寝たきりの障がい児との出会いから、自分と娘たちのその子どもへの関わり方の違いを感じ障がいについて学ぶため、娘の通う幼稚園の保護者会に「障がいについて考える会」を発足した。その後1983年に「療育サークルとら太の会」を発足し、毎週勉強会を開催した。その中で障がい者差別は、無知・無関心によるものであることを痛感し、障がい児だけを集めても差別はなくなることはないと「地域共生」を目指すようになった。そこで2001年に大きくなった子どもたちに働く場をと代表の自宅にて小規模作業所を設立すると同時に、無認可保育所を開始した。2003年にＮＰＯ法人の承認を得て、同年6月に現在の場所にとら太の家を建て、放課後児童クラブやタイムケア、ふれあいホーム・ふれあい農縁、計画相談事業所を設立し現在に至る。また、どの事業にも属しないが、様々な活動に参加するなかまや不登校や引きこもりの方々が自分の居場所としてとら太の家を利用し、自分自身と向き合いをされている方々もいる。仕切りもほとんどない１軒の平屋建ての家で保育所も作業所も児童クラブも行っており、０歳から高齢者まで共に生活をしている。国内でもあまり例がない施設のためか、全国から視察などのために来会される方々も多い。2010年にはくまもとＮＰＯ顕彰2010を受賞、11月には内閣総理大臣賞を受賞した。2014年7月には熊本県より認定ＮＰＯ法人の承認を得た。

①「障がい」の有無を問わない保育に関する事業
　→無認可保育所・地域型保育所ありんこ園
②「障がい」の有無を問わない学童保育に関する事業
　→放課後児童クラブとら太
③「障がい」者の自立支援に関する事業
　→就労継続支援Ｂ型、生活介護
④「障がい」の有無を問わない幼児から高齢者までの一時預かりや
　　緊急時宿泊サービスに関する事業
　→地域の縁側、ふれあいホーム
⑤「障がい」児・者の相談支援に関する事業
　→計画相談事業所　とら太
⑥「障がい」の有無を問わず、共に集い学びあう事業
　→タイムケア
⑦「障がい」の有無を問わないグループホームに関する事業
　→２９年度建設に向け計画中
⑧上記事業に関する情報提供
　→事業を利用しないが、とら太を支えるすべての皆さんへの通信配布など
⑨その他、この法人の目的を達するのに必要な事業

　多機能事業所を利用する利用者（なかま）の保護者も高齢となり、祖父母の介護や保護者の疾病などでなかまを急に預かったり、宿泊を伴う利用も増えてきた。現在そのような緊急時の預かりは、地域の縁側事業として当施設などを利用しているが、事業所に通うなかまが増えたことで当施設も手狭になりつつある。特に、保育所は一人当たりの平米数が足りず、増築をする予定でいたが、浄化槽の容量が足りないとのことで、別の場所に拠点を移さなければならない。
また、保護者の高齢化や、親亡き後の不安から、以前よりケアホームやグループホームを建設してほしいとの要望もあり、土地や建物の検討を行っていた。しかし、今回の熊本地震で、グループホーム利用中に地震が起きたときに、なかまの命が守りきれるのか、スタッフが対応できる人数はどれくらいなのかなどの意見があり、討議を重ねた結果、先ずは緊急時の短期入所施設を建設し、１～３名が宿泊できる小規模な施設を建設する方向で議論を進めている。この施設では、短期入所施設のほか、地域のお年寄りが憩えるスペースや、調理スペースなどを設け、誰もが気軽に遊びに来られるような居場所を作りたいと考えている。また、当会の保育所や放課後児童クラブの子どもたちと、地域の高齢者をはじめとしたたくさんの皆さんとの世代間交流ができるような施設となることを目標としている。
　これまで行ってきた事業所の増築工事や、今後の新しい施設の建設で財政的には厳しいものとなる見通しだが、これからも障がいがあっても地域で当たり前に暮らせる社会を目指し活動していく。

・株式会社ＫＪケミカルズさんと協働で、ヤギを用いた除草作業を行い、エコで安全な作業を行う他、除草にかかる人件費などの経費を大幅に削減させている。

無

ＮＰＯ法人ＷＥ、きょうされん、八代市障害者福祉事業所協議会、商工会議所、中小企業家同友会、倫理法人会

10名

 

 

 

2014年7月23日

絶対値基準