糸島地域における耕作放棄地の増加は、社会的に大きな課題となっている。その課題解消に取り組むため、平成２５年２月に農業生産法人株式会社糸島夢農園を設立。
平成２５年１１月から「耕作放棄地の再生に関する意見交換会」を開催。
３０名あまりの市民参加のもとに、近隣に位置する九州大学の地域社会の課題解決に取り組む学生グループとの連携を深め、農業法人糸島夢農園を中心として、耕作放棄地の借り上げ～農地の再生～就農希望者への転貸による農地の活性化という仕組みを創り上げた。
これまでの取り組みにより、耕作放棄地の再生の手法と実践は軌道に乗りつつある。
今後さらに耕作放棄地の課題を解決し、地域の資源として活かしていくためには、地域が力を合わせて取り組むことが重要であり、その中心となって機能する組織がＮＰＯ法人糸島山農海である。
農業の復興のみならず、体験事業や交流の場としての活用など、地域の資源として地域全体を活性化させる取り組みを展開していく所存である。

１．活動の種類
1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2)社会教育の推進を図る活動
3)まちづくりの推進を図る活動
4)農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
5)環境の保全を図る活動
6)子どもの健全育成を図る活動
7)経済活動の活性化を図る活動
8)職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
9)前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
２．事業
1)農山漁村での農林漁業体験、生活体験事業
2)耕作放棄地解消事業
3)農山漁村の環境保全事業
4)コミュニティ食堂の運営事業
5)地域物産の開発と生産販売事業
6)観光の振興を図る活動
7)地域交流を目的としたイベント事業
8)人材育成事業
9)前各号に附帯する一切の業務

我が国における大きな社会的課題として、耕作放棄地の増加という課題があります。これは、単に農作物の生産減少というだけでなく、周りの環境に様々な悪影響を与えるおそれがあり、一度耕作をやめて数年経てば、農地の原形を失うほどに荒れてしまいます。
　糸島市においても、総耕作面積4,365haに対して、耕作放棄地が474.4ha(10.9%)、遊休農地が128.9ha(3.0%)と１割以上もの耕作放棄地・遊休農地が存在します。（平成２６年４月１日糸島市農業委員会資料より）
　耕作放棄地が及ぼす周辺地域の農業環境への悪影響としては、病害虫・鳥獣被害の発生、雑草の繁茂、用排水施設の管理への支障等が考えられ、農地集積の阻害要因ともなります。さらに地域住民の生活環境への悪影響としては、土砂やゴミの無断投棄、火災発生の原因となる等が考えられ、中山間地域等、上流地域で発生した耕作放棄地は、周辺の営農・生活環境を悪化させるだけでなく、下流地域の国土保全機能の低下をも招くことが考えられます。
　耕作放棄地の発生抑制・解消に向けた取り組みを促進するためには、地域が力を合わせて発生防止に取り組むことが重要であり、再生利用にも積極的に取組む必要があると考え、特に、農業上重要な地域である糸島の耕作放棄地で、一定の再生作業により耕作可能となると見込まれるものについては、その森林化・原野化を防止し、有効利用を図るための取り組みが必要です。その取り組みの先駆けとして、「糸島市内耕作放棄地を美しい農地に再生しよう！」そんな意気込みで取り組んでいる農業法人と共に、多くの仲間が耕作放棄地を再生し、オリーブ植樹会などを開催してきました。
　また、農業による農作物の収穫だけではなく、農業体験は、子どもの健全育成において、情緒の安定や積極性・自主性の向上等につながるとされており、精神的側面の効果が高いといわれることから、農業を通した交流やコミュニティの拡大を図り、農業を活かした活動の輪を広げていきたいと思います。
　また、糸島市は日本海に面した海とのつながりも大きな資源です。古来、海と農業のつながりが豊かな郷土を創ってきました。山と農業、そして海、糸島の豊かな資源のつながりを守り、さらに未来へ向けてのふるさと創り邁進する所存です。
また、当団体の活動が営利目的ではなく、多くの市民の方々に参画していただくことが不可欠であることから、特定非営利活動法人格を取得するのが最適であると考え、特定非営利活動法人となることにより、その社会的地位を確立し、さらに財政基盤を整備するとともに、地域における福祉の振興を推進し、より良いまちづくりの実現に向けて広く貢献したいと考えます。

ＮＰＯ法人として、この３月に認証を受け新規活動を展開するため、法人としての実績はこれからです。

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