平成８年に、知的障害者の方たちの保護者が集い、高齢化していく障害者の方たちの地域生活を学んでいく為、「にれの会」を発足しました。その活動の中、意見交換を定期的に行い、施設や作業所等の見学も取り入れてきました。そして、障害者が今どんな生活を送っていて、これから何を求めれば良いのかを追求していき、その結果、一つの考えが示されました。それは、入所施設を作るというものでした。入所施設を持つことで、より多くの障害者が安心してずっと生活が出来る場所を築き、そこを元に、今後何を支援していけるかを検討していくことで意見が纏まりました。その為、行政とも相談を重ね、入所施設作りの手順や必要なものなど、一つ一つ検討をしていきました。しかし、時代が変わっていき、「地域生活」や「個々の尊厳の大切さ」などが掲げられ、新たに入所施設を作ることより、グループホームなど少集団の生活をしていくことが社会的に求められるようになってきました。平成１５年からは、福祉制度が大きな変革期を迎え、障害を持った方たちも、支援を受けながら地域生活が送れる土台が出来上がりました。しかし、当時、障害者自立支援法の施行前で、果してより良い福祉サービスが受けられるのか、多くの不安がありました。その状況の中、にれの会と障害福祉に思いを持つ支援者と共に、平成１７年にＮＰＯ法人を取得致しました。当法人の代表者は、知的障害を持つ方の保護者であり、設立の中心となった方です。主な活動として、知的障害者の方対象の相談員を務めてきており、様々な相談業務に応じ、関係者やその他関係機関とも意見交換を随時行ってきており、障害者福祉に大いに貢献されてきました。

当法人の主たる活動として、知的障害者の方たちの生活支援を行っています。その中の事業として、障害者自立支援法の制度を活用し、共同生活介護事業（ケアホーム）の指定を愛知県から認可指定を受け、（平成１８年度より実施）現在、ケアホーム内で生活を送る１４名の利用者の身体介護や家事支援、相談支援等うを世話人、生活支援員を配置し、生活全般の支援を行っています。また、別の事業として、居宅介護事業を共同生活介護事業と同じく、愛知県の認可指定を受け、行っています。利用者のニーズに合わせて居宅内で、援助出来ることを求めていき、毎日の生活が出来るだけスムーズに送れることを念頭に置き、ホームヘルパーの派遣や実際の生活において、困ったことなどあれば、相談に応じることも行っています。もう一つ事業として、名古屋市移動支援事業者として登録をし（平成１８年度）、事業を行っています。平日の交通手段を使っての職場への移動や通院、充実した余暇活動の手助け等、主に、生活をしていく上で、利用者本人の力だけでは困難なところを派遣要請のあったガイドヘルパーが一緒に行動することで、利用者が安心して移動出来ることを目的に、ほぼ毎日活動を行っています。法人独自の活動として利用者が中心となって、余暇活動に取り組む会（名称ピノキオ）も行っています。活動内容は、利用者の方たちの要望に基づき、隔月で、ボウリングや日帰り旅行、社会見学等を実施しています。その他として、法人設立に関わった障害を持つ方たちの保護者の方、支援者が中心となって、福祉関係の様々な制度の勉強会、有識者を招いての研修会も行っています。（名称にれの会）どの事業、活動も法人内において、協力体制を築いており、互いに連携を取り合っています。また、行政からの指導や折衝に積極的に関わることで、円滑な運営を行えるように取り計らい、他団体との連絡、情報交換も把握し、法人の活動に反映出来るよう努めています。法人独自の事業として、福祉輸送サービスを行っています。主にケアホームの利用者の方々の普段の日中活動場所への移動など、出来る範囲で行っていますが、現状は、有志者の自家用車を拝借して事業を行っており、厳しい運営状況の中、何とか継続しているところです。

無