我が国の高齢化率は2020年に29％と予想され、その後、総人口の減少も手伝って2050年には40％に達すると推計され、熊本県においては現在25％、八代市に至っては28％に達しており、この5年間で1.9％増の経過がみられている。介護の現場では、以前より入所施設の不足が叫ばれており、八代市でも特別養護老人ホームに70名以上の入居待機者がいるとの報告もあり、一刻も早い施設整備が必要と考える。高齢化率の上昇と併せて、認知症罹患者の数も年々多くなっており、現時点で全国で250万人、2035年には350万人に達すると予想され、県内においてはH22年に約5万人、今後5年間で20％近く増加すると見込まれています。この現状に対して、認知症にも対応できるスキルを持った施設が必要であると考えられるが、まだまだ不足した状況にあると推測する。このような中で、この度、社会福祉法人を設立し、地域密着型特別養護老人ホームを設立することとなった。これにより、待機者の減少を目指すと共に、県の地域拠点型認知症疾患センターの指定を受けている平成病院が連携する「地域密着型特別養護老人ホーム」として、これまで培ってきた精神科のノウハウ、特に認知症の早期発見・予防・進行緩和のための薬物療法、非薬物療法として、回想法、音楽療法、芸術療法、運動療法等を含めた脳活性化リハビリテーション、介護サービス等お一人お一人にあった対応方法を十分に活用し、精神症状や認知症を伴う高齢者等、比較的受入が困難と思われる方も積極的に受入ることとする。連携病院である平成病院は、地元で開設以来60年を経過し、地域に根差した医療を実践してきており、内科併設の精神科病院として、精神・身体症状の両面から地域医療に貢献してきた。本施設においても平成病院との相互連携による最善の介護サービスの提供が可能であると考えている。地域の高齢者が住み慣れた地域で、個人の個性や生活スタイルを継続し、入居前と変わらぬ生活リズムを継続または、自ら創り上げて行くための最善の介護サービス提供を行うとともに、居住ユニット化によりプライバシー保護と尊厳を重視し、ユニット内でのコミュニケーションを充実させていく。また、地域交流スペースを設け、地域の皆様との交流の場、ふれあいの場としても広く提供し、地域の活性化にも寄与する。これらが、社会福祉法人平成苑設立の趣旨である。

代表者：新井浩子
略歴：
昭和60年3月熊本県立熊本高等学校　卒業
昭和61年4月福岡大学医学部　入学
平成 4年3月福岡大学医学部　卒業
平成 5年5月熊本大学医学部付属病院第2内科
平成 5年7月医療法人社団　平成会　坂本病院（現　平成病院）
平成27年7月医療法人社団　平成会　平成病院　副理事長・副院長就任
平成27年7月社会福祉法人　平成苑　理事長就任

社会福祉法人平成苑は、多様な福祉サービスが、その利用者の意向を尊重して、利用者が個人の尊厳を保持しつつ、自律した生活を地域社会において営むことができるよう支援する事を目的として次の事業を行います。
第一種社会福祉事業として地域密着型特別養護老人ホームの経営、第二種社会福祉事業として老人デイサービス事業の経営、老人短期入所事業の経営。
これらの事業を確実、適正に行い、社会福祉事業の担い手として、サービスの質の向上等を図り、地域福祉の推進に努めます。

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