病である「がん」を治す医療へと機能も大きく変化し、今では鹿児島県がん診療指定病院として、がん医療へとシフトしました。このほか、地域のかかりつけ医を支援する地域医療支援病院の承認、へき地への支援を行うへき地医療拠点病院の指定を受けているほか、臨床研修指定病院であるなど多くの機能を有している専門病院・中核病院として地域に根ざした事業活動を行っています。
また、法人には活動の中心となる南風病院のほか、在宅療養支援部門が設置されております。訪問看護ステーションみなみ風、居宅介護支援事業所みなみ風、療養通所介護事業所みなみ風の３事業所となります。それぞれに、地域では重症・難病への対応が十分に可能な事業所として根付いており、訪問看護ステーションみなみ風においては、「地域の医師からも重症・難病対応はみなみ風にまかせると安心」との声も頂戴しているところです。併せて、平成２３年９月に開設した療養通所介護事業所は、要介護３以上及びがん末期の利用者を対象とした通所介護であります。もともと、在宅療養支援を行う事業所として特に力を入れている患者層として「他の事業所が人員若しくは知識・技術の面から引き受けられない患者様を受ける」という考え方のもと、活動を展開していることから、極めて時間と労力も必要な事業でありますが、県内でも２施設しかなく、鹿児島市にあっては当事業所のみとなっており、重要な責務を担っているものと認識しております。
定員５名の対応スペースを確保していますが、現在は３～４名の患者様に看護師２名をはじめ、介護職員３名が業務にあたっております。
このように、がん医療を中心に地域の医療機関としてその目的を果たす南風病院をはじめ、自宅療養をしている患者様の生活の質を確保するための支援を行うとともに、寝たきりであっても患者様の社会参加の機会を提供を行うなど、地域のための医療機関と在宅支援を今後もより充実させていきたいと考えております。

病院の設置運営により、地域医療支援病院としての役割を活かした、かかりつけ医の支援及び専門的医療の提供に取り組み、高度医療機器の整備と専門医療従事者の配置による質の高い医療（がん医療）の提供を行う。
へき地医療の提供に勤め、地域で発生する初期救急対応の困難な救急患者への専門的な救急対応を行う。そのほか、在宅医療支援にも積極的な対応に取り組んでいる。

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