東京の西多摩地域で1973年より地域のボランティア活動を行ってきた「ボランティアグループ　花咲き村」は、まだ「ボランティア」という言葉が一般に広まる以前から、地域の障害者へのサポートを行ってきた。重度身体障害者授産施設「日の出舎」での夜間小学校から始まり、さらには知的障害者更生施設「日の出太陽の家」の開設に深く関わるなかで、障害があっても普通に暮らしていくには、地域の人たちと障害者のよりよい関係をつくることこそ重要であることを学んだ。
　さて、この西多摩地域には、豊かな自然が残されている。しかし、林業の低迷に伴い、放置される森林が増えている。さらに、地域の高齢化とともに田んぼや畑も放棄されていく。すべては先人の遺産である。これらの地域が持つ資源を活かし、地域の活性化を果たしていくには、障害者の問題と同様に、多くの人たちが「課題に参加していくこと」を必要としている。
問題は多様であるが、すべてはつながりをもってあらわれる。結局のところ、地域の活性化が、人と人、人と自然との豊かな関係を作り出す。
障害者や高齢者という社会的弱者と呼ばれる人たちに「優しい」社会環境となるにはまだまだ課題は多い。環境の保全はますます重要になってきている。障害者が地域で普通に暮らせるためには、また環境保全のためには多くの人たちの理解と参加が不可欠であり、地域のさまざまな環境が変わっていかねばならないのである。豊かな自然環境は人に優しい社会環境と不可分である。
　時代は移り、「ボランティア」という言葉もいくらかなじみあるものになってはきたが、豊かな地域社会を築いていくには、「参加」というキーワードのもと、地域ボランティア活動がより広く行われていく必要がある。私たちはこれまでの「ボランティアグループ花咲き村」の活動を受け継ぎ、人々が豊かな気持ちで生活できることをめざして、より多様な地域ボランティア活動を行ってきた。

花咲き村は、前条の目的を達成するため、次の種類の特定非営利活動を行う。
(1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動
(2)社会教育の推進を図る活動
(3)まちづくりの推進を図る活動
(4)環境の保全、保護を図る活動

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